
国内NEWS
13 Oct 2026
141

原子力産業セミナー 仙台で初開催 女川2号機再稼働で学生の関心に変化
海外NEWS
13 Oct 2026
125

バングラデシュ ルプール1号機が初臨界達成
海外NEWS
13 Oct 2026
81

米WE サウスカロライナ大学と原子力人材育成で提携
国内NEWS
13 Oct 2026
163

NUMO 若年層向け新プロジェクト始動
海外NEWS
13 Oct 2026
116

WNA「世界原子力投資ガイド」全5モジュールを公開
資金調達の壁は技術より「価値評価」
海外NEWS
09 Oct 2026
406

中国 田湾7号機が送電開始
海外NEWS
09 Oct 2026
355

ポーランド 原子力発電プログラムの改定版を閣議決定
海外NEWS
09 Oct 2026
420

IYNC2026 仏アヴィニョンで開催 原子力拡大を支える人材・知識継承を議論

バングラデシュのルプール原子力発電所1号機(PWR=VVER-1200、120.0万kWe)が10月11日、初臨界を達成した。今年4月28日に燃料装荷が開始され、10月8日にバングラデシュ原子力規制庁(BAERA)が初臨界に向けた最終承認を与えていた。同発電所はロシア国営原子力企業ロスアトムの協力を得て建設された、同国初の原子力発電所。同機は2017年11月、同型の2号機は2018年7月に着工。1号機は今後、各出力段階で原子炉設備の試験を行い、11月末までに送電網に接続される予定。両機の稼働により、同国の電力需要の約10%をまかなう見込みである。ルプール原子力発電所は、首都ダッカから160kmにあるパブナ地区のガンジス川東岸に位置する。バングラデシュ原子力委員会(BAEC)が所有し、運転者は原子力発電法に基づき設置されたバングラデシュ原子力発電会社(NPCBL)。BAECとロスアトムは2011年11月、ルプール発電所建設に関する政府間協定を締結。2015年12月、BAECとロシアのエンジニアリング企業のアトムストロイエクスポルト(ASE)社間で、建設契約(総額126.5億ドル)が締結された。ロシアが総建設費の約90%を融資している。VVER-1200は第三世代+(プラス)設計のロシアの原子力輸出の旗艦炉。ロシア(4基)、ベラルーシ(2基)で運転中。また、ロシア(2基)、エジプト(4基)、ハンガリー(2基)、トルコ(4基)、中国(4基)で建設中である。カザフスタンでは、2基建設に向けてエンジニアリング調査が進行中である。
13 Oct 2026
125

米ウェスチングハウス(WE)社は9月29日、サウスカロライナ大学(USC)と米国におけるWE社製AP1000の大規模展開を支える人材育成で提携する覚書(MOU)を締結した。USCが計画している「原子力イノベーションセンター(Nuclear Innovation Center)」で、原子力発電所の運転だけでなく、設計、建設、保守など、幅広い職種の人材育成をめざす。同センターを計画するUSC工学・コンピューティング学部のH. ハジ=ハリリ学部長は、「教育・研究における当大学の強みをWE社の産業ノウハウと融合させ、州内の教育機関、産業界、政府機関のパートナーとも協力し、実践的な学習と人材育成の機会を拡大、学生や専門家が原子力分野でのキャリアに備えられるようにする」と述べた。両者は今後、原子力発電所の大規模な新規建設に必要な幅広い職種の人材を育成する、業界初となる原子力研修センターの設立を進める。具体的には、①運転員や学生が実際のAP1000に近い環境で訓練できるデジタルシミュレーターや模擬制御室、②技能・建設・保守作業を実践的に学び、デジタル作業手順、ウェアラブル機器、AR・VR(拡張現実・仮想現実)、AIなどを建設現場で活用するための技術開発を行う訓練施設、③機械、電気、産業、土木工学の学生を対象に、原子力分野での就業に必要な知識・技能を習得するための認定プログラム――を共同で検討していく。米エネルギー省(DOE)も、今後の大規模な新規建設を支える産学連携による人材基盤と国内サプライチェーンの強化を重要視し、今回の提携をその一環と位置付けている。WE社はサウスカロライナ州内で50年以上活動し、コロンビア燃料製造工場や新規プラントの導入、エンジニアリング、定期点検・保守サービスなどで、2,200人以上を雇用している。USCはこれら既存の産業基盤に大学の教育・研究機能を組合わせ、州内の人材、技術、サプライチェーン、イノベーションを一体化した「原子力エコシステム」を形成し、サウスカロライナ州の原子力および技術主導型の競争力を強化していきたい考え。
13 Oct 2026
81

世界原子力協会(WNA)はこのほど、金融機関、投資家、政府向けの「世界原子力投資ガイド」(World Nuclear Investment Guide)の全5モジュールを公開した。 先行公開していた2モジュールに、投資判断に必要な原子力の価値と経済性、資金調達の準備、事業の枠組みの設計を扱う3モジュールを追加した。 9月9〜11日にロンドンで開催された世界原子力シンポジウム初日のファイナンス・サミットに合わせて公開した。同ガイドは、原子力関係者が蓄積してきた建設・運転の経験を、金融が用いる費用、リスク、価値の枠組みに置き換え、投資判断に役立てることを目的とする。 作成には金融機関や専門サービス会社も参加した[1]。WNAは、各国政府が掲げる2050年の原子力発電設備容量14.46億kWe(グロス、WNA「世界原子力発電見通し」初版の値)が実現した場合、2025〜50年にバリューチェーン全体で約6兆ドル[2]の資金需要が生じると試算。 年平均では約2,500億ドルと、2025年の推計投資額約800億ドルの約3倍に上る。 目標達成には、2030年代半ばに新設と投資を加速させる必要があるという。資金需要の90.5%は大型炉、小型モジュール炉(SMR: small modular reactor)、既設炉の長期運転が占め、フロントエンドとバックエンドは合計で1割未満にとどまる。 試算は2025年ドルのオーバーナイト費用で、建設期間中の利息や資金調達費用、地層処分に必要な5,140億ドルは含まない。 WNAは、地域別の試算を加えた完全版を2026年中に公開する予定。またWNAは、原子力の資金調達上の課題は、主として技術ではなく「価値評価」にあると指摘する。 電力系統の信頼性やエネルギー安全保障などの価値が、個別プロジェクトの採算に反映されにくいためだ。 原子力の発電コストに占める燃料費は15〜20%にとどまり、加重平均資本コストが1%ポイント低下すれば、均等化発電原価は1MWh当たり約10〜20ドル下がり得るという。さらに、プロジェクトの資金調達コストは、技術、財務、プロジェクト全体の準備状況という3側面の平均ではなく、弱い側面に左右されると指摘。 法務・契約・規制面が資金調達の障壁となりやすいとしている。原子力・金融・政策・エネルギー分野の諮問委員会と、WNAの経済・法務・資金調達ワーキンググループ下に設けられたタスクフォースが助言した。BNPパリバ、欧州投資銀行、KPMG、ロスチャイルド・アンド・コー、EY、ホワイト&ケースなどが参加している。WNAは、結論と提言は自身の見解であり、両者への参加は内容の是認を意味しないと断っている。 ↩︎本報告書中に記載のドル額は2025年ドルによって計算されています。↩︎
13 Oct 2026
116

