パキスタン:国内4基目のチャシュマ3号機で落成式開催

2017年1月6日

       ©パキスタン首相府

 パキスタン国営通信によると、東部パンジャーブ州のチャシュマ原子力発電所で2016年10月15日に送電開始した3号機(PWR、34万kW)の落成式典が、同年12月28日にN.シャリーフ首相を招いて開催された(=写真)。中国の協力により2011年3月に本格着工した同炉は、送電開始した後に出力を定格まで段階的に上げていき、12月6日には100時間の信頼性実証試験を完了。すべてのシステムが要件どおり機能することを確認していた。同国では1970年代にカナダから導入したカラチ原子力発電所1号機(カナダ型加圧重水炉、13.7万kW)が稼働中のほか、中国核工業集団公司(CNNC)が建設協力したチャシュマ1、2号機(各PWR、32.5万kW)がそれぞれ、2000年と2011年に営業運転を開始。3号機は同国で4基目の商業炉となる。また、同型の4号機も2011年12月に着工しており、シャリーフ首相は今年前半中に送電開始するとの見通しを示している。

 同首相は祝辞の中で、「チャシュマ3号機は様々な分野における中国と我が国の緊密な協力関係を映し出したもの」と指摘。同炉が完成したことは、輪番停電の脅威をパキスタンから取り除くという国家的目標の達成に向けた大きな節目になったと強調した。また現地の報道によると、同首相は反対派に対して国益を妨害するような工作は止めるよう強く呼びかけた一方、技術的および財政的支援を提供した中国国家原子能機構(CAEA)と中国輸出入銀行に対しては謝意を表明。中国が協力するチャシュマ3、4号機増設計画およびカラチ原子力発電所2、3号機(各PWR、110万kW)増設計画によって、2030年までに原子力設備を880万kWに増強という中間目標の達成が加速されると述べたことが伝えられている。