【第48回原産年次大会】天野IAEA事務局長が会見

原産年次大会で4月13日に特別講演を行った天野之弥・国際原子力機関(IAEA)事務局長は、降壇後、記者会見を行った。IMG_5376

その中で、先般のイラン核開発に係る「P5プラス1」(国連安全保障理事会常任理事国5か国とドイツ)の枠組み合意について、天野氏は「IAEAとして歓迎」などと述べた。また、2015年に行われるNPT運用検討会議に際し、交渉が進まぬカットオフ条約など、核軍縮を巡る現状に関する質問に対しては、IAEAとして、「核軍縮、核不拡散、原子力技術の平和利用の3本柱が順調に行われることが重要」と応えた。

日本で原子力発電の再稼働が進まぬ状況については、「日本が安全性を確保し国内の手順に基づき進めるもの」と、IAEAとして言及する立場にはないことを明言した上で、他国からは、地球温暖化対策や経済成長維持のために必要ではないかという声を聴くなどと述べた。また、日本に対しては、福島第一原子力発電所事故を否定的にのみとらえるのではなく、世界の原子力安全に役立てるよう過去の経験に学ぶとともに、発電分野に限らず、食糧増産、がん治療などに応用できる高度な日本の原子力科学技術を国際的に共有していく必要を示した。

福島第一の廃炉に関しては、「大きなチャレンジ」との認識を示した上で、各国、国際機関と継続的に協力を進め、「できる限りオープンに経験を共有していくべき」などと述べた。