ロシアのノボボロネジ4号機、運転期間が60年に延長

2018年12月13日

ノボボロネジ4号機の中央制御室©ロスアトム社

 ロシア国営の原子力総合企業ロスアトム社は12月11日、モスクワの南約500kmに位置するノボボロネジ原子力発電所で4号機(40万kW級のロシア型PWR)が運転期間延長のための大規模な改修工事を終え、合計60年間の運転に向けた燃料の装荷作業を完了したと発表した。

 従来のロシア型PWR(VVER)の公式運転期間は30年間であることから、1972年末に送電を開始した4号機では1999年以降、運転期間が満了する2002年までに最初の運転期間延長作業が行われ、2017年まで15年間、運転が継続された。
 この年に同炉は合計45年間の稼働を終えて閉鎖されることになっていたが、十分な電力量の確保という目的のため、さらに15年間、運転期間を延長するプロジェクトが同年中にスタート。設備の最新化も含めて40項目以上の作業が実施され、今年11月26日には349体の燃料集合体と73本の制御棒を炉内に装荷する作業を開始。現段階では再稼働の物理的準備が整ったことを確実に保証するとともに、連邦環境・技術・原子力監督庁(ROSTECHNADZOR)から次の段階への移行許可が降りるよう、さらなる手順を踏むとしている。

 同発電所ではすでに、1960年代に営業運転を開始した20万kW級VVERの1号機に加えて、30万kW級の2号機と40万kW級の3号機が閉鎖済み。従来型VVERとして4号機(40万kW級)と5号機(100万kW級)が運転を継続する一方、これらI期工事のリプレースと位置付けられる最新型のII期工事1号機(6号機)が昨年2月に営業運転を開始。同2号機(7号機)も、2019年末の運転開始を目指して建設中である。
 II期工事の2基は、第3世代+(プラス)の性能を有する120万kWのVVERシリーズ「AES-2006」で、6号機はその初号機として世界で初めて完成した。全電源喪失時や運転員の介入なしでも機能する受動的安全システム、水素再結合機やコア・キャッチャーを装備しているほか、主要機器の耐用年数も60年に延長された点をロスアトム社は強調している。

 (参照資料:ロスアトム社とロスエネルゴアトム社の発表資料、原産新聞・海外ニュース、およびWNAの12月12日付け「ワールド・ニュークリア・ニュース(WNN)」)