
海外NEWS
29 May 2026
204

米ホルテック ルワンダにSMR-300導入を計画
国内NEWS
29 May 2026
326

福島第二 廃止措置実行計画2026公開
海外NEWS
27 May 2026
438

米NRC ロング・モット発電所の環境審査を前倒しで完了
海外NEWS
27 May 2026
456

イラン ブシェール2号機が建設再開
国内NEWS
27 May 2026
924

NUMO 南鳥島での文献調査を正式に開始 全国で4例目
海外NEWS
26 May 2026
628

スウェーデン 鉛冷却高速炉による商用発電所計画を申請
国内NEWS
26 May 2026
1123

電事連 六ヶ所再処理工場完成へ支援拡充を発表
国内NEWS
25 May 2026
585

「原発事故による帰還困難区域を抱える町村の協議会」 避難指示全域解除のビジョン明示と復興支援強化を要望

米ホルテック・インターナショナル社とルワンダ原子力委員会(RAEB)は5月19日、ルワンダの首都キガリにおいて、ホルテック社製小型モジュール炉のSMR-300(PWR, 30万kWe)の導入に向けた共同開発協定を締結した。ルワンダがエネルギーミックスの多様化やインフラ強化、信頼性の高い電力供給を目指す中、両者は本協定に基づき、建設サイトの調査、資金調達計画の策定を進める。ホルテック社が先進的な技術とノウハウを提供する一方、RAEBは現地での開発や地域社会との連携を主導する。同協定は、ルワンダ政府主催の「原子力エネルギー・イノベーション・サミット」(NEISA2026)で署名された。同サミットは、2025年にキガリで開催された第1回サミットに続く2回目の開催となる。署名したホルテック・ヨーロッパ社のR. マリン代表は、「ルワンダに最大で計約500万kWeのSMR-300の導入を計画する。ルワンダが、長期的に経済成長の原動力となる原子力発電へのエネルギー移行を実現し、アフリカにおいてSMR導入の先駆者となることを支援していく」と語った。また同サミットでルワンダは、米国と民生用原子力協力に関する覚書に署名した。米J. ヘルバーグ国務次官(経済担当)は、「米国はホルテック社とRAEBと協力してこの革新的なSMRプロジェクトを実現し、エネルギー安全保障と経済開発の目標を達成しようとする国々を支援し続けていく」と語った。ホルテック社のR. スプリングマン社長は、「SMR-300の導入に際し、EPC(韓ヒュンダイE&Cとの提携による)、使用済み燃料管理、運転支援、廃止措置を含む統合的な供給モデルは、ルワンダにおける包括的な商用原子力プログラムの加速に不可欠」と強調した。ルワンダはエネルギーミックスの60〜70%を原子力発電で供給することを目指しており、SMR初号機を2030年代初めに稼働させる計画である。SMR-300は、2基構成のツインユニットで、所要面積はわずか0.15㎢。事故時に運転員が現場を離れても安全性が保たれる特性(walk-away safe)を持つ。ホルテック社は米ミシガン州パリセード原子力発電所に2基のSMR-300をパイオニア1および2の名称で展開する計画。2025年12月、パイオニア発電所の建設許可申請(CPA)の第一部を米原子力規制委員会(NRC)に提出している。
29 May 2026
204

米原子力規制委員会(NRC)は5月18日、ダウ・ケミカル社がテキサス州メキシコ湾沿いにあるシードリフト・サイトにおいて建設を計画するロング・モット(Long Mott)発電所の環境アセスメントを予定より前倒しで完了し、「重大な影響なし(FONSI)」と判断したことを明らかにした。米国の大手化学メーカーであるダウ社とX-エナジー社は2025年3月末、X-エナジー社製SMRの高温ガス炉(HTGR)「Xe-100」(電気出力8万kW)を採用したロング・モット発電所の建設許可をNRCに申請した。シードリフト・サイトで、運転期間満了間近の既存の発電・蒸気設備をリプレースし、化学製品の生産に必要な電力・産業用蒸気を供給する。申請書には、1年間の現地調査や地下水モニタリング(水質測定を含む)、複数の州機関との連携による1,000ページ以上の環境報告書が含まれていた。Xe-100 は、米エネルギー省(DOE) の先進的原子炉実証プログラム(ARDP)で支援対象に選定された2設計の一つ。5~7年以内の実証運転開始を目指している。NRCは、既存の工業地帯における本プロジェクトの環境への影響が限定的であることから、より詳細な環境影響評価(EIS)ではなく、環境アセスメント(EA)が適切と判断した。環境アセスメントは2025年6月10日に開始され、1年未満で完了した。このアプローチにより、厳格な環境基準を維持しつつ、審査期間の短縮につながった。NRCは、「NRC改革に関する大統領令」で定められた18か月の期限に沿い、今年後半に建設許可申請の安全性審査を完了する見込み。その後、許可に関する最終決定となる。運転認可については別途申請を行う必要がある。
27 May 2026
438

ロシア国営原子力企業ロスアトムのA. リハチョフ総裁は5月16日、ロスアトムがイランで建設中のブシェール原子力発電所2号機(VVER-1000, 105.7万kWe)の建設作業が再開されたことを明らかにした。ロスアトムは、ブシェールの建設事業は優先事項としながらも、イラン戦争が続く中、作業を中断し、ロシア人スタッフの多くを段階的にイランから退避させていた。現在、現地に残る少数のスタッフ約20名がイラン側との対話を進めており、技術コンサルティング支援もリモートで展開中。イラン側請負業者の作業員約2,200人がすでに建設現場に戻ってきており、2号機の補強とコンクリート施工を中心に作業が再開された。イラン人作業員の数は増え続けているという。リハチョフ総裁によると、2号機の原子炉の完成度はすでに60%以上、蒸気発生器なども50%完成しており、2027年から主要機器の出荷を開始する予定。3号機(VVER-1000採用)の設備用金属部材が鋳造および鍛造中であるという。ブシェール1号機(VVER-1000, 100.0万kWe)は、原子力発電開発会社(NPPD)が2013年9月に営業運転を開始。ロスアトムによると、同機は100%出力で運転を続けているという。同2号機もVVER-1000を採用し、2019年11月に着工した。2024年9月の国際原子力機関(IAEA)通常総会において、イラン原子力庁(AEOI)は2号機を2029年に稼働する目標を示し、2040年までに計2,000万kWeの原子力発電設備容量を達成する意向を表明している。2025年9月、ロスアトムとAEOIはイランにおける小型モジュール炉(SMR)建設に関する協力に関する覚書を締結した。さらにAEOIは、同国南部のホルムズガーン州にロシア製大型炉4基を採用した原子力発電所を新たに建設する計画を明らかにしている。
27 May 2026
456

