2030年度温室効果ガス排出量46%削減目標の達成に向けて

一般社団法人 日本原子力産業協会
理事長 新井 史朗

4月22日、菅義偉首相は地球温暖化対策推進本部で、2030年度に温室効果ガス(GHG)排出量を2013年度比で46%削減するとした新たな目標を公表し、さらに50%に向けて挑戦を続けるとした。同日菅首相は、米国バイデン大統領主催の「気候サミット(Leaders Summit on Climate)」においても日本の新たな目標を公約した。
昨年10月に宣言した「2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現」に向け、2015年に決定した2030年度に2013年度比26%削減の目標を大幅に引き上げたことになる。

この国際公約を達成するためには、需要側の電化と供給側の電源脱炭素化を大幅に促進することが必要であるが、同時に持続可能な社会の発展の視点も重要である。原子力は、安定供給の観点から極めて強靭で、経済性に優れ、かつ環境に対し持続可能な最も信頼できる電源の一つであり、間欠性の克服が課題の再生可能エネルギーと組み合わせることによって、さらなる再生可能エネルギーの導入を可能にする。

当協会は、4月22日、気候サミットを前に、世界原子力協会(WNA)および各国の原子力産業団体とともに、たゆまぬ安全性の追求を前提に、現在利用可能で最も効果的な低炭素電源である原子力が、脱炭素社会の実現に必要不可欠であることを確認した。この中では、原子力発電が安価で低炭素な電力を長年にわたり提供してきた確かな実績、天候等に左右されない供給信頼性、高い経済性、発電のみならず産業分野やグリーン水素製造などへの利用、雇用と社会経済的利益があることを挙げている。

わが国においては、安全性を最優先として既存の原子力発電所の再稼働を着実に進めるとともに、設備利用率の向上や運転期間の延長、さらには新増設・リプレースを見据え、より安全性を高めた原子炉の開発、さらに発電以外の部門での排出削減に役立つイノベーションを加速させていくことが必要であり、現在議論が行われている次期エネルギー基本計画の策定においては、将来にわたる原子力の活用を含めた幅広い議論に期待したい。

原子力産業界は、原子力発電のたゆまぬ安全性向上と安定運転に努めていくとともに、国内外の関係機関と連携・協力して、脱炭素社会の実現に貢献する原子力の価値について国民の皆さまにご理解を深めていただけるよう、より一層取り組んで参りたい。

以 上

<参考:関連メッセージ>

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