英ホライズン社:原子力発電所の運営能力増強で米エクセロン社と提携

2017年2月16日

 日立製作所が英国で出資するホライズン・ニュークリア・パワー社は2月15日、ウェールズ地方アングルシー島で進めているウィルヴァ・ニューウィッド原子力発電所建設計画について、発電事業者としてトップ・レベルの運営能力や専門的技術を習得するため、米国のエクセロン・ジェネレーション社と協力関係を結んだと発表した。エクセロン社は米国最大手の原子力発電事業者で、5州13か所の原子力発電所で22基、1,946万kWの原子炉を運転中。同社がこれまで蓄積してきた経験の中でも、8か所の発電所におけるBWRの運転経験を特に、ウィルヴァ発電所で建設する2基の日立GE社製UK-ABWRの運転に役立てる考えだ。

 ホライズン社はウィルヴァ・ニューウィッド計画で、少なくとも270万kW分のUK-ABWRを建設予定。初号機の運転開始は2020年代前半を目指している。同社にとって初の原子力発電プロジェクトであることから、完成後の発電所を成功裏に運営するため、諸外国から複数の協力パートナーを迎えている。主な分野は、発電所の運転・保守管理、BWRの運用経験、英国における許認可の専門知識、人材の訓練などで、パートナーから原子力発電事業者としての優れたスキルの移転を受ける。同社はすでに2016年7月、日本原子力発電とも協力協定を締結しており、発電所の建設費評価や設計・資材調達・建設(EPC)契約締結に向けた作業、サイト認可などの許認可取得、試運転計画、各種メンテナンス計画の策定などで協力中となっている。

 今回の協力では、エクセロン社の経験豊富な4名の専門家チームが、アングルシー島およびグロスターシャーにあるホライズン社本部で組織中のチームとともに働き、エンジニアリングや運転・保守管理、および人材訓練に関する専門的知見を提供する。エクセロン・チームはまた、ホライズン社が独自の運営モデルを確立できるよう、G.エバンズ安全・発電担当理事をサポートしていくことになる。

 ホライズン社のD.ホーソーン最高経営責任者(CEO)は、「当社が世界をリードする最高の原子力発電事業者となるためにはトップ・レベルの企業から学ぶ必要がある」と指摘。ホライズン社が発電所の建設に向けた活動を続けるなかで、エクセロン社はホライズン社の専門家チームとともに発電所を成功裏に運営する準備チームを組織していくと述べた。エクセロン社のM.パシリオ最高執行責任者(COO)も、英国における同社のプレゼンスを拡大するとともに、同社の原子力発電所管理モデルや優秀な運営能力を世界中の運転技術向上に役立てたいと強調した。