スウェーデンの先進炉開発企業であるブリカラ(Blykalla)社は5月18日、首都ストックホルムの北約200kmに位置するノルスンデット(Norrsundet)に、同国初となる先進炉を採用した商用発電所を建設するため、スウェーデン政府に申請書を提出した。同社製鉛冷却の先進モジュール炉(AMR)「SEALER(5.5万kWe)」を6基、合計33.0万kWeを設置する計画だ。ブリカラ社は、イェヴレ市(Gävle)にある産業遺産の地であるノルスンデットを建設地として選定。既存の港湾、重要なインフラを活用し、地域の電力不足への対応も視野に入れている。計画は、土地・環境裁判所やスウェーデン放射線安全局(SSM)などによる審査を経るほか、イェヴレ市の承認も必要となる。SEALERはブリカラ社が開発を進める鉛冷却高速炉。小型のモジュール設計を採用し、出力拡張にも対応する。同社は、独自開発したアルミニウム添加鋼材により、液体鉛環境下での耐腐食性を向上させたとしている。鉛冷却方式については、高い冷却性能や柔軟な立地対応が可能で、産業施設と併設にも適すると説明している。ブリカラ社は、米先進炉開発企業オクロ社とも協力関係にあり、米国市場での展開も視野に入れている。両社は中性子解析や熱水力解析などで連携している。
26 May 2026
628

米原子力規制委員会(NRC)のH. ニー委員長ほか委員4名は5月13日、上院環境・公共事業(EPW)委員会の公聴会に出席し、規制改革や2027会計年度予算案について説明した。先進的な原子力展開の加速化法(ADVANCE法)や大統領令を背景に進められている許認可審査の効率化や組織改革の成果が示される一方、委員や民主党議員からは、人員減少や独立性低下による安全性への影響を懸念する声も上がった。ニー委員長は許認可審査の効率化により、H.B.ロビンソン原子力発電所の運転認可更新を12か月未満で完了したほか、テラパワー社のSMR「Natrium」炉の建設許可を予定より数か月前倒しで発給したと説明。2年前と比べ、許認可業務や原子炉監督活動に要する時間・コストを大幅に削減したと述べた。一方で、改革の加速に対する懸念も示された。B.クロウェル委員は、過去16か月で510人が離職した一方、新規採用は59人にとどまっていると指摘。短期間での改革推進により、スタッフへの負担増加や専門人材流出が進み、安全性や国民からの信頼に影響を及ぼす可能性があると警告した。2027年度予算案については、S. カピトEPW委員長ならびにニー委員長は、規制合理化や組織再編によるコスト削減の成果を反映したものだと説明。一方、クロウェル委員は、今後増加が見込まれる先進炉審査への対応力低下を懸念した。
25 May 2026
390

西欧原子力規制者協会(WENRA)は5月13日、原子力推進を利用する商船について、各国で一貫した安全審査を可能にする国際的な規制枠組みが必要だとする声明を発表した。国際海事機関(IMO)が「原子力商船の安全コード(Code of Safety for Nuclear Merchant Ships)」の改定に着手する方針を示したことを歓迎しつつ、国際原子力機関(IAEA)との緊密な連携を求めた。同コードは1981年に策定されたもので、当時の主流であった加圧水型炉(PWR)を前提としている。その後、気候変動対策への関心の高まりや、小型モジュール炉(SMR)、高温ガス炉、熔融塩炉など先進炉の開発が進展したことから、現行コードでは新技術への対応が十分ではないとの指摘が出ている。IMOは2025年6月、同コードが時代遅れとなっており、先進的な原子力技術の船舶利用に向けた障害となっているとして、改定を進めることで合意している。一方、IAEAは、商船や浮体式原子力発電所など海上での民生用原子力技術の安全・セキュリティ・保障措置に関する枠組みづくりを目的とした「ATLAS(Atomic Technologies Licensed for Applications at Sea)」プロジェクトを立ち上げる予定。WENRAは、IMOによるコード改定とIAEAのATLASの整合性は不可欠とし、改定後のコードを最新のIAEA安全基準に沿ったものとするよう求めている。WENRAは、海上での原子力利用には、陸上の原子力施設とは異なるリスクが伴うと指摘。特に、開発中の炉型には技術成熟度に差があることから、原子炉設計、安全解析、事業者の能力が十分に成熟していることが確認されない限り、海上利用を認可すべきではないとの考えを示した。そして、商船は国境を越えて運航されるため、各国ごとにばらつきのある規制ではなく、国際的に調和した安全要件の整備が不可欠だとしている。そのうえでWENRAは、IMOに対し、IAEAと連携しながら安全目標を明確化し、各国当局が原子力推進船の航行認可を判断する際に活用できる、包括的で詳細な安全要件をコードに盛り込むよう促した。WENRA加盟国も、それぞれの専門分野でコード改定に協力していく方針を示している。
25 May 2026
453

スイス連邦政府は5月13日、同国で運転中のゲスゲンおよびライプシュタット各原子力発電所について、最大80年間の長期運転が技術的に可能であり、大半のケースでは経済的にも成り立つとの報告書を採択した。連邦議会上院からの要請を受けて、連邦エネルギー庁(BFE)がとりまとめたもの。政府は現時点で、長期運転に対する財政支援は不要との見解も示した。報告書では、両発電所を80年まで運転する場合に必要となる技術的改修費について、発電所あたり約7億~12億スイスフラン(約1,414億~2,424億円)と試算。現実的な電力価格やコストを前提とすれば、経済的に採算が取れる可能性が高いと指摘。一方で、原子力発電所の早期閉鎖や安全基準の強化など、政治的・規制上の不確実性はリスク要因であり、安定した規制環境や専門人材の維持が重要と指摘している。また報告書は、既設原子力発電所の長期運転と再生可能エネルギーの拡大を組み合わせることで、冬季の電力輸入依存を低減し、供給安全性は大きく向上すると評価。再生可能エネルギーの拡大が十分に進まない場合には、原子力新設も将来の供給力確保の選択肢になりうるとしている。スイスでは現在、4基の原子炉が運転中。ゲスゲン発電所はPWR単機、出力106.0万kWe、1979年11月に営業運転を開始している。ライプシュタット発電所はBWR単機、出力128.5万kWe、1984年12月に営業運転を開始している。スイスでは、2011年の福島第一原子力発電所事故後、脱原子力の方針が示され、2018年施行の改正エネルギー法により原子炉の新設は禁止された。ただし、既設炉については、安全性が確保される限り運転継続が認められている。近年は、気候変動対策や電力需要の増加、冬季の供給不安を背景に、原子力をめぐる議論が再燃。政府は原子力発電所の新設禁止を原子力法から削除する改正法案を示しており、議会上院は今年3月にこれを可決、8月までに下院でも決議される見込み。
21 May 2026
622

