ウズベキスタン、原子力導入でサイトの選定プロセスを開始

2019年4月15日

 ウズベキスタン初の原子力発電所導入について、昨年7月にロシアと合意した同国政府が、建設サイトの選定プロセスを開始していたことが明らかになった。2020年9月頃にサイト許可の取得を目指す方針で、原子力をエネルギー・ミックスに加えるため、様々な作業や計画を検討している国の仲間入りをしたことになる。
 年間690億kWhの電力需要があるウズベキスタンは、同国初の原子力発電設備として、120万kWのロシア型PWR(VVER)を2基、国内に建設する方針。国内の天然ガス資源は、輸出用や高付加価値化学製品の原料として一層有効に活用する一方、世界で最も安全かつ近代的な初号機を2028年までに起動し、国家経済の成長や国民の生活水準向上に役立てていく考えだ。建設サイトの特定に資する地質調査については、プロジェクトを請け負ったロシア企業がすでに昨年10月、同国南西部のナボイ州で開始している。

 サイト選定プロセスの開始は、同国政府の要請により今年2月に、首都タシケントで関連ワークショップを開催した国際原子力機関(IAEA)が4月8日付けで公表した。同ワークショップは、ウズベキスタンで新たに設置された原子力開発庁(ウザトム)が共催しており、内容はサイト評価にあたり考慮すべき安全面と非安全面に関するもの。ウザトムのほかに同国の原子力規制組織や関連する国営機関が参加し、IAEAが提供する安全審査サービスや安全基準、立地とサイト評価の支援に関わるリソースについて議論した。

 同ワークショップではまた、健全な原子力発電プログラムの開発に関してIAEAが策定した「マイルストーン・アプローチ」も紹介された。プログラム開発で個別のアクションを必要とする19の原子力インフラ課題のうち、「サイトと支援施設」を取り上げており、同アプローチに沿ってIAEAは、安全・セキュリティや法制面と規制面の枠組、人的資源開発、緊急時対応計画、保障措置などで総合的なサービスを提供する。これには、「統合原子力インフラ・レビュー(INIR)」や「立地評価・安全設計レビュー(SEED)」といったピアレビューと諮問ミッションが含まれるとしている。

 (参照資料:IAEAの発表資料、原産新聞・海外ニュース、およびWNAの4月9日付け「ワールド・ニュークリア・ニュース(WNN)」)