英キャベンディッシュ社、「もんじゅ」の廃止措置で支援契約 獲得

2019年8月29日

 原子力発電所の廃止措置事業を始め、原子力サービス全般で豊富な経験を有する英国のキャベンディッシュ・ニュークリア社は8月27日、日本原子力研究開発機構(JAEA)から高速増殖原型炉「もんじゅ」の廃止措置支援契約を獲得したと発表した。
 同社は現在、閉鎖済みの高速実験炉(DFR)や高速原型炉(PFR)が立地する英国スコットランドのドーンレイ原子力複合サイトで、米国企業2社とのパートナーシップにより廃止措置事業を実施中。これらの除染と解体プログラムは40%以上が完了するなど進んだ段階にあり、同社はこれまでの経験に基づき、コストや時間の節約方法を日本の廃止措置事業に提案するとともに、最高レベルの安全性確保と環境防護を保証していく考えである。
 JAEAとの契約で同社は主に、廃止措置事業のライフタイム計画を策定するための技術支援や、「もんじゅ」から取り出された液体ナトリウム冷却材の処理に関するフィージビリティ・スタディを実施する。昨年10月に設立された同社の日本法人社長で、ドーンレイ施設の経営責任者も務めていたM.ラウス氏は、「当社が英国で長年にわたって培ってきた能力と経験を提供する絶好の機会だ」とコメント。国外の原子力サイトで廃止措置支援を安全に遂行する同社の手法を実証したいとしている。

 同社はドーンレイ・サイトでの廃止措置事業に加えて、英国の主流商業炉として稼働していた旧型ガス冷却(マグノックス)炉の廃止措置事業も主導。同事業関係の主な顧客は、これらのサイトや施設を管理する原子力廃止措置機構(NDA)のほか、核弾頭を設計・製造している核兵器機関(AWE)、退役した原子力潜水艦を解体中の国防省などである。また、日本国内で廃炉事業への参加を目指す日立GEニュークリア・エナジー(HGNE)社や清水建設とは長期的な協力関係の構築を目指した協定を締結している。

 (参照資料:キャベンディッシュ・ニュークリア社の発表資料、原産新聞・海外ニュース、およびWNAの8月28日付「ワールド・ニュークリア・ニュース(WNN)」)