韓国では、米原子力関連企業との協力拡大の動きが相次いでいる。韓国水力・原子力(KHNP)は、米国の原子力発電運転会社であるサザン・ニュークリア社と覚書(MOU)を締結し、原子力エンジニアリング体制の強化に乗り出す。一方、小型モジュール炉(SMR)開発企業の米ニュースケール・パワー社は、米国の原子力セクターへの投資の可能性について、韓国政府との協議が進行中であることを明らかにした。KHNPは5月12日、韓国・慶州にあるKHNP本社にて、サザン・ニュークリア社と、原子力発電所の運転、設備の保守・点検、設備信頼性およびエンジニアリング全般にわたる協力体制の構築を目的とする覚書を締結した。両社は今後、技術交流プログラムの運営、ワークショップや良好事例の共有などを通じてパートナーシップを強化し、エンジニアリング能力の向上と運転パフォーマンスの改善を図る方針。KHNPのY. キム・エンジニアリング本部長は、「当社のエンジニアの視野を世界へと広げ、国内の技術体制を飛躍的に強化する契機になると期待している」とし、「今後も海外の運営会社や国際機関と緊密に協力し、韓国型エンジニアリング体制の完成に向けて尽力する」と述べた。一方、ニュースケール・パワー社は、5月7日に開催した2026年第1四半期の決算説明会で、今年3月に韓国国会で承認された米国に対する総額3,500億ドル規模の戦略的投資公約に言及。同社のJ. ホプキンスCEOは、同公約のうち2,000億ドルが、両国間の経済的結びつきの強化と関税の引き下げを目的に、小型モジュール炉(SMR)を含む原子力の新規建設、AI、半導体などの分野に充てられるとし、前週にワシントンD.C.で韓国政府と行った協議において確認されたと説明した。R. ハマディ最高財務責任者(CFO)は、韓国および日本の企業が出資者やサプライチェーンパートナーとなり、長きにわたり非常に強固な関係を築いてきたと補足し、プロジェクトにおいて出資面でも重要な役目を果たしうるとの考えを示した。
20 May 2026
715

米運輸省海事局(MARAD)は5月7日、商業船舶へのSMR搭載の実用化に向け、産業界からの意見募集(8月5日締切)を正式に開始した。D. トランプ大統領令に基づく取り組みで、長年構想にとどまってきた船舶の原子力推進に関し、政策的な検討が本格化しつつある。今回公表した情報提供依頼(RFI)では、SMR技術の技術的・商業的な実用性を評価するとともに、商業化に向けた政府支援の方向性を検討する。意見募集の範囲は、船体・機関への統合設計から、責任・保険の法的枠組み、寄港受け入れ体制、人材確保・育成、規格の標準化まで広範にわたる。背景にあるのは、D. トランプ大統領が署名した「Unleashing American Energy」(2025年1月)と「Restoring America's Maritime Dominance」(2025年4月)の2つの大統領令だ。海事産業強化を目的とする大統領令を直接的な契機としつつ、エネルギー政策面での原子力推進方針とも連動する形で、政府として原子力船の実用化検討を進める構図が鮮明となっている。過去にも原子力船の建造・運航は試みられている。米「サバンナ号」、独「オットー・ハーン号」、日本の「むつ」などがあるが、商業的採算性や制度面、社会受容性などの課題から普及には至らなかった。SMRは従来の特注設計型原子炉と異なり、小型化とモジュール化により既存船型への搭載を現実的なコストで実現できる可能性があると期待されている。MARADは寄港間隔の延長、航続距離の拡大、GHG排出削減を原子力推進の利点として挙げる。S. M. カーメル海事局長官は「SMR導入の成功のためには、技術実証だけでなく、制度・インフラ・運用を含めた包括的な取り組みが必要」と述べた。近年、海運業界では脱炭素化とエネルギー安全保障への関心を背景に、英国・韓国でも船級協会や大手造船所を中心に原子力推進船を想定した整備制度や概念設計が進められている。国際的な動きも加速しており、MARADはRFI終了後、公開ワークショップや技術交流を通じ、課題の具体化を進める方針だ。
20 May 2026
626

米国家核安全保障局(NNSA)は5月7日、日本の文部科学省、日本原子力研究開発機構(JAEA)と協力し、日本から米国へ1.7トンのHALEU(高アッセイ低濃縮ウラン)を輸送したことを明らかにした。NNSA史上、最大規模の国際輸送であり、米政権による先進炉の推進とエネルギー安全保障の強化に資するとともに、核拡散防止においても大きな成果とされている。今回輸送されたHALEUは、JAEAにある「高速炉臨界実験装置(Fast Critical Assembly: FCA)」の廃止措置に伴い不要となったもの。テネシー州オークリッジにあるY-12国家安全保障複合施設で、民間利用できる形に再加工され、DOE原子力局のHALEU利用プログラムを通じて供給される。HALEU は多くの先進炉で利用が想定されており、高燃焼度化や長期運転サイクルなどを可能にすると期待されている。一部用途では、HEU 使用低減につながる可能性がある。NNSAは、今回の輸送が日米間の長年の核セキュリティと核不拡散協力の延長線上にある取り組みであるとの認識を示した。なお海上輸送にあたっては、英原子力廃止措置機関(NDA)傘下の原子力輸送を専門とするニュークリア・トランスポート・ソリューションズ(NTS)が支援している。NNSAのM. ナポリ防衛核不拡散担当副長官は、「この節目は、安全で独立したエネルギーの未来への進展を加速させ、核拡散防止へのコミットメントを再確認するもの。日本との連携により、次世代原子力を推進し、米国のエネルギー主導権を確固たるものにする」と語った。2025年5月に発令された大統領令「国家安全保障強化のための先進炉技術の導入」では、エネルギー省(DOE)長官に対し、DOEの管理下において民間セクターが使用する20トン以上のHALEUを容易に入手可能な燃料バンクに放出するよう指示。米国では、HALEU 供給の多くをロシアに依存してきた経緯があり、近年は国内サプライチェーン構築が重要課題となっている。
19 May 2026
1614

