「原子力は今後も重要電源」 ECがエネ・ロードマップ採択

2012年1月2日

欧州連合(EU)の執行機関である欧州委員会(EC)は12月15日、加盟各国へのコミュニケとして「2050年までのエネルギー・ロードマップ」を採択した。EUでは2050年までに温室効果ガスの排出量を90年レベルの80〜95%に削減すると約束しているため、ECはエネルギーの安定供給と競争力を保証しつつEUの炭素除去目標を達成する際にもたらされる課題を詳細に調査。同ロードマップは欧州における長期的なエネルギー対策の枠組策定の基礎になるとしている。

それによると、炭素除去目標の達成には、欧州の今後のエネルギー生産をほとんど炭素フリーとしなければならない。ECは加盟各国で民間投資のための安定した事業環境を生み出せるエネルギー選択が可能となるよう、(1)エネルギーの効率化(2)再生可能エネルギー(3)原子力(4)COの回収・貯蔵――という主要な炭素除去手段を異なる方法で組み合わせた7つのシナリオを分析。その結果、いずれの場合も以下の点が共通要素として明確に現れたとしている。