中国の江蘇省連雲港市で10月8日、中国核工業集団(CNNC)の田湾(Tianwan)発電所7号機(ロシア製PWR=VVER-1200, 127.4万kWe)が送電を開始した。同機は9月28日に初臨界を達成していた。同機は今後、計画に従って一連の試験を実施し、性能をさらに検証後、年内に営業運転を開始予定。同型の8号機は2022年2月に着工しており、2027年に営業運転開始を予定している。田湾発電所では、100万kW級VVER(VVER-1000)を採用した1-2号機が2007年から稼働中。Ⅱ期工事として建設した3-4号機(各110万kWのVVER-1000)も、2018年に営業運転を開始した。III期工事の5-6号機については、CNNCはフランスのPWR技術をベースに独自開発した第3世代の110万kW級PWR=CNP-1000を採用。両炉はそれぞれ、2020年9月と2021年6月に営業運転を開始している。同1~6号機の累積発電電力量は5,000億kWhを超えており、全基が稼働すれば、年間発電電力量700億kWh超が見込まれている。
09 Oct 2026
406

ポーランドの閣僚会議は9月29日、同国における原子力発電の今後の発展を定める戦略文書「ポーランド原子力発電プログラム(PPEJ)」の改定版を承認した。エネルギー安全保障の強化や脱炭素化、石炭火力の代替を推進し、原子力を国内産業の成長につなげることが柱となっている。前回の2020年に閣議決定されたPPEJの戦略的目標である「原子力発電所を2サイトで建設し、最大900万kWeの新規発電設備容量を確保するとともに、国のエネルギー安全保障とエネルギー部門の転換を支え、さらなる経済発展の基盤を築くこと」に変更はないものの、エネルギー危機やロシアのウクライナ侵攻に加え、安定供給が可能な低炭素電源への需要の高まりなど、近年の欧州のエネルギー市場に影響を与えた変化を反映。人材・インフラ整備、国内産業の参画拡大、原子力規制体制の構築がより具体的な実施課題として盛り込まれている。また、第1発電所(EJ1)、第2発電所(EJ2)の建設に関するスケジュールやEJ2建設の主要な実施方針が定められた。原子力発電の導入に向けた課題に対応する予算が増額され、原子力分野における能力構築の支援、ポーランド産業界の原子力プロジェクトへの参加支援、ならびに原子力規制機関である国家原子力機関(PAA)の強化などに充てられる。中でも、PAAへの支援は、許認可プロセスの効率化・円滑化や、原子力安全と国民の放射線防護の適切な水準の確保に資するものであり、予算の最大部分を占めている。EJ1では、国営企業「Polskie Elektrownie Jądrowe, PEJ」が、米ウェスチングハウス社製AP1000×3基を採用し、総出力約375万kWeの原子力発電所を建設する計画だ。2025年12月には欧州委員会がこの投資プロジェクトの国家補助を承認し、2026年3月にはPEJがPAAに建設許可を申請した。現在、建設現場での準備作業および付帯インフラの整備や契約締結の準備が継続されている。2025年から2030年にかけてのEJ1プロジェクトへの資本注入として、602億ズロチ(約2.4兆円)を計上。資金調達モデルは、自己資本に加え、国内外の借入資金から構成されている。建設スケジュールについては、EJ1は初号機が2036年、2、3号機が2037~2038年、EJ2は3基が2040~2042年に営業運転を開始する計画に変更されている。前回のPPEJではEJ1の営業運転開始を2033年としていたが、今回の改定でより現実的な工程に見直した。EJ2については、EJ1と同様に実績のある第3世代+(プラス)の大型水冷却炉の採用を予定。サイト候補地としては、適切なエネルギーインフラと長年の発電実績を有する同国中央部のベウハトフ地区やコニン地区が引き続き有望視されている。最終的なサイト選定は、詳細な分析と現地調査を経て事業者が決定するとしている。現在、原子炉ベンダーや主契約者選定に向け、米国、フランス、カナダと協議を進めている。原子炉技術とプロジェクトの資金調達を網羅した包括的な提案を比較し、2027年にはベンダーと主契約者を選定、2032年頃に着工、2040年頃に初号機の営業運転を開始する計画を示している。2サイトでの原子力発電所の建設は、ここ数十年でポーランドにおける最大規模の産業・技術プログラムの一つ。PPEJでは優先課題に強力な国内サプライチェーンの構築を掲げており、特に建設や鉄鋼、電気機械、運輸、物流、産業オートメーション、エンジニアリングサービスなどの国内企業の原子力プロジェクトへの参画比率を体系的に高めていく方針を示している。EJ1初号機の建設では、国内企業の参画比率は約40%に達すると推定。後続炉では能力や経験の向上、および認定企業の増加に伴い、この比率が最大約70%に達する可能性を指摘している。企業の認証プロセスを支援するとともに、施工能力の向上を図り、国内の原子力プロジェクトだけでなく、海外市場への参画も視野に入れている。さらに、PPEJの最重要な課題として、人材育成、科学研究基盤、教育システムの整備を掲げる。今後数年間で、エンジニアや設計者、オペレーターのほか、技術監督、産業オートメーション、サイバーセキュリティ、大規模インフラプロジェクト管理などの分野で数千人の専門人材が必要となる。また、建設現場ではピーク時に1万人の作業員が必要になる見込みだ。大学、研究機関、技術学校、関連企業が連携する人材育成体制の構築を進め、国際市場においてもポーランド企業や専門家のポテンシャル向上につなげる方針である。原子力プロジェクトでは、数千件の契約締結や新たな能力開発、先端技術の移転、高度な技能を要する雇用などが見込まれ、ポーランドの産業発展の原動力となる。PPEJは、建設段階やその後の発電所の運営段階の両方で、同国企業の参画を最大化し、原子力発電の持続的な基盤を築くとともに、将来的な原子力プロジェクトの実施に向けて準備を整えていく考えを示している。
09 Oct 2026
355

国際原子力青年会議「International Youth Nuclear Congress(IYNC)2026」が10月5日、フランス南部アヴィニョンで開幕した。49の国と地域から約450人が参加。大会テーマに「変革の連鎖(Chain of Change)」を掲げ、若手原子力関係者が技術、人材、政策など幅広いテーマについて議論した。IYNCは2年に1度、世界各国で開催される若手原子力関係者の国際会議。欧州での開催は12年ぶりとなる。開会セッションでは、国際原子力機関(IAEA)のラファエル・グロッシー事務局長がビデオメッセージを寄せ、IAEAの高予測ケースでは2060年までに世界の原子力発電設備容量が2025年末の規模から3倍を超える可能性があると指摘。SMRを含む先進炉や核融合の開発も進展しているとして、「原子力のモメンタムは否定できない」と強調した。また、原子力拡大を支える熟練人材の確保の重要性にも言及した。基調講演では、フランス電力(EDF)のシルヴィ・リシャール プログラム・戦略部門長が、原子力をめぐる問いが「なぜ原子力が必要なのか」から、「どうすればより速く建設できるか」「必要な技能や産業能力をどう確保するか」へ変化していると指摘した。また、経験豊富な人材から若手への知識・技能の継承だけでなく、若手が持つデジタル技術への理解や新しい視点をベテラン世代が学ぶことも重要だとし、世代間の双方向の知識継承を訴えた。続いて、ウレンコ社(Urenco)のアネリース・ナス=デッカー 戦略・事業開発部門 グループ戦略マネージャーは「原子力の長期的責任」をテーマに、原子力分野では現在の判断が数十年、100年先にも影響すると説明。参加者には「好奇心を持って」と呼びかけ、技術や異なる意見、人との交流を通じて学び続けることの重要性を強調した。大会3日目のテクニカルセッションでは、日本原子力産業協会の藤原尊徳・人材育成部課長補佐が日本の原子力人材育成について発表。知識継承、次世代人材の確保、サプライチェーンの能力維持、国際対応力の強化を主要課題として挙げ、合同企業説明会である「原子力産業セミナー」や出前講座などの取組みに加え、産学官の連携基盤である原子力人材育成ネットワークを紹介した。さらに、連携から具体的な実行へ踏み出す新たな枠組みとして、10月7日に発足した「日本原子力人財コンソーシアム(J-AHRC)」を説明した。質疑では、学生へのアウトリーチ方法に関心が寄せられた。藤原課長補佐からは、原子力産業セミナーを東京、大阪から福岡、仙台へと広げ、学生との接点拡大を図っていると説明。会場からは、原子力専攻者だけでなく、他分野の学生にも対象を広げてはどうかとの意見も寄せられた。 大会を通じ、世界的な原子力回帰をめぐる議論が「原子力が必要か」から「いかに実現するか」へと移るなか、人材確保や技能維持、知識継承の重要性が一層高まっていることがうかがえた。大会は8日に閉幕し、次回2028年は英国マンチェスターでの開催が決定している。
09 Oct 2026
420