米コンサルティング大手のマッキンゼー社は5月4日、米国の原子燃料サプライチェーンの国内整備に関する報告書を公表した。米国が2050年までに原子力発電設備容量を現在の約1億kWから約4億kWへ拡大し、原子燃料供給網を全面的に国内で整備した場合、サプライチェーン全体で最大1,700億ドル(約25兆円)の投資が必要になると試算した。報告書では、連邦政府が掲げる2050年時点での原子力発電設備容量4億kW規模の実現を前提に、①採掘・精錬、②転換、③濃縮、④燃料製造、⑤再処理――の各工程について必要投資額を分析。100%国産化は、投資規模を試算するための仮定上のケースであり、実際の達成可能性を前提としたものではないとしている。投資額の内訳では、転換に300億~450億ドル(約4.4兆~6.5兆円)、濃縮に300億~400億ドル(約4.4兆~5.8兆円)を見込み、この2工程だけで全体の過半を占める。各工程では、供給力の不足や設備制約が課題となっている。採掘・精錬分野では、米国のウラン需要に占める国内鉱山からの供給は1%未満にすぎない。転換分野では、国内で稼働する施設はコンバーダイン社が運営するイリノイ州メトロポリスの1か所のみで、現在の国内需要の約半分を賄う能力にとどまっている。濃縮分野では、2023年時点で需要の27%をロシアからの供給に依存しており、米エネルギー省(DOE)は2026年1月、アメリカン・セントリフュージ・オペレーティング社、ゼネラル・マター社、オラノ社の3社に総額27億ドル(約4,000億円)を助成し、ウラン濃縮能力の拡充を支援している。ただ、報告書は、これらの計画が実現しても国内供給だけで需要を満たすことは難しく、海外への依存が当面続くとみている。燃料製造分野では、TRISO燃料や金属燃料など、先進炉向けの新たな燃料形態への対応が課題と指摘。高温ガス炉や溶融塩炉などの次世代炉が新設容量の20%を占めると仮定した場合、100億~200億ドル(約1.5兆~2.9兆円)の投資が必要になると試算している。また米国は、使用済み燃料を直接処分するワンススルー方式を採用しており、現在では商業用再処理は行っていない。再処理を導入すれば輸入依存の低減につながる可能性があるが、既存の使用済み燃料を含めた処理には200億~450億ドル(約2.9兆~6.5兆円)の投資が必要と見込まれる。報告書は、政策対応として許認可手続きの効率化、海外ウラン資産への投資、長期供給契約による需要確保、レーザー濃縮や再処理など次世代技術への研究開発投資などを提言した。また、各工程の整備には許認可や建設に長期間を要することから、早期の投資判断が重要になると指摘している。
19 May 2026
1035

ロシア国営原子力企業ロスアトムのA. リハチョフ総裁は5月12日、インドネシアを訪問し、同国のS. プラボウォ大統領と原子力発電プロジェクトの開発、人材育成、原子力の非エネルギー分野への応用など、原子力の平和利用における両国間協力の有望な分野について協議した。リハチョフ総裁は、「現在、インドネシアは原子力開発において野心的な目標を掲げており、技術面だけでなく、同国における新産業の育成、国内人材の育成、新たな専門能力の創出、そして同国の技術力の強化に焦点を当てた長期的なパートナーシップの構築についても議論している」と指摘。ロスアトムがインドネシアに対し、大規模な原子力発電施設から小型モジュール炉(SMR)や浮揚型原子力発電までを含む、同国の国家原子力プログラム開発に向けた包括的なアプローチを提供する用意があると強調した。両者はまた、群島国家というインドネシアの地理的特性を踏まえ、原子力発電をいかに電力システムに組み込むかについて特に注意を払った。このほか、リハチョフ総裁は、エネルギー・鉱物資源相、国家研究・イノベーション庁(BRIN)および国営電力会社PT PLNの幹部らとの会談も実施した。今年は両国の原子力産業における二国間協力の基礎となる「原子力の平和利用に関する協力に関する政府間協定」締結から20周年という節目となる。同協定は2006年12月1日に署名されている。2025年5月にエネルギー・鉱物資源省が発表した「電力供給事業計画(RUPTL)2025-2034」では、発電設備容量を6,950万kWe増強し、そのうち4,260万kWe(約61%)を再生可能エネルギーでまかなう計画で、総出力50万kWeの2基の原子力発電プラントの建設を盛り込んでいる。
18 May 2026
910

東京電力は5月20日、昨年度の実績と今年度の計画をまとめた「福島第二原子力発電所廃止措置実行計画2026」を公開した。東京電力はこの廃止措置実行計画を毎年更新し、計画の進捗や今後の予定を明らかにしている。2021年6月23日から始まった福島第二の廃止措置は、44年間で完了する計画となっており、四段階に分けられた工程のうち、現在は第一段階、10年かけて行う解体工事準備が進行中。第一段階の工程は、①汚染状況の調査、②核燃料物質による汚染の除去、③管理区域外設備の解体撤去、④核燃料物質の搬出、⑤廃棄物の処理処分から構成されている。昨年度は①汚染染状況の調査、③管理区域外設備の解体撤去、⑤廃棄物の処理処分で進展があった。汚染状況の調査に関して、4号機の放射化汚染の現場調査が行われ、格納容器の鋼材とコンクリート材13か所から計37試料を採取。今年度に外部の分析機関で分析が行われる予定。そのほか、2~4号機の炉内試料採取なども今年度予定されている。管理区域外設備については、3-4号機の薬液タンクが解体・撤去された。そのほか2号機軽油タンク・4号機主変圧器の解体撤去準備も行われた。今年度は2・4号機軽油タンクの解体撤去およびその準備作業、2~4号機ボンベ建屋の解体撤去が計画されている。廃棄物の処理処分では、ドラム缶に入れた固体廃棄物をモルタルで固型化するためのモルタル供給装置と、埋設される固体廃棄物ドラム缶が埋設基準を満たしているかの確認に使用する、低レベル放射性廃棄物搬出検査装置が昨年度竣工した。今年度以降、濃縮廃液や使用済樹脂の処分計画が進められる見込み。同社によると、一部工程の見直し等はあるものの、概ね計画通りに作業は進行しているという。
29 May 2026
326

