UAEバラカ2号機で主要な運転前試験を完了

2018年8月7日

 アラブ首長国連邦(UAE)で建設中のバラカ原子力発電所2号機(韓国製140万kW級PWR)は、温態機能試験(HFT)を成功裡に完了したと発電所オーナーである首長国原子力会社(ENEC)が8月6日に発表した。この重要な運転前試験プロセスは、先行して建設中の1号機での同種の試験から得た教訓に基づき、国際基準の品質、安全性、効率の最高水準を達成するために実施された。
 また、連邦原子力規制庁(FANR)の監視の下、ENECは、プロジェクトの工事部門の主契約者である韓国電力公社(KEPCO)と、強力な連携によって今回のプロセスを達成したと強調している。
ENECのCEOであるモハメド・アル・ハマディ氏は、「我々は、今回の2号機におけるHFTの完了は、安全性と効率性を堅持していることを示すものと誇りに思っている。さらに1号機での教訓を踏まえながら、バラカ発電所を世界的に新規原子力発電所プロジェクトのベンチマークであり続けるよう努める」と語った。
 ENECによれば、HFTは原子炉内に核燃料未装荷状態での運転条件で性能を確認するために主要システムで実施された約200の個別試験と統合試験で構成されており、数週間にわたって行われた。
「これらの運転前試験は、プラントの運転を開始するための複雑で重要なステップであり、安全性および品質の最高水準が達成されていることを実証するためには、核燃料を使用しない運転条件下で試験することが可欠である」とアル・ハマディ氏は付け加えた。
 バラカ2号機の建設は、1号機に1年遅れて2013年4月に開始された。バラカ原子力発電所全4基の工事は、着実かつ安全に進捗しており、当初予定では、1号機の運転開始が2017年終盤で、その後1年に1基ずつ運転開始され、2020年までに全ての原子炉が稼働することになっていた。現状では、1号機はその完成と規制当局の承認を待って、運転管理会社であるNAWAHエナジー社に移管され、運用準備に入る段階にある。
 しかし、1号機の運転開始については、今年5月に2018年中に予定していた燃料装荷日程を運転員の訓練と規制当局からの承認取得に時間がかかることから、2019年末か2020年初頭頃に延期することを発表している。
 2018年6月末現在、バラカ2号機の工事進捗率は93%で、4基全ての進捗率は89%を超えている。全基が稼働すると、UAE域内に安全でクリーンかつ信頼性の高い効率的な電力を供給し、毎年2,100万トン以上の温室効果ガス排出削減を達成することとなる。