AIやデータセンター、デジタルインフラの拡大は低炭素で信頼性の高い電力に前例のない需要を生み出しており、IT大手各社は原子力発電の価値に注目している。9月末~10月初めにかけて、IT大手各社が原子力発電所の出力増強や運転期間延長を支援する長期の電力購入契約(PPA)の締結が相次いだ。大口電力需要者が信頼性の高い、クリーンエネルギーの原子力発電に投資することで、電力システムを強化、地域全体のエネルギーコストを安定化するとともに、出力増強や設備投資に伴うコストを一般の電力利用者に負担させないことを重視している。■AmazonAmazon社は9月30日、米国最大手の電力会社コンステレーション社と、同社がメリーランド州で1970年代後半から運転する、カルバートクリフス・エネルギー・センター(PWR×2基、各90万kW級)の19万kWeの出力増強を支援する20年間のPPAを締結した。増強分は2030年~2032年に運用を開始する見込み。同契約に基づくAmazon社の投資額は30億ドルに上り、増強分を含む69万kWの電力供給を確保する。両社はまた、系統運用者PJMの市場全体でAmazon社の事業に電力を供給するため小売電力供給契約も締結。PJMは13州とコロンビア特別区の電力網を管理している。Amazon社との長期契約により、コンステレーション社は安定した収益を見込めるようになり、さらに20年間の運転期間延長認可の取得や、同サイト内での新たなクリーンエネルギー源の開発を進める考えだ。現在の1-2号機の運転認可期間は、それぞれ2034年7月と2036年8月までとなっている。■GoogleGoogle社は10月6日、コンステレーション社と、同社が運転する既設炉11基の出力増強を支援する長期PPAを締結した。原子力発電所6サイトでタービン、蒸気発生器、デジタル制御システムなどを改修し、2032年末までに原子炉の1基の新設に相当する計89万kWeの出力増強を図る。対象となるのは、PJM管内のイリノイ、ペンシルベニア、ニュージャージー各州で運転中の発電所。また、管内のコンステレーション社の既存発電設備から270万kWeを調達する15年間のPPAも締結。Google社は今回の契約により、約4,400の既存雇用の維持と、建設期間中の約7,200の新規雇用創出につながるほか、設備投資やサプライチェーンの強化を促進し、43億ドル超の新規投資につながると試算している。出力増強に伴うコストを他の電力利用者に転嫁しないことも強調している。さらに契約には、Google CloudのAI「Gemini Enterprise」をコンステレーション社の発電所に導入する取組みも含まれ、AI活用により、出力増強の計画や建設作業、運転を効率化し、電力供給の早期実現をめざしている。Google社はこれまでにも原子力発電所の運転再開や出力増強を支援しており、今回を含め、米国内で新たに確保した原子力発電設備容量は計150万kWe超える。ジョージア州ではジョージア・パワー社のボーグル1-2号機(PWR, 各120万kW級)、ハッチ1-2号機(BWR, 90万kW級)の4基への計9.6万kWeの出力増強を支援し、運転期間を通じて一般の電力利用者に約9億ドルの便益をもたらすほか、アイオワ州ではネクストエラ・エナジー社とデュアン・アーノルド発電所(BWR, 62.4万kWe)の運転再開を進めている。また、テネシー峡谷開発公社(TVA)は、2030年にテネシー州オークリッジで運転開始予定のケイロス・パワー社のフッ化物塩冷却高温実証炉ヘルメス2発電所(出力5万kWe)から電力を調達するPPAを締結。TVAを通じて地域のGoogle社のデータセンターに電力が供給される計画である。米エネルギー省(DOE)は2030年までに既設炉の出力増強・運転再開によって500万kWeの原子力発電設備容量の拡大を目標としており、Google社は自社の取組みでその約25%を実現できると指摘する。データセンターによる電力需要の増大を見据え、既設炉を活用して大型炉の新設よりも短期間で安定した電源を確保したい考えだ。■OracleOracle社は10月2日、ネクストエラ・エナジー社がウィスコンシン州で1970年代初めから運転するポイントビーチ原子力発電所1-2号機(PWR, 各64.0万kWe)の電力の一部を購入する方針を発表した。これにより、発電コストの上昇分約3億ドルをOracle社が負担し、ウィスコンシン州の100万人超の電力利用者への電気料金負担を抑えるとしている。今回の取組みは、Oracle社がウィスコンシン州ポートワシントンで進めるAIデータセンター「Project Lighthouse」への投資の一環。Oracle社は同データセンターが建設期間中に4,000人超の雇用を創出し、稼働後には約1,000人の雇用を生み出すほか、地域経済に110億ドル超の効果をもたらすと見込んでいる。また、データセンターに必要なエネルギー費用をOracle社が全面的に負担し、一般の電力利用者に追加負担を求めることなく、送電網の信頼性を維持し、カーボンフリー電力の活用を進めるとしている。Oracle社の発表では具体的な購入電力量や契約期間などは明らかにされていない。計画はウィスコンシン州公共サービス委員会(PSC)の承認が必要で、現時点では確定した契約ではない。
08 Oct 2026
1140

アルメニアのN. パシニャン首相は9月29日、ロシア国営原子力企業ロスアトムのA. リハチョフ総裁と会談。現在稼動中のアルメニア原子力発電所2号機(ロシア製PWR=VVER-440, 44.8万kWe)の運転期間延長およびアルメニアの新規建設について協議した。同2号機は1980年5月に営業運転を開始。1988年のスピタク地震後に一時停止したが、深刻な電力不足を背景に1995年に再稼働した。2021年にはロスアトムの技術協力による大規模な改修工事が完了し、同年10月に運転認可が更新された。その後も定期的に必要な安全評価と技術的な安全性向上策を実施しており、現在は2031年4月まで有効。アルメニア側は、技術的・規制上の条件が満たされれば2036年までの延長や、さらに10年間の延長も検討している。なお、同国の原子力シェアは28.5%(2025年)である。これに対し、リハチョフ総裁は、アルメニア側との契約に基づき進めている同機の安全システムのさらなるアップグレードにより、2036年までの運転延長は可能との見方を示した。一方、2046年までの延長については、技術的には可能であるが、安全・自動化システムのアップグレード、原子炉容器の再焼きなまし処理(金属の熱処理のひとつ)、使用済み燃料貯蔵施設の拡張や改修に数億ドル規模の投資が必要になると指摘した。新規建設についてパシニャン首相は、政府は各国のパートナーから寄せられた提案について引き続き協議しており、最終決定は価格、品質、安全性、工程、保証などを考慮し、経済性をふまえて判断すると強調。リハチョフ総裁によると、アルメニアは今後数か月以内に技術的仕様やパートナーを決定する予定で、ロシア側はVVER技術に基づく100万kWe級の原子炉の建設を提案しているという。
07 Oct 2026
387

