韓国水力・原子力会社、政府要請受け新古里5、6号機の準備工事を3か月停止

2017年7月18日

 韓国電力公社(KEPCO)が全株式を保有する韓国水力・原子力会社(KHNP)の理事会は7月14日、新古里原子力発電所5、6号機(各140万kWのPWR)の処遇について、政府の公論化委員会が国民的な討論と調査を行う3か月間の間、これらの準備工事を中断すると決定した。閣議決定を受けた産業通商資源部(MOTIE)が6月29日に工事中断の協力要請文書をKHNPに送付していたもので、法律上の義務が発生しているわけではいないが、公的企業であるというKHNP社の性質上、国のエネルギー施策に積極的に協力するという包括的義務規定に基づき、協力することに決めたと説明。3か月以内に世論を公論としてとりまとめる作業が終わらない場合は、理事会を再度開催して今後の方針を決定付けるとしている。

 工事中断期間中の機材保管や現場の維持管理、および工事のパートナー企業の損失コスト保全などで約1,000億ウォン(約100億円)かかる見通しだが、KHNP社としてはこのようなコストと地域経済への影響を最小限に抑える方策を協力会社とともに講じる考え。工事再開時に問題が発生しないよう、現場の労働力を最大限に活用して工事現場の点検や機材の洗浄、防さび、包装といった特別な安全対策を実行する。特に、原子炉建屋の基礎部分は原子炉の安全確保上、非常に重要な部位であるため、中断期間中も品質を確保するための仕上げ作業を最短で8月末にも完了する方針を明らかにした。

 今年5月に新政権を発足させた文在寅大統領は6月19日、古里原子力発電所1号機の永久停止を公表する式典で脱原子力政策に転換すると宣言。準備中の新規建設計画を全面白紙化するほか、既存炉は運転期間を延長しない、昨年6月に建設許可が降りて準備工事が始まっていた新古里5、6号機の先行きについては、投入済みのコストや安全性、補償費、電力設備予備率などを総合的に考慮して、早期に社会的な合意に基づく結論を出すとしていた。

 内務省に相当する行政自治部の7月12日付け「国政通知」によると、関係省庁間の協議を経て内閣は6月27日、新古里5、6号機問題に対する社会的合意を導き出すためには民主的な議論の過程を経る世論調査方式を取ること、並びにとりまとめ期間中の3か月間は準備工事を中断することを決定。この調査は中立的立場の委員が厳正に構成・運営するという公論化委員会が担当し、専門家の意見も加えた上で同委がすべてを決定・推進する点で国務委員間の合意が得られたという。また、世論を公論化する期間の工事中断については、この調査における中立性や客観性が確保されるよう、首相や海洋水産部長官、その他の参加者も含めて様々な意見を議論した。現在、国務調整室が公論化委員会の構成原則と手順に従って、分野別の専門機関や団体に委員候補者の推薦を依頼中。新古里5、6号機建設に関する主な事実関係資料と、提起事項に関する資料の整理作業を進めている。