英国ハンターストンB原発2号機の燃料チャンネルにヒビ

2014年10月8日

 英国スコットランドでハンターストンB原子力発電所(ガス冷却炉2基、各64.4万kW)を操業するEDFエナジー社は6日、定期検査中だった2号機の炉心にある筒状の黒鉛レンガ製・燃料チャンネル3,000個のうち、2個の筒壁に「外側から内側方向の溶接割れ」が発見されていたことを明らかにした。
 原子力規制局(ONR)によると、英国の新型ガス冷却炉(AGR)でこの種の亀裂が発見されたのは今回が初めて。しかしEDF社は、原子炉の運転初期の黒鉛レンガに「内側から外側方向」の亀裂、年数の経過につれて今回のような逆方向の亀裂が生じるのは、広範な研究やモデリングにより、すでに予想していたと説明した。
 同原発の2基ではこれまでに、合計6,000個の黒鉛レンガのうち1%以下で操業の初期段階に生じる亀裂が認められているが、今回発見された亀裂を含めても安全上の許容値である全体の10%以下だとEDF社は指摘した上で、ONRと合意した安全な運転のための許容範囲内にあると強調している。
 ONRも同日、こうした不具合が安全上重大な影響を及ぼしかねないと報道したBBCに対して次のような反論を発表した。すなわち、規制当局は原子炉の全運転期間中には亀裂が発生することを予期しており、EDF社の対応に不満はないこと。また、次に大規模点検が行われるまでの3年間、同炉を運転することへの合意文書を1日付けで同社に発行したが、それに際してはEDF社が3年間の運転を正当化するに足る作業を終えたことをONRの専門家が確認済みであると明言した。