米スタートアップ企業ゼネラル・マター(General Matter)社は9月28日、米原子力規制委員会(NRC)にケンタッキー州パデューカに商業用濃縮プラントの建設・操業の許認可を申請した。2027年には、高純度低濃縮ウラン(HALEU)生産に向けて修正申請を提出する予定。ウラン濃縮ライセンスに関する標準的な連邦手続きである10 CFR Part 70に基づく今回の申請に続き、HALEU生産に向けた修正申請を行う。この2段階アプローチにより、許認可手続きを効率化するとともに、建設の早期着手を図り、2030年までにLEU、LEU+、およびHALEUの生産を開始したい考え。ゼネラル・マター社は2025年8月、米エネルギー省(DOE)と2013年に閉鎖されたパデューカ旧ガス拡散濃縮プラントの跡地の連邦土地100エーカーのリース契約を締結した。パデューカ・サイトに貯蔵されている劣化六フッ化ウラン(DUF6)のうち、最低7,600シリンダー分を再濃縮する。これにより、再濃縮に適した米国産原料を安定的に確保するとともに、DUF6の廃棄回避により約8億ドルのコスト削減につながると見込まれている。また、15億ドルを投じる本プロジェクトにより、約140の常勤雇用創出と地域経済に年間7,000万ドル以上の貢献が期待されている。同社は現在、NRCおよびDOEの認可を得て、整地、地盤改良などの建設準備作業に着手している。なお同社は、2024年10月、DOEがHALEUの国内供給体制の確立に向けてDOEに濃縮サービスを提供する企業に選定した4社のうちの1社。2026年1月には9億ドルの随時発注契約を付与する企業に選定されている。かつての2つのガス拡散プラント(パデューカ・サイトとオハイオ州にあるポーツマス・サイト)には数十年にわたるウラン濃縮作業により67,000本以上のDUF6シリンダーが貯蔵されている。パデューカ・サイトにはおよそ40,000本のシリンダーが残っており、そのうち約25,000本のシリンダーは、パデューカ・サイトに隣接して建設予定のGLE社のレーザー濃縮施設(PLEF)向けに供給される計画である。
07 Oct 2026
438