原子力発電環境整備機構(NUMO)は5月20日、東京都小笠原村の南鳥島での文献調査実施に伴う事業計画の変更が経済産業省に認可されたと発表した。NUMOの2026事業年度事業計画に正式に盛り込まれ、全国で4例目となる文献調査が正式に開始された。NUMOは今後、文献調査計画書(5月12日付で公開)に基づき、南鳥島および周辺海域を対象に、地質図や学術論文など既存の文献・データを収集。地震や活断層、火山活動、鉱物資源の有無などについて評価を実施するほか、地震や活断層など地質環境に関する技術的評価に加え、土地利用規制など社会的・制度的な条件についても検討を行う。第三者として各分野の専門家(地層・地質、地層処分技術、船舶運航、南鳥島の自然環境の専門家)を招聘し、調査内容や進め方の妥当性を確認しながら、客観性・透明性の確保を図るとしている。また、中立性を重視した「対話を行う場」を設置し、地層処分の仕組みや文献調査の進捗などについて説明を行うほか、小笠原村の将来像等も含めた意見交換を進める方針。NUMOの山口彰理事長は同日、「特定放射性廃棄物の最終処分は日本社会全体で解決しなければならない重要課題」とコメント。小笠原村が示した要請事項についても国と連携して対応する考えを示した。
27 May 2026
924

