中国、「華龍一号」など先進的国産原子炉用に燃料集合体の大量製造開始

2019年9月27日

©CNNC

 中国核工業集団公司(CNNC)は9月23日、「華龍一号」など中国が独自開発した大型の先進的PWR用に、燃料集合体の大量製造を開始したと発表した。
 それによると今月20日、独自に設計・製造した「チャイナ・フュエル(CF)3」の燃料集合体4体を浙江省の秦山原子力発電所で試験しており、それ以前にも同型の燃料集合体を8体、秦山発電所の拡張工事にあたる方家山原子力発電所で使用。年末にはさらに8体を秦山発電所に装荷することになっており、中国が高性能原子燃料の開発に必要な技術すべてを習得したとしている。国際市場においても競争力のある独自の燃料システムと、これを生産する十分な能力を備えるに至ったとも評価した。

 「CF3」燃料集合体について、CNNCは2016年1月、秦山第II発電所2号機を使ってプロトタイプ燃料の最初の照射試験を完了したと発表している。その際、原子炉のみならず燃料集合体についても設計・製造の自立を目指す中国にとって、これは重要な節目になったと指摘。中国で稼働するPWR用の燃料はこれまで諸外国の協力で製造されており、中国が知的財産権を保有する先進的な燃料集合体の開発は急務だと述べていた。

 今回の発表によると、「CF3」燃料集合体は複数のプラントで実施した照射試験の結果、幅広く利用が可能であると判明。第3世代原子炉の基準に合致しているのみならず、性能も良好。その上、知的財産権が中国の保有となっている点をCNNCは強調した。
 同燃料はまた、長期サイクルの運転に使用できるため「華龍一号」のような大型炉に適しているが、「燕龍」原子炉のように、熱出力40万kW程度のプール型・低温熱供給炉にも使用可能であるとCNNCは説明。「CF3」燃料は、中国が第3世代原子炉を独自に開発し、原子力発電を国内で大々的に活用する一助になったほか、中国の原子力産業界が国際市場に進出することにもつながるとしている。

 「華龍一号」はCNNCと中国広核集団有限公司(CGN)、双方の第3世代設計を統合して完成させた、中国の独自ブランドによる標準PWR設計。CNNCはすでに福建省の福清原子力発電所で、5、6号機(各115万kW)を同設計の実証プロジェクトとし、それぞれ2015年5月と12月に正式着工した。一方、CGNも江西省の防城港原子力発電所で、「華龍一号」を採用した3、4号機(各118万kW)の実証炉プロジェクトを2015年12月と2016年12月に開始した。
 国外ではまた、パキスタンのカラチ原子力発電所で、同設計を採用した2、3号機(各110万kW)建設プロジェクトが、それぞれ2015年8月と2016年5月に始まっている。

(参照資料:CNNCの発表資料、原産新聞・海外ニュース、およびWNAの9月26日付「ワールド・ニュークリア・ニュース(WNN)」)