国際原子力機関(IAEA)と米州開発銀行(IDB)は9月24日、ラテンアメリカおよびカリブ海地域における原子力の安全かつ確実で持続可能な利用に関する協力覚書に署名した。IDBは、中南米・カリブ海地域の経済・社会発展を支援する国際開発金融機関。米ニューヨークで開催された国連総会への出席を機に、IAEAのR. グロッシー事務局長とIDBグループのI. ゴールドファイン総裁が署名。今回の提携により、信頼性が高く低炭素なエネルギーの導入を検討する各国への支援を強化する。本覚書は、対話、知識の共有、技術支援、能力構築、エネルギーシステム計画、インフラなどを含む、原子力開発協力の枠組みを提供するもの。同覚書に基づき、IAEAとIDBは、大型炉やSMRなどを含む原子力技術の技術面、制度面、経済面での協力を推進していく。なお同覚書は、保健、食料安全保障、水管理などの分野におけるIAEAとIDBの既存の共同の取組みを基盤としており、がん治療・管理を含む医療サービスへのアクセス、農業生産性、持続可能で気候変動に強い農業手法、土壌・養分・水資源管理に関する協力への拡大も想定している。グロッシー事務局長は、「IAEAの技術的専門知識と、IDBの開発経験および地域のネットワークを組合わせ、ラテンアメリカおよびカリブ海諸国が将来のエネルギー選択肢を検討する際、十分な情報に基づいた意思決定をできるよう支援していく」と述べた。過去2年間、IAEAは世界銀行グループ、アジア開発銀行、CAF(ラテンアメリカ・カリブ開発銀行)、OPEC国際開発基金などの国際金融機関との協力を拡大してきた。こうしたパートナーシップは、エネルギー安全保障と気候目標の推進を図りながら、増大する電力需要を満たす上で、各国が原子力の価値を認識、評価することへの支援を目的としている。現在、ラテンアメリカ・カリブ海地域で原子力発電を利用しているのはアルゼンチン、ブラジル、メキシコの3か国のみで、2025年の同地域の総発電電力量に占める原子力発電の割合は1.8%であったのに対し、世界全体では8.4%を占めている。IAEAの2026年予測によると、同地域の原子力発電総発電設備容量は2050年までに2倍以上となり、2060年までに約2.5倍に増加する可能性がある。ラテンアメリカ・カリブ海地域における増分の約40%は、小型モジュール炉(SMR)によるものと見込まれている。ブラジルは、アラブ首長国連邦(UAE)のドバイで開催されたCOP28で採択された、2050年までに原子力発電設備容量を3倍に拡大するという世界的な宣言に2026年3月に加わった。
06 Oct 2026
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英原子力規制庁(ONR)は9月13日、原子力規制を抜本的に改革する「ONR Together」戦略を発表した。高度な安全・セキュリティ・保障措置の水準を維持したまま、規制上の重複や不要な手続きを減らし、規制の予見性を高め、英国全土における原子力プロジェクトをより迅速に進めることが目的。英国では、エネルギー供給と安全保障への対応が急務である一方、原子力プロジェクトでは大きなコスト超過やスケジュール遅延が発生している。こうした状況を踏まえ、2025年11月、K. スターマー首相(当時)の委託を受けた独立した専門家パネル「原子力規制タスクフォース」が「Nuclear Regulatory Review 2025」を公表。同レビューでは、原子力規制システムが「過度に複雑」かつ「官僚的」であり、安全面よりプロセスの遵守を優先していると結論づけ、英国の原子力産業を抜本的に改革するため、規制の複雑化を招いている根本的な要因への対処を勧告した。これを受け、2026年3月には英エネルギー安全保障・ネットゼロ省(DESNZ)が「Building our nuclear nation: government response to the Nuclear Regulatory Review 2025」を発表。原子力部門の刷新と新規プロジェクトの迅速な実施に向け、規制枠組みの再構築や計画・環境評価の効率化を打ち出した。また同日、R. リーブス財務相(当時)がONRに今後の規制対応方針について質問状を送付している。こうした動きに応えたものが今回の「ONR Together」戦略である。ONRのM. フィナーティCEO兼首席原子力検査官は、「抜本的な規制改革が必要との結論を全面的に支持する。人々と環境を守るという使命を損なうことなく、より成果重視の規制システムに注力していく。ONRが実施する抜本的な規制改革は、不必要な官僚主義を削減するとともに専門的判断を強化し、産業界が事業を加速できるように規制の確実性を高めるものだ」と述べ、以下の3分野を優先課題に掲げている。①より統合された原子力規制システムの構築:複数の規制機関の調整・協力強化を目的とする「主要原子力規制当局グループ(LNRG)」を設置する。また、政府が検討している、民生用および防衛用規制を統合し、英国の原子力規制を一体的な仕組みにする「原子力規制委員会」の創設を支持。②より強いリーダーシップと文化:「遅延は中立的な結果ではなく、それ自体がリスクを伴う」との認識の下、ONR全体で現代的で機動的、生産性の高い規制機関への転換を図る。また、政府・産業界・規制当局の幹部による「業界CEOフォーラム」を創設し、業界全体の文化改善、リーダーシップの強化、不必要な遅延を招く慣行の見直し、集団的責任意識の醸成に取り組む。③よりスマートで、デジタル化され、リスク情報に基づく規制へのシフト:安全評価原則(SAP)の見直しや安全性を示すセーフティケースの指針の改定・簡素化、デジタル技術やデータ分析の活用を通じて、より迅速で一貫性のある決定を可能にし、重大なリスクへの取組みにリソースを集中する。複雑で膨大な文書作成から、重要なリスクとその管理策を明確に示す、簡潔で根拠に基づいたセーフティケースへの転換も進める。新型炉の設計評価方法についても見直しを進めており、英国で初めて導入される炉型を対象に審査する包括的設計審査(GDA)では、より柔軟なアプローチを採用するとともに、多様な炉型の複数基の展開を前提とした規制に取組んでいる。実際、規制プロセスの改善や規制当局間の国際協力により、米GEベルノバ日立ニュークリアエナジー社製のBWRX-300と米ホルテック・インターナショナル社製SMR-300の直近のGDAでは、従来の同等の審査と比べ、審査範囲や規制上の厳格さを維持しながら、リソースの投入量を35%以上削減。双方とも当初予算を数百万ポンド下回る費用で審査を完了したという。ONRは、「今回の改革は安全基準を下げるものではない」と強調。規制を緩和するのではなく、リスクの高い部分に重点を置き、重複や不要な負担を減らすことで、安全性を維持しながら英国の原子力プロジェクトの迅速かつ効率的な遂行を後押ししていく方針だ。こうした改革と並行して、DESNZは9月15日、米X-エナジー社が開発するSMR「Xe-100」(高温ガス炉, 8.0万kWe)について、3段階のGDAの開始を正式に規制当局に要請した。X-エナジー社と英エネルギー企業セントリカ社は、同国北部のハートルプールに12基、総出力96.0万kWeのXe-100発電所の建設を計画している。GDAでは、ONRが設計の安全性とセキュリティ面を、環境庁(EA)およびウェールズ自然保護機関(NRW)が環境面をそれぞれ審査し、立地サイト特定後の建設申請とは別に、規制プロセスの早い段階で炉型の設計を評価する。X-エナジー社は、Xe-100のGDA完了までに約3年間を想定。将来的には英国全体で最大600万kWe規模の展開を計画している。
06 Oct 2026
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米国貿易開発庁(USTDA)は9月22日、トルコ原子力公社(TÜNAŞ)と、トルコの民間企業による小型モジュール炉(SMR)の導入に必要な規制、制度、資金面のロードマップ策定を支援するプログラムの実施に向けて、200万ドルを助成することで合意した。この取組みを通じて、トルコのエネルギー安全保障を強化するとともに、米国の原子力技術の国際競争力向上につなげる方針。トルコは2053年のネットゼロ達成とエネルギー自立を目的にエネルギーミックスの多様化とエネルギー安全保障の強化を進めており、2025年11月、2050年までに500万kWeのSMRを導入する目標を掲げた。今回の支援合意に基づき、TÜNAŞに対し、SMRをトルコ市場に導入するために必要な政策や投資のステップについて提案を行うほか、同国のエネルギー・天然資源省および原子力規制庁による原子力規制や許認可手続きの整備を支援、SMR導入のための明確かつ実行可能な枠組みの確立を図る。また、USTDAの公募によって今後選定される米企業が少なくとも1年間、米企業が開発するSMR×4炉型と第4世代炉×5炉型を対象に、技術、経済性、規制・許認可、サプライチェーン、資金調達などの観点から技術調査を実施する。USTDAはこうした支援を通じて、米企業によるトルコの原子力市場への早期参入につなげたい考えだ。トルコのA. バイラクタル・エネルギー・天然資源相は、「SMRおよび第4世代炉の導入に向けたトルコの取組みは、エネルギー安全保障、産業開発、低炭素エネルギー源の多様化という長期的な目標の一環」と説明。USTDAのプログラムを通じて、米国のノウハウとイノベーションを活用し、トルコにSMRおよび先進炉プロジェクトに向けた技術的・制度的基盤の強化、長期的な投資および産業間協力の機会をもたらすとの期待を示した。USTDAは、2027年にトルコの原子力政策決定者からなる代表団を米国に招き、技術設計や製造現場、原子力発電所を視察するほか、規制制度について理解を深める機会を提供する予定。
