WH社をカナダの投資ファンドが約46億ドルで買収へ

2018年1月9日

 カナダと米国の証券取引所に上場する大手投資ファンド「ブルックフィールド・ビジネス・パートナーズ(BBU)」は1月4日、東芝が所有する米国籍の原子炉メーカーであるウェスチングハウス(WH)社の株式100%を、提携する機関投資家との共同により総額約46億ドルで買収すると発表した。
 WH社は約98億ドルという巨額の負債を負い、2017年3月に米国の連邦倒産法に基づく再建型の処理手続適用を申請した。しかしBBUは、「発電産業に対するインフラ・サービスの提供など、WH社は高品質の事業を世界中で展開する同分野の中心的企業だ」と高く評価。カナダ最大の代替資産運用会社であるブルックフィールド・アセット・マネジメント社の子会社として、BBUがWH社株の約50%を引き受け、今年の第3四半期に買収を完了する方針であることを明らかにした。
 この取引の実行においては、連邦破産裁判所の承認に加えて、監督官庁を含めた政府当局の承認が必要。ただし、取引の手続き期間中も現経営陣の指揮下で、WH社の業務は通常どおり続けられることになる。

 発表によると、46億ドルという買収価格は、WH社が世界中で実施しているすべての事業を全面的にカバー。同社の関連資産および倒産期間中のつなぎ融資も含まれるとした。また、環境関連や運営関連の債務、年金などもBBUらが継承。買収資金としてBBUらは、長期的にWH社の社債を約30億ドル分発行するほか、株主資本から約10億ドルを調達するとしている。
 WH社の強みについてBBUのCEOは、市場におけるステータスが盤石であり、世界の原子力発電施設に最大級のサービスを提供するリーダー企業であると強調した。世界中で多様かつ安定した古くからの顧客基盤を維持しているだけでなく、米国を象徴する企業の1つとして、様々な特殊部品や機器を提供。それらの多くで特許を保有するなど、技術革新を重視している点でも定評があるとした。また、産業界をリードするエンジニアリングその他のサービスにより、同社は顧客の施設における安全性と効率、および信頼性を高めているとの認識を表明した。

 東芝は2006年、原子力発電事業がグローバルな市場で展開していくことを見越し、54億ドルでWH社を買収すると決定。PWR事業への参入を果たした。しかし、米国の2サイトで2基ずつ請け負った最新鋭のWH社製AP1000建設プロジェクトにおいて工期が長引き、見積コストが61億ドル増加することが判明。WH社による倒産法の適用申請後、東芝は2017年12月、WH社の親会社保証として36億8,000万ドルをボーグル3、4号機増設計画のオーナー企業に完済した。また、計画の打ち切りが決定したサマー2、3号機増設計画のオーナー企業に対しても、21億6,800万ドルの支払いを約束している。