QST六ヶ所フュージョンエネルギー研究所 新スパコンを公開
07 Aug 2025
自然科学研究機構核融合科学研究所(NIFS)と量子科学技術研究開発機構(QST)六ヶ所フュージョンエネルギー研究所は7月27日、共同で調達した新スーパーコンピュータシステム(以下:スパコン)を一般公開した。NIFSとQSTのそれぞれが保有していたスパコンを統合し、共同で調達することで、より高性能な機器の導入が実現。同スパコンは、1秒間に4京400兆回の計算が可能だ。
設置場所は、QSTの六ヶ所フュージョンエネルギー研究所で、7月1日からすでに運用を開始している。NIFSとQSTが共同で運用する。
同スパコンはNEC製で、計算能力は従来機の2.7倍。昨年12月13日の受注発表時に公開した受注額は、同社として過去最高の45億円。
今後、核融合エネルギーの実現に向けたさまざまな研究に活用される予定だ。具体的には、国際プロジェクトの核融合実験炉「ITER」や、日本のトカマク型装置「JT-60SA」の実験予測、運転シナリオの作成に役立てられる。
また、計算速度の大幅な向上により、核融合プラズマなどの複雑な現象をシミュレーションできるようになり、想定実験でのリアルタイム制御への応用も期待されている。また、同スパコンは、国内の大学や研究機関でも遠隔で利用可能で、核融合に関連した天体研究などにも活用されるという。