インドのクダンクラム原発 最高裁、起動認める判決

2013年5月15日

インドの最高裁判所は6日、南東部タミルナド州で反対派住民による抗議行動のため燃料装荷直前で建設作業が停止しているクダンクラム原子力発電所(KKNP)について、「国家政策に基づいて開発されたものであり、その利用はインド国民の福利に資する」と評価する一方、住民の懸念は感情的で現実的な意味はないとしてその訴えを退けた。これを受けて、同原発では1号機の起動に向けた作業が行われる模様だが、最高裁は操業に際して関係者らがクリアすべき15項目の条件を提示。住民の不安を払拭できるよう同原発の安全確保徹底を促す考えだ。


この裁定は裁判官2名が反対派住民の訴状、およびKKNPを所有するインド原子力発電公社(NPCIL)、原子力規制委員会(AERB)の提出文を詳細に審査した末に下したもので、247ページの判決文はインドにおける原子力開発の歴史から国家政策としての位置付け、国内の稼働中原子炉の詳細など多岐にわたる内容。KKNPの安全性に関しては、15名の専門家グループがTMIやチェルノブイリおよび福島での事故に照らして実施した審査の結果を掲載した。


<後略>


1号機が完成に近づいたKKNPサイト(©露アトムストロイエクスポルト社)

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