WH社 AP1000の販路拡大見込み スペイン社に情報提供

2011年3月22日

ウェスチングハウス(WH)社は8日、スペイン最大の電力会社であるENDESA社にAP1000の技術情報を提供することで合意文書に調印したと発表した。ENDESA社が南米最大の民間公益電気事業を所有していることや、スペインでも脱原子力政策が緩和されつつあることなどから、今後これらの国々の原子炉建設プロジェクトでAP1000が採用される可能性を見越した上での取り組みとなる。


ENDESA社に移転されるWH社の独占所有権付き情報はAP1000の設計とその性能、製造、および建設に関するものなど。このほかENDESA社のスタッフは、原子炉のエンジニアリングや許認可、建設支援やシミュレーターによる人材訓練などの分野でも、WH社と共同で作業にあたることになる。


調印に際してWH社は、「ENDESA社のAP1000技術に対する関心は、欧州全域の潜在的な顧客達からも同様の関心がかつてないほど高まっていることの表れだ」として歓迎。ENDESA社を重要かつ長期的な顧客と位置付けるとともに、スペインや南米で将来的に浮上する原子炉建設プロジェクトにおいて優れたパートナーになるだろうと強調した。


スペインのアスコ原子力発電所。

WH社 AP1000の販路拡大見込み スペイン社に情報提供