米・原発 洪水被害で冷却機能に影響なし

2011年7月1日

米ネブラスカ州のフォートカルホーン原子力発電所(PWR、53万kW)では5月下旬以降、近隣を流れるミズーリ川の増水による浸水を食い止めるため、水を詰めた土嚢で敷地内の主要建屋を取り囲む措置が取られている。

土嚢は高さ2.4m、幅4.8mという太さで全長は約609mに及ぶが、同発電所を所有するオマハ公共電力局(OPPD)は26日、この土嚢の一部に穴が開いたため、主変圧器の周辺のコンクリート製フェンスが破れた場合に備えて、主変圧器への配電を外部電源から敷地内の緊急用ディーゼル電源に切り替えたと発表した。

現在、同発電所には米原子力規制委員会(NRC)の検査官が詰めており、格納建屋と補助建屋周辺に水が流れ込んだ後も原子炉の停止時冷却と使用済み燃料プールの冷却状態に影響はなく、発電所の機能が保たれていることを確認。すべての安全チェックが完了したため、外部電源への再接続を試みている。

建屋への浸水を防ぐ土嚢(27日)

米・原発 洪水被害で冷却機能に影響なし