英国のサイズウェルC原子力発電所建設計画でアトキンズ社が準備契約 受注

2019年8月2日

サイズウェルC発電所の完成予想図
©EDFエナジー社

 英国を本拠地とするエンジニアリング企業のアトキンズ社は7月25日、EDFエナジー社がサフォーク州で進めているサイズウェルC原子力発電所(160万kW級のPWR×2基)建設計画で、建設サイトにおける開発準備作業の基本設計契約を受注したと発表した。
 契約額は500万ポンド(約6億5,000万円)で、既存のサイズウェルB原子力発電所(125万kWのPWR)のすぐ北側区域で、C発電所の作業を開始するための最初のプログラムとなる。C発電所では、EDFエナジー社がサマセット州で建設中のヒンクリーポイントC(HPC)発電所と同様、フラマトム社製・欧州加圧水型炉(EPR)を2基建設する計画だが、EDFエナジー社はアトキンズ社に発注した作業契約により、サイズウェルC計画の建設コストをHPC計画から20%削減することを目指している。

 サイズウェルC計画では現在、「開発合意書(DCO)」を計画審査庁に申請するため、EDFエナジー社が公開協議による第4回目の意見募集を7月18日から9月27までの日程で実施中。この募集は、今年1月から3月にかけて同社が実施した第3回目が最終と見られていたが、3回目以降、いくつかの点で提案内容を変更する可能性が出てきたことから、最新版と代替提案に関する意見を4回目で募集している。

 アトキンズ社が今回請け負ったのは、建設サイトで主な土木工事や海洋工事を実施する際、必要となるすべての準備作業。具体的には以下の作業を挙げている。

・周辺住民に対する影響を最小限に抑えるとともに、安全性と効率性を確保するため、建築物の最適なレイアウトや建設順序を決定する。

・指定された保護区域を横切る専用通路の設計も含め、周辺エリアに対する建設期間中の環境影響を最小限に抑える。

・原子力発電所が営業運転を開始するまでの期間、サイトで必要となる施設やインフラ設備を特定する。

・建設コストの20%削減という目標を達成するため、HPC発電所からの複製度を最大限に高めて、費用対効果の最も高い建設技術と革新的な設計ソリューションを決定する。

・DCOや原子力サイト許可(NSL)、およびその他の主要な許認可の申請で必要となる情報を提供する。

 (参照資料:アトキンズ社EDFエナジー社の発表資料、原産新聞・海外ニュース、およびWNAの7月25日付「ワールド・ニュークリア・ニュース(WNN)」)