中国で44基目の商業炉、田湾4号機が営業運転

2019年1月8日

 中国・江蘇州で田湾原子力発電所4号機(106万kWのロシア型PWR)を建設していたロシアの国営原子力総合企業ロスアトム社は12月24日、同炉が22日付けで営業運転を開始したと発表した。これにより、中国で稼働可能な商業炉は44基、4,436万kWに到達。米国、仏国に次いで世界第3位の原子力設備容量保有国としての地位を、さらに確実なものとした。
 同炉はまた、起動プログラムにおけるすべての試験を完了しており、ロスアトム社によれば、契約書に明記された技術的仕様や安全要件をすべて満たしていることが証明された。今後近いうちに、ロスアトム社のエンジニアリング部門として同炉の建設計画を請け負ったアトムストロイエクスポルト(ASE)社が、中国核工業集団公司(CNNC)傘下の江蘇核電有限公司(JNPC)と予備的な受領認証書に調印。2年間の運転品質保証期間が満了した時点で、同炉は正式に中国側に引き渡されるとしている。

 中国では2018年に入り、同じくロシア型PWRの田湾3号機(106万kW)と、中国が仏国の技術に基づいて開発した陽江5号機(PWR、108万kW)が2月と7月にそれぞれ営業運転に入った。9月になると、世界初のウェスチングハウス(WH)社製AP1000として三門1号機(PWR、125万kW)が、翌10月と11月には2基目、3基目のAP1000である海陽1号機と三門2号機(各PWR、125万kW)が、それぞれ営業運転を開始。12月には、世界初のフラマトム社製欧州加圧水型炉(EPR)として、台山1号機(175万kW)が営業運転入りしている。

 なお田湾原子力発電所では、3期工事となる5号機と6号機(各PWR、108.7万kW)が2015年と2016年に本格着工。これらでは、CNNCによる第3世代のPWR設計「ACP1000」が採用された。これに続く7、8号機については、第3世代+(プラス)の120万kW級ロシア型PWR設計を採用することで、CNNCとロスアトム社が2018年6月に合意している。

 (参照資料:ロスアトム社、CNNCの発表資料、原産新聞・海外ニュース、およびWNAの12月27日付け「ワールド・ニュークリア・ニュース(WNN)」)