電気事業連合会は5月22日、六ヶ所再処理工場に対しの今年度の竣工に向け、日本原燃への支援を拡充していることを明らかにした。国からの協力要請も踏まえ、新たに約30人を派遣。これまでの90人超と合わせ、派遣人員は約120人となった。電事連の森望会長は会見で、同工場の設計及び工事計画の認可に関する原子力規制委員会の審査会合が順調に進んでおり、あと1回の審査会合で説明が完了する見込みと述べた。その上で、日本の原子燃料サイクル政策を進めるにあたり、同工場の竣工と本格的な操業は重要な課題と強調し、今年度中の同工場竣工を目指して、マネジメント・技術の両面から日本原燃を引き続き支援する考えを示した。電事連は2022年に、竣工に向けた課題の把握と解決策の検討を目的として、「サイクル推進タスクフォース」を設置し、日本原燃を支援してきた。また、今年3月には地域共創と燃料サイクル施設との共生に寄与することを目的として、青森県六ヶ所村、日本原燃とともに、「一般社団法人六ヶ所みらい共創プロジェクト」の設立を明らかにしている。
26 May 2026
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「原発事故による帰還困難区域を抱える町村の協議会」は5月20日、経済産業省の山田賢司副大臣(原子力災害現地対策本部長)と会談し、当該地域の復興政策の着実な推進に向けた要望書を手交した。要望書では、帰還困難区域が抱える課題の解決に向け、大きく2項目について国の対応を求めた。同協議会の会長を務める双葉町の伊澤史朗町長は、山田副大臣に対し、経済産業省の職員らによる継続的な福島訪問に謝意を示した上で、「今なお長期避難を余儀なくされている住民がいる」と指摘。帰還を望む住民が一日も早く故郷へ戻ることができるよう、国の責任のもと全域の避難指示解除と地域の復興を前進させるよう求めた。帰還困難区域は現在、7市町村(南相馬市、富岡町、大熊町、双葉町、浪江町、葛尾村、飯舘村)の一部に区域が設定されている。2017年の法改正に基づく「特定復興再生拠点区域」に加え、2023年には拠点区域外でも住民帰還を目指す「特定帰還居住区域」制度が創設。各市町村が策定する復興再生計画に基づき、除染やインフラ整備などが進められているが、同協議会は、全域の避難指示解除には今なお課題が残ると指摘。住民同士の分断や、帰還の見通しを示せない地域における土地・家屋の扱いなどを例に挙げ、「生活環境の整備、産業の再生、営農再開、企業立地の促進など、さらなる復興を進めるためには、引き続き国の力強い関与が必要だ」と訴え、要請書を提出するとともに、国の考えをただした。要望書が定めた2項目は以下の通り。 ①将来的な避難指示解除の工程明示等(特定復興再生拠点区域以外の帰還困難区域について)②復興財源やインフラ支援の継続(原発事故による帰還困難区域を抱える町村の復興・再生について) ①について要望書では、特定帰還居住区域の避難指示解除や帰還困難区域全域の避難指示解除に向けた将来的なビジョンの明示を求めた。また、帰還困難区域内に残る土地・家屋の取り扱い方針の提示に加え、拠点区域外への立入規制緩和に伴う防犯対策の強化や住民への生活支援の継続を要請。さらに、帰還困難区域における森林の再生と活動自由化、除染土壌等の県外最終処分に向けた取組みの推進などを求めた。②に関する要望では、物価高騰や人件費上昇に伴う事業費増加を踏まえ、復興事業の停滞を招かないよう、柔軟かつ中長期的な財源確保を求めた。また、福島イノベーション・コースト構想の推進に加え、JR常磐線や常磐自動車道、主幹一般道などの基幹インフラについて、地域の実情やニーズを踏まえた機能強化への支援を要望した。このほか、地域間で偏りのない支援の実施や風評対策の強化、放射線量の測定および線量低減対策の継続なども求めた。これに対し山田副大臣は、事故から15年にわたり住民に負担をかけていることについて改めて陳謝した上で、「福島第一原子力発電所の安全かつ着実な廃炉と福島の復興は経済産業省の最重要課題だ」と強調。「将来的に帰還困難区域全域の避難指示解除を実現し、復興・再生に責任を持って取り組む決意に揺らぎはない」と述べた。その上で、「2020年代を通じて、帰還意向のある住民が皆、帰還できるよう全力で取り組む」と表明。「第3期復興・創生期間は福島復興に向けた正念場だ」との認識を示し、国として総力を挙げて復興施策を推進していく考えを示した。なお、政府は2026年度からの5年間を「第3期復興・創生期間」と位置付けており、同期間における復興事業費として約1.9兆円を見込んでいる。また同協議会は同日、経済産業省のほか、復興庁、農林水産省、国土交通省、環境省などの関係省庁を訪問し、要望活動を実施。各省庁の担当者らと意見交換を行い、復興・再生に向けた課題認識を共有した。
25 May 2026
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理系学生を対象とした業界研究セミナー「理系Career Design Forum」が4月19日、新宿NSビルにて開催された(主催:学情)。当日は、理系学生を積極採用する企業約60社が出展し、来場者数は600名を超えるなど、会場は賑わいを見せた。会場内には「エネルギー・インフラ業界エリア」が設けられ、日本原子力産業協会が同エリア全体を企画・運営。同協会の会員企業へ参加を呼びかけ、14社が出展した。日本原子力産業協会では例年、秋ごろに就職活動イベント「原子力産業セミナー」を開催している。一方で近年、会員企業から「より早い時期に学生と接点を持ちたい」との声が多く寄せられ、特に、夏のインターンシップが本格化する前に業界認知を進めたいというニーズが高まっていたことから、今回のブース出展につながったという。エネルギー・インフラ業界エリアに出展した日本原燃の金原裕己氏(人事部人財開発グループ課長)は、同イベントについて「原子燃料サイクルを初めて知ったという学生も多く、原子力産業界の魅力を知ってもらう良い機会になった」と振り返った。金原氏は、原子力産業界へ関心の薄い学生に対して、「国内で当社だけが担っている仕事があること」を伝えていると話し、同社が日本のエネルギー安定供給やバックエンド事業といった社会的課題に向き合っている点を強調。「使命感を持って取り組んでいる仕事だということを知ってほしい」と力強く語った。また、「当社はさまざまな専攻が活躍できる」としたうえ上で、「勤務地が青森県であるため、仕事面だけでなく、地域の魅力も含めて伝えていきたい」と話した。そして、採用活動では、「『事業への共感』を最も重視している」とし、「社会的意義をやりがいとして感じてくれる学生に来てほしい」と語り、今後、さらに学生との接点を増やしていきたいとの考えを示した。また、会場内の別ブースでは企業講演や就活支援講座が開かれ、中でも、アイリスオーヤマ、東日本旅客鉄道、日立製作所の3社による【3社が語る仕事のホンネセミナー】が注目を集めた。異業種の人事担当が、仕事内容や働き方、就職活動時の考え方などについて率直に語り合う形式で進行し、日立製作所の担当者は、原子力産業の魅力や社会的意義について語った。同企画に登壇した日立製作所の宮武明穂氏(人財統括本部 人事勤労本部 タレントアクイジション部)は、今回の【3社が語る仕事のホンネセミナー】について、「原子力業界を知らない学生層に、興味を持ってもらう入口として非常に意義がある」と語った。特に「普段出会えない学生層と接点を持つことができ、学生が共通して抱えている不安や疑問を再確認できた」と振り返った。そして宮武氏は、原子力産業界の人材確保に向けて、早い段階から接点を持つ必要があるとし、「大学1、2年生の段階から知ってもらうための活動をしていくことが重要だ」と強調。同社では現在、中高生向けの取組みも行っているという。また、「どの専攻でも活躍できるフィールドがあること、原子力事業における最新の取組みをお伝えすること、を重視して情報発信を行っている」と語った。具体的には、脱炭素化社会の実現やエネルギー安全保障の観点から世界的に原子力活用の機運が高まっている現状をデータとともに示し、社会に必要とされる仕事であり、大規模な社会貢献につながる産業であることを伝えているという。さらに、原子力分野では原子力専攻学生の減少や労働人口の縮小も課題になっているとし、「業界全体として継続的な情報発信と裾野拡大が必要」と強調。日本原子力産業協会等の業界団体とも連携しながら、原子力産業の理解促進と人材確保に取り組んでいく考えを示した。また日本原子力産業協会の増井秀企理事長は、【3社が語る仕事のホンネセミナー】について、「限られた時間の中でも、各社が自分たちの特長を出そうとしていた点が印象的だった」と振り返った。各登壇者が、用意された回答を読み上げるのではなく、自らの言葉で学生に語りかけていた点に触れ、「企業ごとの個性や、担当者自身の人柄、物事の捉え方まで伝わる内容になっていた」と評価した。特に、匿名で質問できるオープンチャット形式が採られたことにも言及し、「学生が手を挙げづらい中で、本音を引き出しやすい仕組みだった」と評価した。また、今回のようなエネルギー・インフラ業界全体を対象にしたブースについて、「当協会が主催している原子力産業セミナーとは異なる役割を持っている」と分析。「こうした場を入り口に、原子力分野へ関心を持った学生が、さらに同セミナーなどの専門性の高い場へ流れてくる可能性もある」との認識を示した。そのうえで、原子力業界の人材確保に向けて、幅広い層との接点を増やしていくことが重要だとの考えを示し、「こうした業界横断型イベントとの連携や補完関係は、今後さらに重要になっていく」との見方を示した。
