米CPSエナジー STP増設で 東芝の再見積り額を検討

2010年1月20日

 米国のCPSエナジー社は4日、サウステキサスプロジェクト(STP)原子力発電所3、4号機増設計画について、事業パートナーである東芝から経費の再見積りが提示されたことから、これを厳密に分析審査した後に同計画への参加について判断を下すと発表した。
 CPS社はテキサス州サン・アントニオ市の公営電力で、ニュークリア・イノベーション・ノースアメリカ(NINA)社(=東芝と米国のNRGエナジー社が12対88の比率で出資する合弁企業)と折半で、STP発電所に東芝製135万kW級ABWR2基を増設する計画を進めていた。しかし、昨年6月時点で100億ドルとされていた見積り価格(資金調達コストを含めると130億ドル)が、10月下旬に40億ドル上方修正されたとの情報を受け、CPS社は東京で東芝幹部と直接協議。「経費の増大は受入れられない」として、昨年末までに価格の改訂版を提出するよう東芝に要求していたもの。
 その後、CPS社とNINA社の関係は法廷闘争に発展しており、CPS社は昨年12月6日、増設計画から撤退した場合に同社が負うべき法的義務と責任を明確にするよう裁判所に申し立て。これに対して、NRG社は同月23日、CPS社がこれまでに投資した3億ドルを放棄して正式に増設計画から撤退するか、同計画への出資を継続するかの選択を迫った。