「原子力施設の地震に対するレジリエンス」で専門家会議が来月米国で開催

 2011年3月の東日本大震災以降、自然災害に対するレジリエンス(回復力)強化の重要性が指摘され、そのための取組が多くの分野で図られている。福島第一原子力発電所事故の経験から、極限的な事象等に対する原子力施設のレジリエンスについても議論が盛んである。こうした中、米国の研究機関が、地震という自然災害に対する原子力発電所のレジリエンスを巡り、産業界も含め専門家が考察する会議「カリフォルニア大学パシフィック・リム・フォーラム『原子力施設の地震に対するレジリエンス』」を2015年6月8~9日、カリフォルニア・メモリアル・スタジアム・ユニバーシティ・クラブ(カリフォルニア州バークレー)にて開催する。

 本会議の主催は太平洋地震工学研究(PEER)センターで、ローレンス・バークレー国立研究所、米国原子炉構造工学協会(AASMiRT)の他、日本原子力産業協会も協力のもと開催される。

これまで「パシフィック・リム・フォーラム」には、環太平洋地域の各地の学術組織、国立研究所、関連企業、および政府関係機関から幅広く国際的な専門家が参加してきた。

 今回のフォーラムでは、原子力施設のレジリエンスについて知見や考察を共有し、堅牢でパフォーマンス・ベース設計の原子力システムを十分に実現する上で障壁となっている技術的ギャップに関する共通認識を得ることがねらい。プログラムでは、自然災害の特性、原子力施設耐震設計のための新技術、緊急時対応と緩和措置などに関するプレゼンテーションやパネルディスカッションが予定されており、国内関係機関からは、原子力委員会委員長の岡芳明氏、電力中央研究所原子力リスク研究センター所長のG.アポストラキス氏らが登壇する。

 なお、ご関心の方は、「パシフィック・リム・フォーラム」特設サイト内の詳細プログラム(英語)(http://peer.berkeley.edu/UCPRForum/wp-content/uploads/2011/01/The-Resilience-of-Nuclear-Facilities-Final_gk.pdf)をご覧の上、参加は事前登録サイト(https://peercenter.wufoo.com/forms/z1wgco3t15bvfrj/)より(先着順受付、定員に達するか5月22日締切り)。