中国37基目の商業炉、福清4号機が初併入

2017年8月3日

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 中国の核工業集団公司(CNNC)は7月31日、国内で37基目の商業炉となる福清原子力発電所4号機(PWR、108.7万kW)(=写真)を、29日の午後6時過ぎに初めて送電網に接続したと発表した。今後は出力を徐々に上げながら段階毎に試運転を実施し、年内に営業運転を開始する見通しである。同炉は第2世代改良型の「CP1000」設計を採用しており、発電所では同型の1~3号機が2014年以降、1年毎に営業運転を開始した。これら3基による総発電量は合計3,800億kWhにのぼっており、約1,227万トン分の石炭の燃焼を抑えるとともに、約4,000万トンのCO2排出抑制に貢献したとしている。

 同発電所ではまた、Ⅱ期工事にあたる5、6号機の建設工事も順調に進展中で、2021年までに営業運転を開始する見通し。両機とも中国が知的財産権を保有する輸出用の第3世代設計「華龍一号」を採用しており、設計にはこれまでの建設経験から教訓を取り入れ、25項目の大規模な技術的改善を施した。具体的には、先進的な燃料機器や中央制御室、デジタル式の計測制御(I&C)系、可燃性ガス濃度制御システム、格納容器圧力逃しシステムなどを採用。福島第一原子力発電所事故後は特に、国家要件に準じて激甚災害を本格的に考慮するとともに、14項目について安全性を改善したと強調している。