米規制委 国内事業者に 電源喪失対応で情報要請

2011年5月19日

米原子力規制委員会(NRC)は11日、原子力発電所における緊急時の影響緩和戦略に関する文書を全米の原子力発電事業者宛てに発出し、深刻な事象発生後の全交流電源喪失への対応手順について情報を提供するよう要請した。


福島原発事故の発生経緯を重く見、各発電所が従来から策定している過酷事故の収拾対応手順のみならず、要員の能力の確保や機器の維持管理が現実的であるか、NRCとして審査する必要性を認めた措置といえる。


米国では70年代後半から、原発における全交流電源喪失のリスクが対応を要する重要課題として浮上。80年代後半にNRCが公布した規則により、各原子力発電所では全交流電源喪失への対応が求められることになった。また、2001年の9・11テロ事件を受けてNRCは翌年、緊急時対応に関する指令を発出。その中の「B5b条項」で緊急時の影響緩和措置についても規定していた。