05 Oct 2026
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企業と学生の採用・就職活動支援と原子力産業界への理解向上を図る2026年度「原子力産業セミナー」仙台会場(主催=日本原子力産業協会、後援=東北エネルギー懇談会)が10月10日、TKPガーデンシティ仙台(宮城県・仙台市)で開催された。仙台で初開催となる同セミナーは、32の企業・機関が出展し、106名の学生らが訪れた。先月開催された東京会場にもブース出展していた東北電力は、原子力分野の人材確保は厳しい状況が続いてきたとしながらも、「実際に稼働している発電所を有する会社として、当社に関心を持っていただける機会も増えたのではないか」と明るい兆しも感じているという。学生一人ひとりと丁寧に向き合いながら、原子力業界の仕事の面白さや社会に役立つ仕事であることを伝える機会を増やし、将来にわたって原子力の安全と安定運転を支える人材の確保・育成に取り組んでいきたいと語った。日本原燃は、この10月に2027年度卒の内定を出したところで、売り手市場の影響を懸念していたものの、採用計画人数を確保できたという。インターンシップでは、再処理工場の中央制御室や執務室などを見学してもらっている。また、低レベル放射性廃棄物の埋設事業では、6月から国内初の覆土工事を進めている。同社は再処理工場を中核事業としながらも、埋設やウラン濃縮などの各事業が原子燃料サイクルを支えていることを伝えるため、学生に実際の現場を見てもらうことに力を入れている。若い人には「安全を最優先とし、使命感を持って仕事に取り組んでいただければ」と期待を寄せた。今回初出展の東北発電工業では、企業ロゴを近年リニューアルしたほか、地元のスポーツ会場や駅などで広告を出すなど同社の知名度アップに力を入れている。発電所のメンテナンスを行っている同社では、入社後の1年間は研修専門施設に入り、実際に発電所で使用していたタービン設備やバルブなどを使って実践的に学べるほか、さまざまな資格が取得できる職場だとアピールした。同じく初出展の東北緑化環境保全では、やる気さえあれば文系学生にも技術者への道が拓けることも説明しながら、門戸を広げて採用活動を行っている。原子力を取り巻く状況に関しては、震災直後に比べ、この数年学生にも前向きな姿勢が見られ、理解が深まって冷静に受け止められるようになったという。担当者は、自身が成長できる職場を求める学生が多いことに驚きと喜びを感じており、「自身の仕事がどのようなことにつながっていくのかという広い視点を持ち、胸を張って働いてもらえれば」と希望を語った。今年度の原子力産業セミナーは全国4会場で開催され、4会場目として10月17日に福岡会場で行われる。
13 Oct 2026
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原子力発電環境整備機構(NUMO)はこのほど、若年層をターゲットとして高レベル放射性廃棄物の地層処分について考える新たなプロジェクト「#Think!地層処分~これからのミライのために知って、学んで、考えよう!~」を発表した。東京で11月に開催するイベントと、SNSでの動画配信を連動させるプロジェクトで、SNSを通して寄せられた疑問や意見を実際のイベントでの学びや交流に反映し、一方的な情報伝達ではなく、動画視聴者・参加者とともにセミナーをつくり上げていく。SNSでの情報発信とイベントを連動させるのはNUMO初の取組み。発表と同日に、TikTokのフォロワー数約460万人のインフルエンサーでタレントのおじゃす氏と、ミス東大2024グランプリのタレントで俳優の松藤百香氏が出演するショート動画が公開された。Youtube、Instagram、Xで公開している。今後、日常の出来事と地層処分をリンクさせたショート動画と、それぞれの解説動画を合わせた全14本を週に2本ずつ順次配信予定。11月21日には東京・ベルサール渋谷ファーストで、NUMOの山口彰理事長やお笑い芸人のぺこぱ氏、俳優・モデルの矢吹奈子氏らが参加するイベントを開催する。200人が観覧可能で、参加費は無料。リアルタイム投票やワークショップも開催する。観覧の応募開始は10月23日から。
13 Oct 2026
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革新炉の研究開発に取り組むスタートアップ企業、ブロッサムエナジー(東京都台東区)は9月30日、米国船級協会(ABS)と海外の海運会社と共同で、高温ガス炉(HTGR)を搭載した原子力推進LNG船の技術・経済性を評価したと発表した。成果は9月にタイ・バンコクで開かれた「Gastech 2026」で発表。温室効果ガス(GHG)規制に伴う負担を複数のシナリオで想定して経済性を評価した結果、従来のLNG燃料船と比べ、総所有コスト(Total Cost of Ownership=TCO)を最大15%低減できるとの試算を示した。 評価対象は、積載容量17万4,000立方メートル級のLNG船。同社が開発する出力2万~2万5,000kWe級のHTGRの搭載を想定し、原子炉の寸法や燃料交換周期などを検討した。2040年の就航、25年間の船舶寿命、5%の割引率などを前提に、ライフサイクル全体のTCOを評価した。 原子力推進船の初期投資額は従来のLNG船の約2.5倍となる一方、燃料費やGHG排出に伴う費用を抑えられる。GHG規制に伴う負担を考慮したシナリオでは、TCOは従来船比で最大15%低減した。一方、GHG関連の課金を考慮しない場合には、現状想定する初号機(FOAK)の原子炉コストでは、従来船に対するTCO上の競争力を確保することは難しいとした。原子炉の量産化や設計の標準化、原子炉搭載を前提とした船舶設計によるコスト低減が課題となる。 研究では、原子炉を船舶の一部ではなく、長期間利用する「エネルギー資産」として扱う事業モデルも検討された。船舶が寿命を迎えた後、原子炉を別の船舶に再搭載して利用することを想定し、その可能性を残存価値の評価に織り込んだ。 国際海運ではGHG排出規制への対応が課題となっている。国際海事機関(IMO)は2023年7月、2050年ごろまでに国際海運からのGHG排出をネットゼロとする新たな削減戦略を採択した。ブロッサムエナジーは今後、研究で得られた知見を踏まえ、HTGRの経済性向上に向けた技術・規制面の検討を進めるとしている。
09 Oct 2026
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原子力分野の人材確保・育成を産学官で進める「日本原子力人財コンソーシアム(J-AHRC)」が10月7日、発足した。政府が原子力の最大限活用を掲げ、将来的な原子力発電所の建て替えを見据える中、人材の確保・育成が課題となっている。コンソーシアムでは今後、将来の原子力人材の需給ギャップを分析し、今年度内に今後の取り組みに向けたロードマップの策定をめざす。 同日、経済産業省内で設立会合が開かれ、電力会社、メーカー、大学・研究機関、関係省庁などの代表者が出席した。冒頭、日本原子力産業協会の増井理事長がコンソーシアムの設立趣旨や運営体制を説明した。 コンソーシアムは、2010年に発足した「原子力人材育成ネットワーク」を発展的に改組したもので、従来の情報共有中心の連携から、具体的な課題解決に向けた実行体制へと機能を強化する。従来の84機関が引き続き参画する予定で、日本原子力産業協会や電力会社、メーカー、経済産業省、文部科学省、原子力規制庁など13の発起組織が運営を担う。意思決定機関や実務統括組織を設けるほか、発起組織から人員を派遣して常設の事務局を置く。 当面の重点課題は、将来必要となる原子力人材の需給ギャップの把握と、ロードマップの策定だ。電気工事、溶接、建設、据え付けなど、職種や専門分野ごとに必要な人材の規模をできる限り詳細に分析する方針。ロードマップには、人材の必要数や課題解決に向けた取り組み、関係機関の役割などを盛り込み、2026年度内の取りまとめを目指す。 会合に出席した資源エネルギー庁の村瀬佳史長官は、原子力が設計、建設、運転、保守、研究開発から原子燃料サイクル、廃炉まで幅広い専門人材に支えられていることを指摘し、「原子力政策の鍵となるのは人材」と強調。コンソーシアムに対し、個々の組織では解決が難しい課題に産学官が連携して取り組む「司令塔」としての役割に期待を示した。
08 Oct 2026
