第15回産学官連携功労者表彰 放医研・京大・島津製作所がPET装置開発で受賞

2017年8月23日

 内閣府は8月21日、「第15回産学官連携功労者表彰」の受賞対象計14件と38受賞者(個人・法人)を発表した。同表彰は、企業、大学、公的研究機関等での産学官連携活動で大きな成果を収め、先導的な取組を行うなど当該活動の推進に多大な貢献をした成功事例に対し、その功績を称えることで日本の産学官連携の更なる進展に寄与することを目的として2003年より実施している。

「Elmammo」発表(2014年)

 厚生労働大臣賞には、「乳房専用PET装置『Elmammo』の開発に係る産学官連携」で山谷泰賀・量子科学技術研究開発機構(QST)放射線医学総合研究所(放医研)計測・線量評価部チームリーダー、中本裕士・京都大学医学部附属病院放射線部准教授、北村圭司・島津製作所基盤技術研究所放射線技術ユニット長が選ばれた。島津製作所が2014年に製品化した同装置は、被検者がうつ伏せになって検出器ホールに片胸を入れた状態でPET画像を撮像するため、マンモグラフィのような圧迫による痛みはともなわず、全身用PET装置と比較し約2倍の解像度、約10倍の感度で乳がん検査を行うことができる。
 このほか、科学技術政策担当大臣賞(地方創生賞)では、「開発提案から知財創出・販路開拓まで包括支援型御用聞き企業訪問により次々と新製品を生み出す新しい地域産学官連携モデル『ふくいろキラリプロジェクト』」で、堀切川一男・東北大学大学院工学研究科教授、立花志明・山川印刷所代表取締役社長、内堀雅雄・福島県知事が選ばれた。また、国土交通大臣賞では、「ECM(エネルギー・CO2ミニマム)セメント・コンクリートシステム」の開発に係る産学官連携」で、ECM共同研究開発チームの青木雅路・竹中工務店技術研究所地盤基礎部門専門役および坂田昇・鹿島建設土木管理本部土木技術部長、坂井悦郎・東京工業大学物質理工学院材料系特任教授が選ばれた。
 最も名誉な内閣総理大臣賞には、「単結晶ダイヤモンドの工業製品化」で、藤森直治・イーディーピー代表取締役社長、茶谷原昭義・産業技術総合研究所上級主任研究員、山田英明・同研究所主任研究員、杢野由明・同研究所研究チーム長が選出された。