スイス議会上院、脱原子力動議を承認 原子力技術研究は継続へ

2011年10月6日

スイス議会上院は9月28日、新規原子力発電所の建設を禁止するなど、脱原子力に向けた主要な動議3件を、いずれも3対1の賛成多数で承認した。新設の禁止を「既存世代の原子力発電所」に制限するよう勧告した上院エネルギー環境委員会の修正文言が取り除かれた一方、「すべてのエネルギー技術について、スイスは教育、訓練および研究を継続実施すべきだ」の部分に原子力が含まれることを明確化。これにより、脱原子力政策に消極的な議員も妥協票を入れたと見られている。脱原子力に関する議論は今月23日の総選挙後に下院で再審議され、最終案が採択される予定。原子力支持派の中道右派議員らは、後継議員が今後、原子炉の新設に道を残す可能性に一縷の望みを託している。