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千葉大学ハドロン宇宙国際研究センターが参加する国際共同研究「IceCube(アイスキューブ)実験」を率いてきた米ウィスコンシン大マディソン校のフランシス・ハルゼン教授に、2026年のノーベル物理学賞が贈られることが決まった。スウェーデン王立科学アカデミーが10月6日に発表した。日本からは千葉大が同実験に唯一参加している。IceCube実験は、南極点の地下1,450~2,450mの氷の中に5,160個の高精度光検出器を埋め込んだ、世界最大規模のニュートリノ((素粒子(それ以上分けられない最小単位の粒子)の一つ。電荷を持たないため他の物質とほとんど反応せず、質量も極めて小さい。「幽霊粒子」とも呼ばれ、太陽や原子炉、宇宙線などあらゆる場所で生まれている。))望遠鏡で、宇宙から飛来する高エネルギーニュートリノ((通常のニュートリノの100万倍以上のエネルギーを持ち、ブラックホール周辺など宇宙の極端な現象でしか生まれない。電荷がなく進路が曲がらないため、発生源の天体を特定する手がかりになる。))を観測する国際共同プロジェクト。千葉大のグループは2002年の国際共同チーム発足当初から参加し、ハドロン宇宙国際研究センターのニュートリノ天文学部門が研究を担ってきた。2011年の本格観測開始後、2012年に千葉大グループ主導の解析で超高エネルギーニュートリノを世界で初めて検出し、2013年にはそれが宇宙起源であることを確立、2018年には発生源天体を世界で初めて同定した。授賞理由は「IceCubeニュートリノ観測所への決定的な貢献および天体物理学的起源をもつ高エネルギーニュートリノの発見」。ハルゼン教授はIceCube実験の発案者で、構想から建設・運用まで一貫してプロジェクトを率いてきた。千葉大の横手幸太郎学長は「今回、この国際研究プロジェクトの功績が世界で最も権威ある賞の受賞につながったことは、我々にとっても大変名誉なこと」とコメントを発表し、千葉大グループを率いる理学研究院の吉田滋教授は、2002年の発足当初に参加した際には、有用な成果は難しいだろうという意見が圧倒的多数であったことを振り返り、「最初の宇宙ニュートリノ信号が日本グループの解析で同定されたことを思い返すと、全力を出し切った者にのみ、たまに幸運の女神が微笑むこともある、という古くからの格言の言わんとすることを身にしみて感じる」と語った。
07 Oct 2026
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電力中央研究所の原子力リスク研究センター(NRRC)は9月30日、東京都内の大手町三井ホールで「NRRCシンポジウム2026」を開催した。「PRA技術水準の到達点」をテーマに、確率論的リスク評価(PRA-Probabilistic Risk Assessment)の技術開発や原子力発電所の安全性向上に向けたリスク情報活用の成果、今後の課題を報告した。 NRRCは、原子力事業者の自主的な安全性向上を支える研究開発拠点として、2014年に設立された。シンポジウムの開催は2018年以来8年ぶり、3回目。 PRAは、原子炉を「止める・冷やす・閉じ込める」といった安全機能が失われ、事故に至るさまざまなシナリオを洗い出し、その発生頻度や影響を定量的に評価する手法。得られたリスク情報を、従来の安全性評価や運転経験などと組み合わせ、安全対策の優先順位の検討などに役立てる。国内では、福島第一原子力発電所事故の教訓をふまえ、規制や事業者による自主的な安全性向上活動への活用が進められてきた。 基調報告でジョージ・アポストラキス同センター所長は、過去の国内PRAでは何を評価しても炉心損傷頻度(CDF)((炉心損傷頻度(CDF):機器の故障データなどから、炉心損傷に至る各事故シナリオの発生頻度を算出・合計した推定値で、実際の事故件数ではない。原子炉1基・1年当たりで表し、10⁻⁶/炉年は100万炉年当たり1回に相当する。))が10⁻⁶と報告されてきた状況を「10⁻⁶の文化」と表現し、PRAへの信頼性の低下を招いたと指摘した。そのうえで、海外専門家によるレビューなどを通じた品質向上の取組みを紹介し、現実的にリスクを把握し、安全性向上に生かす重要性を強調した。米国では、内的事象((内的事象:機器の故障や運転員の操作ミスなど、発電所内部で生じる事故のきっかけとなる事象。地震・津波などの外部事象とは区別して評価される。 ))によるCDFの業界平均が1992年比で2023年ごろには約20分の1に低下したと説明。保全規則や設備対策などの要因もあるとしつつ、主にリスク情報の活用の成果との見方を示した。 また、原子力規制庁の古金谷敏之・核物質・放射線総括審議官は、事前収録の基調講演で、運転中保全(オンラインメンテナンス)の現場実証など、リスク情報を活用した規制の取組みを紹介した。 NRRC担当者による報告では、「現状の到達点」として、発電所の実態をより正確に反映する評価手法の開発成果が紹介された。地震PRAでは、従来、地盤が損傷すればただちに炉心損傷に至るものとして評価していた。これを改良し、地盤の変形が建屋や機器にどう影響するかまで評価することで、重要な事故シナリオをより的確に把握できることを確認した。津波PRAでは、実際の発電所の設備配置などを基に建屋内への浸水経路を詳しく分析し、浸水防護対策の効果を反映した評価が可能になったと報告した。 「今後の開発」では、評価対象をさらに広げる取組みを紹介。竜巻PRAでは、風速や飛来物の衝突、防護設備の性能を評価する技術が整い、今後は実機情報に基づく試評価を進める段階にある。また、地震と津波が重なる場合や、複数号機で同時に事故が起きる場合など、福島第一原子力発電所事故の教訓を踏まえた評価手法の開発にも取組んでいる。 閉会にあたり、同センターの朝岡善幸所長代理は、PRAで得られるリスク情報を安全性向上のための意思決定に活用できる段階に到達したとの認識を示した。今後は評価対象の範囲をさらに広げて手法開発を進めるとともに、得られたリスク情報を実際の安全性向上にどう生かすかが、一層重要になると締めくくった。
07 Oct 2026
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日本原子力産業協会の増井秀企理事長は10月2日の定例記者会見で、120万kW規模の原子力発電プラント1基の工事・運転・廃炉のライフサイクルを通じた経済波及効果を約4.3兆円と試算したことを明らかにした。原産協会がこうした試算を公表するのは今回が初。増井理事長は会見冒頭で、原産協会が公表した資料「安全性を大前提とした、数字で示す!原子力発電プラント1基のさまざまな価値」を説明。政府が発表した今後の原子力政策の方向性と行動指針の中で、2040年代までに最大5基、2050年代までに最大14基の原子力発電所の建て替えが必要とされる中、原子力発電プラント1基の価値を3E((安定供給(Energy Security), 経済効果(Economic Efficiency), 環境への適合(Environment)))の観点から整理したという。今回、初めての取組みとして公表した、経済波及効果は政府の2025年発電コスト検証ワーキングで用いられたデータや総務省の2020年版産業連関表((国内経済において一定期間(通常1年間)に行われた財・サービスの産業間取引を一つの行列(マトリックス)に示した統計表))を用いて、直接効果と一次効果までを試算の対象とした。1基建て替えによるプラントライフサイクル全体の国内経済全体の波及効果の合計は4.3兆円、建設中には年間1.4万人の雇用が誘発されると示した。このほか、安定供給の観点から、機器類の国産化率90%以上、国内で保有する原子燃料で発電を維持できる期間を表す燃料備蓄効果が2.9年分、環境の観点から発電時のCO2排出量ゼロなどを説明した。また最も伝えたいメッセージとして、「原子力の利点は単なる経済波及効果だけでなく、安定的な供給と優れた環境適合性の上にさらに経済波及効果があるということ」を挙げた。また、茨城県常陸大宮市での高レベル放射性廃棄物(HLW)の地層処分地選定に向けた文献調査受け入れ表明について言及。科学的に適した処分地を選定するためには全国の複数地点での調査が不可欠であり、今回の受け入れ表明によって調査地域が広がることは極めて意義が大きいとした。記者からの質疑応答では、今回発表した原子力の経済波及効果に関する質問が相次いだ。資料で年間510~725億円としている化石燃料の削減コストについて、ホルムズ海峡をめぐる情勢の影響で足元のLNG価格が今回の算定根拠より上昇しているとの指摘に対し、増井理事長は、現在の価格を反映すると削減効果はさらに大きくなるとしつつ、今回は公的なデータを用い、効果を過大に見せることなく、化石燃料コストの削減という観点から原子力発電の価値をニュートラルに示すことを意図したと説明。さらに新設炉の経済効果試算について問われた際には、政府の発電コスト検証ワーキングで革新軽水炉の評価が行われた場合、改めて価値を試算する可能性があるものの、革新軽水炉は現時点で国内での建設実績がなく、検証が難しいと述べるにとどまった。
06 Oct 2026
