原産・高橋理事長、原子力人材育成・確保「継続的に取り組む必要がある」と強調

2019年3月29日

 

 原産協会の高橋明男理事長は3月28日、定例のプレスブリーフィングを行い、関西原子力懇談会との共催で同月3日に東京で、6日に大阪でそれぞれ開催した合同企業説明会「PAI原子力産業セミナー」の概要を説明した。今回、参加企業・機関数が両会場合わせて80社(東京46社、大阪34社、前年度より計8社増)と、2006年度の初回以降最多となったことに関し、「少子化の影響で各企業とも人材の確保に苦慮しているようだ。またセミナーの認知度も上がってきた」としている。
 「PAI原子力産業セミナー」の参加企業・機関数は、福島第一原子力発電所事故後に落ち込みを見せたが、2013年度以降年々増加してきた。一方で、来場学生数は、東京・大阪の2会場開催が始まった2009年度に1,000名を越え、2010年度には2,000名近くにまで上ったが、福島第一原子力発電所事故後に大きく減少し、近年は300~400名程度で推移している。今回は両会場合わせて339名となり2年連続の減少となった。来場する学生の減少傾向について、原産協会では就活の早期化・多様化を一因としてあげているが、高橋理事長は、「原子力人材の育成・確保は一時期の業務量の増減に捉われることなく、継続的に取り組む必要がある」などと注視していく考えを示している。
 セミナーを取材した記者からは「学生たちのバックエンドに対する関心の高さが感じられた」という発言があり、高橋理事長は「大変心強く思う」と期待感を強調した。高レベル放射性廃棄物の地層処分事業を行う原子力発電環境整備機構(NUMO)は、2006年度の初回から連続してセミナーに参加しており、若手への関心喚起に力を入れている。