22 May 2026
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総務省は5月15日、宮城県女川町から協議のあった、使用済み燃料税の新設に同意した。使用済み燃料の保管を課税の対象とし、税率は1kgあたり620円。年間で約2.9億円の税収を見込んでいる。課税期間は2026年度から2030年度までの5年間。東北電力の同意のもと、女川町議会では昨年12月25日に使用済み燃料に課税する条例案が賛成多数で可決されていた。条例の施行は5月20日に行われた。東北電力によると、昨年10月末時点で、女川2号機原子炉建屋内の使用済み燃料プールは、貯蔵率が約79%を超えており、女川発電所の敷地内に乾式貯蔵施設の新設を進めている。使用済み燃料税を既に導入している市町村は、新潟県柏崎市、愛媛県伊方町、佐賀県玄海町、鹿児島県薩摩川内市、青森県むつ市で、女川町は6例目にあたる。なお、茨城県も使用済み燃料の保管に課税を行っている。柏崎市では2020年度の使用済み燃料税の税収は6億6,084万円となり、柏崎市全体の事業費24億846万円のうち、約27%がまかなわれた。このほか、3月5日の静岡県御前崎市議会の一般質問で、使用済み燃料税に対する考えを問われた下村勝市長は、使用済み燃料税の調査研究を進め、方向性を定めていきたいと答えた。
22 May 2026
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2026年8月2~9日にサウジアラビアで開催予定の、第3回国際原子力科学オリンピック(INSO:International Nuclear Science Olympiad)に出場する日本代表選手が、4月21日に発表された。選ばれたのは、本田弘徽さん(私立麻布高等学校3年)、入山哉太さん(私立攻玉社高等学校2年)、長田知樹さん(私立灘高等学校3年)、霜崎洸我さん(広島大学附属高等学校2年)の4名。15歳から20歳未満を対象に、大学入学前で、高校または高専の在学生または卒業生という条件の元、出場者が一般公募され、44名の応募があった。その後、日本語と英語を使用した2回の筆記試験と日本原子力研究開発機構(茨城県東海村)での選手育成合宿を経て、代表選手が決定した。本番の大会で出題される問題は、5時間の理論部門と3.5時間の実験部門で分かれており、原子と原子核の構造、放射線、核分裂と核融合などの基礎のほか、環境、歴史や安全などの応用も含む幅広い分野が出題される。実験部門の多くは模擬実験形式で提示され、実験の実施そのもののほか、データ解析に関する理解も試される。設問は高等学校で学ぶ数学や物理を軸としつつ、「到達可能だが高難度」というバランスが重要視されている。INSOは国際原子力機関(IAEA)が企画し、2024年から始まった試み。単なる競技の場を超えた、アジア太平洋地域の原子力科学技術分野の人材育成に重要なものと位置付けられている。今大会には25か国から約100名が参加する見込み。昨年7月に行われた第2回大会では、日本代表4名全員がメダルを獲得した。
21 May 2026
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国際原子力機関(IAEA)は16日、ALPS処理水の海洋放出について、国際安全基準に沿って実施されていることを確認したと発表した。安全性レビューは5月11日から15日にかけて実施され、今回で6回目。過去5回の報告と同様、今回も問題は指摘されなかった。レビュー期間中、日本政府や福島県、東京電力は、発電所構内および周辺海域で実施しているモニタリングの概要や実績について説明した。IAEAタスクフォースは、これらが国際安全基準と整合しているかを中心に議論を行った。また、5月13日には、IAEAタスクフォースが福島第一原子力発電所を訪問し、発電所構内の「ブルーデッキ」から廃炉作業の進捗状況を確認したほか、ALPS処理水移送建屋や放水立坑など、ALPS処理水の海洋放出に関連するモニタリング設備を視察。さらに、タンク解体が進むエリアの現場確認も行ったという。安全性レビューは、2021年に日本政府とIAEAの間で署名された「ALPS処理水の取扱いの安全面のレビューに関する付託事項(TOR)」に基づき実施されている。IAEAは、自ら定める「IAEA安全基準」に則り、人と環境の保護の観点から、ALPS処理水の放出計画やモニタリング体制などについて確認・評価を実施している。こうしたレビューを通じ、IAEAタスクフォースは、海洋放出の安全性や透明性に関する国際社会の理解醸成に向けた役割を担っている。日本政府は、ALPS処理水の海洋放出について国際社会の理解を得る上で、IAEAによる独立したレビューが重要との認識を改めて示した。その上で、今後も中立性を重視するIAEAと緊密に連携しながら、ALPS処理水の海洋放出に関する理解醸成に取り組んでいく考えを強調した。
20 May 2026
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原子力規制委員会は5月13日、今年1月26日から2月6日に行われた、IAEAによる総合規制評価サービス(IRRS)ミッションの報告書を公開した。日本では2016年にIRRSミッション、2020年にそのフォローアップ・ミッションが実施され、今回はおよそ10年ぶりの実施となる。報告書で日本の規制の枠組みは、包括的で堅固と評され、IAEAの安全基準との高い整合性が確認された。規制委が実施する緊急事態への準備及び対応訓練の評価が良好事例として挙げられた。その一方、改善のための24件の勧告、19件の提言が示された。原子力規制委員会の、独立性、人材計画および戦略、内部監査、マネジメントシステムなどが勧告の対象となった。更に、グレーデッドアプローチ(リスクや重要度に応じて規制の厳しさを調整する)を規制プロセス全体に適用することで、規制システムの全体、特に許認可プロセスの実効性を高められると指摘した。また、5月14日に行われた、全国原子力発電所所在市町村協議会の年次総会に原子力規制庁の児嶋洋平次長が登壇。今回のIRRSミッションでの勧告に触れ、提言を踏まえて、規制委は安全のレベルを下げることなく、グレーデッドアプローチに基づく規制制度の改善に取り組むと述べた。IRRSは、IAEAが加盟国の要請に基づき原子力利用の安全確保に向け実施しているレビューサービスの一つ。専門家で構成されるレビューチームにより、対象国の原子力規制に関し、その許認可・検査に係る法制度、関係組織も含む幅広い課題について、規制当局や被規制者へのインタビュー、原子力施設への訪問などを通じた総合的レビューを実施し助言・勧告を行う。今回のチームは18名の専門家と5名のIAEAスタッフからなり、日本の原子力及び放射線安全に関する政府、法的、及び規制の枠組みをレビューした。レビュー範囲は、政府の責任と機能、規制機関の責任と機能、許認可など多岐に渡り、11の項目にまとめられた。なお報告書は、ミッション期間中に実施された政策に関する議論を含む12項目で構成されている。
19 May 2026
