英国 福島事故が影響 MOX加工工場を閉鎖

2011年8月11日

英国・原子力デコミッショニング機構(NDA)は3日、稼働率が低迷していたセラフィールドMOX燃料加工工場(SMP)を閉鎖するとの方針を発表した。


福島原発事故の影響により、日本の10電力会社所有のプルトニウムをMOX燃料に製造し、プルサーマル計画に使用する見通しが不透明になったことから、NDAではSMPの今後について再検討。燃料製造契約への影響や変化した商業リスクを分析した結果、SMP維持のために英国民にさらなる財政負担を強いるよりは、実質的に最も早い時期に閉鎖するのが唯一合理的な行動と判断したと説明している。


NDAは今後も、日本のプルトニウムを国際的な安全基準に則って安全に保管するとともに、その再利用に関する日本の電力会社の方針を責任を持って支援していくため、更なる協議を行う方針。


2002年に操業を開始したSMPは、エンジニアリングおよび技術上の問題等により、設計上の生産能力である年間120トン(重金属換算)よりはるかに少なく、9年間の稼働期間に生産したMOX燃料は15トン程度と言われている。