中国:三門1号機に続き、2号機が送電網へ初併入

2018年8月27日

 中国浙江省で建設中のウェスチングハウス(WH)社製AP1000の三門原子力発電所2号機(125万kWのPWR)は、8月24日に送電網に繋がれ、発電を開始したと国家核電技術公司(SNPTC)が発表した。
 三門2号機は現在負荷試験段階にあり、続いて営業運転の認可を規制機関へ求めることとなる。同炉は8月17日に初臨界に達したことをSNPTCは公表している。
 また、三門1号機は、6月21日に初臨界、6月30日に送電網接続を成し遂げ、8月14日には初めてフルパワー運転に達した。
 中国国内におけるAP1000炉の開発は順調に進捗しており、山東省で建設中の海陽-1 号機は、8月8日に初臨界、8月17日に送電網に接続している。
 
 設計変更と米国で製造された原子炉冷却ポンプを含む機器に関する問題により、三門-1、2号機の運転開始予定は当初、数回延期されたものの、三門-1号機が、世界初稼働のAP1000となった。(注記:8月26日現在のIAEA PRISデータによる)
 AP1000は、受動的安全機能を取り入れたWH社設計の原子炉で、中国は、三門発電所と海陽発電所の4基をWH社から導入することに同意した際に、AP1000の中国への技術移転とその出力増強国産化版となるCAP1400とCAP1700の知的財産権の中国への帰属と海外への輸出をWH社に承認させている。
 SNPTCは国家電力投資集団公司(SPIC)の子会社で、AP1000の技術移転の受け皿会社で、AP1000、CAP1400ならびにCAP1700等の装置の製造技術認定をWH社に代わって行い、国産化力向上の中核を担っている。
 なお、中国核能行業協会(CNEA)によると、AP1000は三門、海陽の各2基に続き、遼寧省徐大保等にも建設される見通しとなっている。

 AP1000については、米国でも4基が建設・運転一括認可(COL)を得て、4基(A.W.ボーグル2基、V.C.サマー2基)が建設されていたが、サマー原子力発電所2基については、所有会社であるSCANA社が2017年8月に両炉とも完成を断念すると発表した。