IAEAの燃料バンク 理事会で設置が決定

2010年12月16日

国際原子力機関(IAEA)の理事会は3日、核燃料サイクル施設を持たない選択をした加盟国に対して低濃縮ウラン(LEU)の供給を支援する「LEUバンク」の設置を決定した。


これは米国の非政府組織である「核脅威イニシアティブ(NTI)」が提案していた核燃料供給保証構想で、今年3月に創設合意したロシアの「国際ウラン濃縮センター(IUEC)」とともに、昨年11月の理事会で承認されていた。ロシアのIUECは濃縮を含めた核燃料サイクル・サービスをIAEAの管理下で差別無く提供するのに対し、IAEAのLEUバンクは、(1)加盟国の原子力発電所でLEUの供給が途絶し、国家間の調整その他の方法で解決しない(2)核燃料の移転など、核不拡散上の問題がない(3)IAEAの包括的保障措置を受け入れる――の3条件を事務局長が確認した上で、IAEA自身が備蓄・管理するLEUを市場価格で提供する。