ウクライナ原子力発電公社、発電所機器の最新化で東芝と協力覚書

2017年10月30日

©エネルゴアトム社

 ウクライナで全15基の商業炉を運転する国営エネルゴアトム社は10月25日、原子力発電所のタービン系統機器で最新化を図るための協力覚書を東芝エネルギーシステムソリューション社と締結した。機器の最新化を通じて原子力発電所の出力増強、安全性と効率性の改善を行うほか、定期的な会合と調査も実施。また、最新の技術ソリューションや財務ソリューションの導入、据え付けた機器への長期的なサービスの提供などに向け、協力を拡大していく考えだ。
 1986年のチェルノブイリ事故直後、同国では新規原子力発電所の建設を中断したものの、国内の電力不足と国民感情の変化により1993年に建設モラトリアムを撤回。関係が悪化したロシアに代わって、韓国との協力により途中まで建設したフメルニツキ原子力発電所3、4号機(各100万kWのロシア型PWR)の完成を目指すとともに、国内電力需要量の約50%を賄う既存炉の運転期間延長や安全性向上のため、アレバ社やGEパワー社、ウェスチングハウス社といった欧米企業との協力も強化している。

 覚書への調印は、エネルゴアトム社のY.ネダシコフスキー総裁と東芝エネルギーシステムソリューション社の柳瀬悟郎副社長が、ウクライナの首都キエフで実施(=写真)。在ウクライナ日本大使館やウクライナのエネルギー・石炭産業省の代表者も署名式に同席した。なお、東芝エネルギーシステムソリューション社に付随していた原子力事業統括部は、10月1日付けで東芝からの分社により新たに発足した東芝エネルギーシステムズ株式会社に統合されることになった。

 今回の覚書についてネダシコフスキー総裁は、「原子力発電所の出力増強のみならず、国内における発電所技術の開発で新たな推進力になる」との期待を表明。柳瀬副社長も、「ウクライナが原子力発電所でいくつかの目標を達成しようとしているのに対し、当社は原子力機器供給事業の拡大という形でそれに応えるなど、ウィン・ウィンの関係を構築できると確信している」と述べた。覚書に基づく協力活動を体系化するため、両社は双方の代表者が共同議長を務める運営委員会の設置で合意。機器の供給契約など適切な商業契約の締結も含めて、協力にともなうすべての問題を調整していくことになる。