中国36基目の商業炉、陽江4号機が営業運転開始条件達成

2017年3月16日

   陽江原子力発電所©陽江核電有限公司

 中国広核集団有限公司(CGN)傘下の陽江核電有限公司は3月15日、中国で36基目の商業炉となる陽江原子力発電所4号機(PWR、108万kW)が営業運転開始条件を達成したと発表した。福島第一原子力発電所事故の影響により、本格着工は当初予定されていた2011年から2012年11月に遅延したものの、今年1月に同炉は初めて国内送電網に接続され、1~3号機の建設・運転経験を活かして順調に試運転を実施。定格出力で168時間の連続運転という営業運転開始条件をクリアしたとしている。

 広東省南西部に位置する同発電所では合計6基の建設が計画されており、1~4号機まではフランスの技術に基づく100万kW級PWR設計の「CPR1000」を採用。1~3号機はすでに、2014年3月、2015年6月、および2016年1月に営業運転を開始した。後続の5、6号機では、第3世代の技術的特性を有するという「ACPR1000」を採用しており、5号機では特に国産のデジタル式計測制御(I&C)系を装備。安全性の大幅な向上を図ったという。両炉はそれぞれ、2013年9月と12月に本格着工済みで、現在は機器・システムの設置段階に入った。

 なお、陽江4号機を含めると中国で稼働する36基のうち、20基までがCGNの所有。同社は中国最大の原子力発電事業者であるとともに、世界でも5本の指に入ると強調している。