2022年の年頭にあたり

2022年1月5日

一般社団法人 日本原子力産業協会
理事長 新井 史朗


 新年明けましておめでとうございます。

 昨年は第6次エネルギー基本計画が策定され、低炭素電源で安定供給性と経済性に優れる原子力については、安全性の確保を大前提に引き続き「持続的に活用していく」方針が示されました。

 世界的に原子力への期待が高まっています。例えば、COP26で1.5℃努力目標の追求が合意されたことを受け、国際エネルギー機関(IEA)のビロル事務局長が、CO2削減目標の達成と経済の両立の観点から「原子力が復活する」という表現をもって期待感を表しました。また、EUタクソノミーで原子力のグリーン評価に揺れる欧州委員会のフォン・デア・ライエン委員長が「再生可能エネルギーに加えて、安定した供給源である原子力が必要」と発言しています。さらに、天然ガスの需給逼迫に起因するエネルギー価格高騰に直面した欧州では原子力の安定した供給力が再評価されています。

 原子力産業界は本年も、安全の確保とたゆまぬ向上の上に、持続可能な未来と発展のため、既存プラント再稼働の早期実現を含む、既存炉の最大限の活用、将来の新増設リプレースの実現に向かって取り組んでまいります。

 2022年の年頭にあたり、当協会の本年の取り組みについて以下4点を述べたいと思います。

<原子力発電に対する理解の獲得>

 我が国がエネルギー政策として原子力利用を進めていくためには、まず原子力に対する国民の支持が欠かせません。原子力への信頼獲得のためには、事業者の安全性追及への取り組みや、原子力が持つ3E(安定供給、経済効率性、環境への適合)などの価値を多くの方々に知って頂くことが有効であると考えます。

 当協会はマスメディアとの対話や、各種発信ツールを使った情報発信を通して原子力が持つ価値のアピールに取り組むとともに、関係組織との連携や、立地地域における活動等を通じた双方向の理解活動に取り組んでまいります。また、原子力の持続的な利用を可能とするために、既存炉の最大限活用に向けた原子力発電所の運転期間延長、稼働率向上などの施策、新増設に向けた事業環境整備やサプライチェーン維持等の施策、原子燃料サイクルや高レベル放射性廃棄物処分に関する施策などの実現を目指して、理解促進や国への働きかけを行ってまいります。

<福島復興支援>

 エネルギー基本計画においても福島復興への取り組みはエネルギー政策を進める上での原点とされているように、原子力利用を進めていくにあたって福島第一原子力発電所の廃止措置と福島復興への支援に真摯に取り組んでいくことが欠かせません。

 当協会は福島に関する情報の発信、現地見学の実施、福島物産の紹介や販売協力など、風評払拭に向けた情報発信等に取り組んでまいります。

<人材確保・育成>

 原子力を持続的に活用していくためには、教育・訓練及び実務を通じて必要な技術を磨くとともに、研究・開発によって革新技術にも挑戦していかなければなりません。これを担う次世代の人材を確保し、育成していくためには、産官学が連携した取り組みが必要です。

 当協会は、学生に原子力産業の魅力を発信しつつ原子力産業界の人材確保を支援するセミナー開催等の取り組み、原子力人材育成ネットワークを通じた戦略的かつ産官学が連携した人材育成への取り組みを進めてまいります。

<国際協力>

 世界的に、気候変動問題への対策や持続可能な開発目標(SDGs)達成に向けて、原子力の持つ優れた価値に注目が集まっています。今後も世界で原子力が持続的に活用されていくよう、我が国のこれまでの経験を生かして世界の原子力発電所の安全性や技術の向上に貢献していくこと、また諸外国と切磋琢磨しながら我が国の原子力産業が持続的に発展していくことが重要です。

 当協会は諸外国や国際機関との協力を通して、原子力の価値の共有、原子力のプレゼンス向上に取り組んでまいります。また、諸外国・地域と連携し共通課題に対応するための情報・意見の交換の実施、我が国の原子力産業振興の一助となる情報発信やビジネス交流の実施を行ってまいります。

以上

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お問い合わせ先:企画部 TEL:03-6256-9316(直通)

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