フィンランドのハンヒキビ計画、日本製鋼所が発電機ローターの鍛造開始

2019年10月15日

 フィンランドのフェンノボイマ社は10月14日、西海岸のピュハヨキで進めているハンヒキビ原子力発電所1号機(120万kWのロシア型PWR)建設計画で、主要機器である発電機ローターの鍛錬作業を日本製鋼所(JSW)が開始したと発表した。
 同社は2015年6月に発電所の建設認可申請書を経済雇用省に提出しており、2018年12月に建設スケジュール全体を見直しした後は、2021年の許可取得と2028年の営業運転開始を目指している。ローターの製造には約9か月かかる見通しで、その後は仏国東部ベルフォールにあるGEスチーム・パワー社の工場で機械加工を実施。フェンノボイマ社は点検プログラムに沿って、全長14m、直径2m、重さ240トンという発電機ローターの製造作業をモニターすることになる。

 ハンヒキビ計画は、ロシア国営の原子力総合企業ロスアトム社が建設を受注したことから、120万kW級のロシア型PWR「VVER-1200」で第3世代+(プラス)PWR設計「AES-2006」が採用される予定。ただし、同プロジェクトでは地元フィンランドのみならず、国際的な原子力関係企業の参加も歓迎しており、ロスアトム社傘下の総合建設請負業者として設立されたRAOSプロジェクト社は2016年7月、同発電所のタービン発電機系統供給業者として、GE社傘下のアルストム・パワー・システムズ社を選定した。これにより、アルストム社が開発した最新式の低速タービン技術「アラベル」が同発電所に採用され、タービンと発電機の製造・組み立て作業も主に、仏国で行われることとなった。

 タービン発電機は原子力発電所の安全性関連機器には属さないが、その製造を発電所の許認可手続段階で始めることは可能である。現在、ハンヒキビ計画ではその他の主要機器についても設計・認可手続が進展中で、フィンランド放射線・原子力安全庁(STUK)は原子炉容器の製造・鍛造プランの中で、最初の部分を承認したもの。同プランでは原子炉容器の鍛造、およびその品質保証に関する情報が要求されたとしている。

 (参照資料:フェンノボイマ社の発表資料、原産新聞・海外ニュース、ほか)