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世界原子力発電事業者協会(WANO)の第18回隔年総会が9月29日~30日、東京で開催され、「継続的改善文化の醸成(Fostering a Continuous Improvement Culture)」をテーマに、38の国と地域から400名以上の原子力関係者が参集。業界動向、AIが効率性・生産性に与える影響、グローバルサプライチェーン、SMR(小型モジュール炉)がもたらす機会についてのパネルディスカッションなどが行われた。WANOの千種直樹CEOは、原子力業界は引き続き高い安全実績を維持しているが、その卓越性を持続するためには継続的な改善が不可欠とし、「WANOと会員は、高度なデータ分析、デジタル技術、そしてAIの活用を進めることで、パフォーマンスの把握、監視、改善のあり方を大きく変革している」と述べ、「今後の重点は、継続的改善を単なる施策ではなく、世界の原子力業界のあらゆるレベルにおける意思決定を支える、深く根付いた考え方として定着させることにある」と強調した。総会では、国際原子力機関(IAEA)のR.グロッシー事務局長からビデオメッセージが寄せられたほか、経済協力開発機構/原子力機関(OECD/NEA)のW.マグウッド事務局長や世界原子力協会(WNA)のサマ・ビルバオ・イ・レオン事務局長が講演やパネルディスカッションに参加した。WANOの総裁を務める東京電力ホールディングス(東京電力HD)の小早川智明社長は「原子力は安全を最優先としつつ、低炭素で安定した電源として重要な役割を果たすことがこれまで以上に期待されている」とし、新技術や新しい原子力事業者の参入の波の中で、技術や国が異なっていても、互いに過去の教訓をしっかり学び、活かす必要があると述べた。次回、2028年の総会は中国・上海で開催され、中国核工業集団(CNNC)がホストを務める予定。
05 Oct 2026
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東京電力ホールディングス(東京電力HD)は10月1日、福島第一原子力発電所2号機で、ロボットアームを用いた内部調査や燃料デブリの試験的取り出しに、本日10月2日に着手すると発表した。ロボットアームの現場での使用は今回が初。3、4か月かけてアクセスルートの構築や原子炉格納容器の内部調査を行い、原子炉格納容器の三次元形状データの取得を実施する予定。その後の燃料デブリ採取や分析を含めて全体で約6か月の作業期間を見込むが、安全を最優先に作業を進めることから、予定より作業期間が延びる可能性もあるという。実際に燃料デブリの試験的な取り出しを実施するのは2027年以降。ロボットアームは全長約22メートル(ワンド((さまざまな先端ツールを取り付ける部位))を除くと約18メートル)、重さは約4.6トン。英国企業とともに開発を進めてきたもので、途中新型コロナウイルスの影響や装置の不具合などで延期が重なりながらも、今回の使用に至った。発表と同日に開かれた記者会見で、東京電力HDの福島第一廃炉推進カンパニー・プレジデント兼廃炉・汚染水対策最高責任者の小野明氏は、「ようやくここまで来たな」という思いであるとしつつ、今回の取組みでロボットアームがどのように使えるか、次回以降の燃料デブリ採取に繋げていきたいと話した。今回取得した三次元形状データをから、原子炉格納容器内部の状況を詳しく分析し、今後の燃料デブリの取り出し作業の進め方や機材の使用方法などを検討するという。
02 Oct 2026
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マッキンゼー・アンド・カンパニーは、日本経済や企業の成長戦略を分析した最新レポート「新時代の日本へ:躍動と成長に向けた競争力の再構築」の日本語版を9月30日に公開。日本の原子力発電産業を、決定的な規模を確立し、バリューチェーン全体で競争することで、グローバルで主導的なポジションを築くことが重要とする「戦略投資(Shape)」の領域に分類した。「戦略投資(Shape)」に分類されるのは、世界のGDP成長の最大1/3をけん引すると見込まれる18の産業領域のうち、日本が強みを持ち、重要度も高い産業で、原子力発電以外に、半導体、蓄エネルギーシステム、ロボティクスが選ばれている。マッキンゼーは日本の原子力発電産業を、「世界でも数少ないサプライチェーンを一気通貫で供給可能な基盤を有する国」と表現し、「世界で電力需要が急増し原子力発電が注目されるなかで、次世代型の開発・設計・保守運用の領域において構造的な優位性を有している」と評価。さらに、AIの急速な普及を支えるデータセンターの急増により日本の電力需要は増加傾向にあり、電力の慢性的な不足が見込まれる中で、エネルギー安定供給の重要な柱として原子力や大型の火力電源のリプレース・新増設が重要と指摘した。一方、日本では多くの原子炉が再稼働しておらず、新設も進まないなかで、原子力技術者や機器製造などのサプライチェーンが失われつつあり、日本の国際的な競争力が低下していることを課題として挙げた。こうした「待ったなしの状況」が打開できれば、日本が持つ貴重な技術・エンジニアリング人材をさらなる成長の原動力として生かすとともに、小型モジュール炉(SMR)開発などの次世代技術でも競争力を確立するための基盤を築くことができると分析した。なお、マッキンゼーは今後、各分野に日本企業がどのように注力し、競争力を築くべきかを掘り下げる追加のレポートを作成予定。
01 Oct 2026
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茨城県常陸大宮市の鈴木定幸市長は9月30日、国が申し入れていた、高レベル放射性廃棄物(HLW)の地層処分地選定に向けた文献調査を受け入れると表明した。同日、常陸大宮市役所で開いた記者会見で、鈴木市長は受け入れを決めた理由として、①高レベル放射性廃棄物の地層処分に向けた取組みは国策であり、その国策に一自治体として貢献できるという大きな意義、②消滅可能性自治体((2024年に民間組織「人口戦略会議」が発表した、2050年までの30年間で、20~39歳の女性の人口が半数以下に減少する自治体))である常陸大宮市にとって、地層処分への貢献が市の存立基盤の強化につながる可能性があり、市民を含めた議論を通じて、その可能性を未来へ繋げること、③文献調査によって常陸大宮市の地下環境を科学的かつ集中的に分析することは、減災・防災の面からも地域の財産になること――などを挙げた。鈴木市長は、これまで前向きに検討を行ってきたと語り、文献調査は「スタートラインに立つ前段階」という認識を示した。今後、文献調査について説明し、市民の懸念や疑問に答えるため、広報紙の号外を作成する予定。さらに、住民への説明に対応する専門職員も配置するという。原子力発電環境整備機構(NUMO)の山口彰理事長はコメントを発表し、「特定放射性廃棄物の最終処分と文献調査に関心を持ち、議論していただいたことに敬意を表しますとともに、このたびの鈴木市長のご判断に心から感謝申し上げます」としたうえで、最終処分や文献調査に関する常陸大宮市民の関心や疑問、不安に応え、理解と議論を深められるよう尽力するとした。なお常陸大宮市には、放射線を利用した品種改良研究を行う放射線育種場(ガンマーフィールド)が長年置かれていたが、2025年9月末に廃止された。
01 Oct 2026
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東京都小笠原村は9月25日の村議会で、南鳥島で進む高レベル放射性廃棄物の最終処分地選定に向けた文献調査に伴う交付金について、交付される全額を受領し、公共施設整備などに充てる基金として積み立てる意向を示した。2027年度当初予算案に盛り込む方針。 村によると、9月8日に国から交付金事業の方向性について確認があり、公共施設整備などに要する基金の造成を目的に、全額を2027年度に予算措置する方針を報告した。文献調査の実施に伴う交付金は、国から2年間で最大20億円が交付される。 質疑では、平野悠介総務委員会副委員長が、村民から寄せられた使途に関する声を紹介。島外で医療を受ける際の滞在費助成や島内での人工透析、出産支援、老人ホームの拡充、学校給食、体育館の冷房、住宅不足対策、停電対策などが挙げられた。 渋谷正昭村長は、村民からさまざまな提案が寄せられているとした一方、交付金には使途の制約があり、すべての事業に充てられるわけではないと説明。「しっかりと目的を明確にした上で使わせていただきたい」と述べた。今後、具体的な使途を盛り込んだ事業計画を作成し、12月の村議会で示す考えだ。 南鳥島を対象とした文献調査は、最終処分地選定に向けた第1段階にあたる。今年5月に南鳥島での文献調査実施に伴う原子力発電環境整備機構(NUMO)の事業計画変更を経済産業省が認可し、調査が正式に始まった。村はNUMOや経産省と連携し、地層処分や原子燃料サイクルなどをテーマに、住民向けの説明や意見交換、勉強会を進める方針を示している。
29 Sep 2026
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