原子力利用の準備を勧告 豪州 経済開発委員会が報告書

2012年11月21日

原子力発電所を持たないオーストラリア(豪州)で、将来的な原子力の利用に向けて、検討の必要性を示唆する意見が出された。同国政府の独立した立場の非営利経済シンクタンクである豪州経済開発委員会(CEDA)は14日、同国の将来のエネルギー・オプションについて調査した報告書を公表し、「豪州が温室効果ガスの影響緩和に本腰を入れるのであれば、原子力という選択肢についても検討しなくてはならない」と表明した。

原子力には低コストでクリーンなベースロード電源となる潜在能力があると指摘しており、再生可能エネルギーやその他のクリーン・エネルギー源が実現しなかった場合、原子力が重要なバックアップ・エネルギー源になると強調している。

同報告書・最終版の公表はちょうど、豪州の連邦政府がエネルギー白書を発表した1週間後というタイミングだったことから、CEDA最高責任者のS.マーチン教授は「白書から原子力が除外されたのは重大な手抜かりだ」と評価。原子力はCEDA報告が扱っている重要課題の1つであることを明確に示すとともに、将来、原子力が必要となった際、これを利用することが可能になるよう、今から規制枠組の構築など対策を打っておく事が重要だと勧告している。

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