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原子力委員会は5月13日、日本原電執行役員の神谷昌伸氏より、「敦賀発電所2号機の再稼働審査に係るこれまでの経緯と追加調査について」の報告を受けた。同2号機は、1987年2月に営業運転を開始し、2011年5月まで約24年間稼働していたが、福島第一原子力発電所の事故を受けて運転を停止している。同機は2024年11月、原子力規制委員会の新規制基準適合性審査において、敷地内のD-1トレンチ内に認められるK断層の後期更新世以降の活動性を否定できない(約12~13万年前)こと、また、K断層が原子炉建屋直下を通過する破砕帯との連続性を否定できないことが指摘され、「新規制基準に適合しない」との判断がなされた。しかし日本原電は、安全性を確認した上で同機の再稼働を目指す意向を示している。神谷氏によると、同社では社外専門家の意見も参考にしながら、昨年10月より「K断層の分布と性状」、「K断層の活動性と連続性」、「その他破砕帯等の地質データ取得」に関する調査を実施している。そのために、発電所敷地内でのボーリング調査、立坑・横坑の掘削によって岩盤を直接観察する調査等を進めており、すでに立坑工事は工期終盤に入り、来月には横坑掘削が始まる予定だという。同社では、調査を通じてK断層等の性状をより詳細に調査し、再稼働に向けた再申請のためのデータを収集する方針だ。同委員会の後半、審査における当該断層の評価や追加調査の在り方について意見が交わされた。原子力委員らから、K断層の活動性や連続性をめぐる評価について、「どの範囲まで調査し、どのようなデータを示せば、当該断層の活動性や連続性を否定できるのか」「どういったデータを示せば再稼働に向けて必要なデータを揃えることが達成できたと言えるのか」との指摘があった。これに対し神谷氏は、追加調査やデータを着実に積み重ねながら、総合的に評価していく考えを示した。また、調査地点についても、「限られた調査地点から総合的に評価する必要があり、どこの地点を選定するのかが重要になる」と述べた。また、2年程度を見込んでいる追加調査の進捗について神谷氏は、「おおむね順調に進んでいる」とコメントした。さらに、長期の運転停止が続く原子力発電所の再稼働をめぐる地元の反応について、神谷氏は日本原電と地元自治体が築いてきた関係性に言及し、「当該地域にはさまざまな意見がある」と述べた。これに対し原子力委員からは、「規制側・事業者側の双方が、透明性をもって再稼働に向けたプロセスを進めていくことが重要」との意見があり、地域住民の理解醸成と信頼確保を進めていくことの重要性が共有された。また他の委員は、福島第一原子力発電所事故以降、原子力を巡るリスク評価が多角的に進められているとの認識を示したうえで、原子力発電所の再稼働を実現するためには、社会的なコンセンサス形成に向けた不断の努力が重要であり、引き続き丁寧な対話の継続を日本原電に求めた。
18 May 2026
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全国原子力発電所所在市町村協議会(全原協)の令和8年度総会が5月14日、都内で開催された。全原協の総会は、原子力発電所などが立地する会員・準会員の首長ら(28市町村)が出席し、前年度の事業・収支決算報告や新年度の事業計画案などを審議するとともに、国に対する原子力・エネルギー政策に関する提言について議論する場となっている。第1部では、全原協会長を務める敦賀市の米澤光治市長は冒頭挨拶にて、中東情勢不安定化等によるエネルギー安全保障上の課題に言及した上で、「脱炭素効果の高い原子力を活用していくことが重要だ」と強調。一方、中部電力浜岡原子力発電所の基準地震動をめぐる不適切事案について、「国民の信頼を裏切る行為であり誠に遺憾」と述べ、事業者による原因究明と再発防止、国による厳格な指導・審査徹底を求めた。また総会では、2026年度の活動方針として、①被災地の復興、②安全規制・防災対策、③原子力政策、④立地地域対策、の4項目が重点項目に掲げられ、具体的要望事項を国や関係機関に対して要請していくことで了承された。そして、全原協が昨年度立ち上げた「バックエンド問題に関する検討委員会」(委員長:女川町の須田義明町長)が取り纏めた「高レベル放射性廃棄物最終処分に係る提言書」の提出が了承された。同提言書では、文献調査・概要調査に進む際、都道府県知事や市町村長の反対があれば次段階へ進めない現行プロセスについて、「自治体負担が過大」と問題提起。国が主体的に候補地選定を進めること、また、制度・運用そのものの見直しを求めることで一致。これらを「原子力政策の最前線に立つ地元からの切実な声」として、国に対し真摯な対応を求めた。総会後半では、井野俊郎経済産業副大臣、清水真人文部科学大臣政務官が出席したほか、多数の国会議員、内閣府、原子力規制庁、国土交通省などの関係者らが出席し、立地地域との意見交換に臨んだ。今回の意見交換では、9市町村が発言。それぞれの発言後、関連機関の担当職員から回答があった。燃料サイクル政策に関しては、むつ市の齋藤友彦副市長が発言。同市に立地する中間貯蔵施設について、「原子燃料サイクル政策を支える国家的インフラ」と強調。一方で、「バックエンド施設の重要性に対する理解は十分とは言い難い」と述べ、国に対し、「燃料サイクルを支える全ての施設が公平に扱われるよう」求め、制度的支援の在り方について見解を示した。また、立地地域の産業振興策を巡っては、女川町の須田善明町長が発言。企業誘致向けに運用されている「F補助金」(原子力発電施設等周辺地域企業立地支援事業)について、地勢的制約から用地確保が難しい地域では「活用したくても活用できない自治体が少なくない」と指摘。「既存企業支援を後押しするF補助金と同等の制度が存在しない」点に言及し、新たな制度構築の必要性を訴えた。原子力防災を巡っては、石巻市の渡邉伸彦副市長が発言。既存の建物を改修した放射線防護対策施設について、雨漏りなど経年劣化が進行している現状を説明し、「放射線防護機能そのものに影響を及ぼしかねない」と指摘。その上で、既存施設の修繕にも交付金を適用できるよう、制度要件の緩和を要望した。発電所の廃止措置を巡っては、東海村の山田修村長が発言。東海発電所の廃止措置に触れながら、国に対し、廃炉技術や知見共有の必要性とその情報共有の仕組みづくりに関する考えを示した。そして、原子力発電所の再稼働と法の解釈を巡って、刈羽村議会の廣嶋一俊議長と柏崎市の櫻井雅浩市長が踏み込んだ提言を行った。廣嶋議長は、特重施設の設置期限延長方針について、「合理的な判断だ」と評価した一方、既に期限を迎えていたことを理由に対象外となった柏崎刈羽原子力発電所7号機について、「そのロジックを理解できない」と疑問を呈した。その上で、「柏崎刈羽7号機が再稼働できないことは宝の持ち腐れに等しい」と訴えた。また櫻井市長は、同発電所の再稼働の議論を振り返り、第7次エネルギー基本計画に盛り込まれた「立地地域の理解」について、「どの範囲を立地地域とするのか整理されていない」と述べた。同発電所の再稼働を巡っては、新潟県全域で公聴会や意見聴取が実施された一方、「県内には発電所から150km離れた自治体もある」と指摘。福井県や北海道など他地域の原子力発電所に当該距離を当てはめた場合の距離感にも言及し、「都道府県単位で一律に地元合意を求めることが合理的なのか疑問だ」と述べた。その上で、「原子力規制委員会が法に基づき安全性を認めたプラントが長期間稼働できないのは異常だ」と指摘し、これらが長引けば「国家的損失に等しい」との認識を示した。総会の終盤、原子力政策の推進と立地地域支援をめぐって、美浜町の戸嶋秀樹町長が発言。同じく福井県のおおい町の中塚寛町長が、F補助金や電源三法交付金の使途柔軟化など、意見を述べた。また、原子力防災インフラを巡って、同県の高浜町から西嶋久勝町長が発言。能登半島地震で道路寸断や孤立集落が発生した事例に触れ、「避難道路の多重化・強靭化は喫緊の課題だ」と訴えた。その上で、国道27号の青葉トンネル改良事業や、舞鶴若狭自動車道の4車線化について早期整備を要望。また、高浜発電所へ通じる県道の老朽化対策や、通信インフラ強化への支援も求めた。
15 May 2026
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関西電力は4月30日、2029年3月期まで3年間の中期経営計画を発表し、原子力分野では、美浜発電所のサイト内でのリプレースに向けた自主調査の実施、次世代革新炉の技術開発、原子燃料サイクルの推進を進めるとした。経営計画の中で、ゼロカーボン電源を強みの一つと位置付け、原子力事業を今後も最大限活用したい考えだ。そして、2040年に向け、需要増加や脱炭素化に対応する電源基盤の構築を進める方針を示した。更に原子力事業において、DXやAIの活用による業務効率化も進める。その中で、安全確保、効率化、人材育成を実現することを目標とする。今後3年間の具体的な施策としては、現場ネットワーク・発電設備の3Dマップの全プラント順次導入と活用、許認可データ基盤の整備・活用推進、AIの利活用による現場業務改善の定着を挙げた。美浜発電所について、昨年11月にはリプレースを見据えた地質調査が再開されており、2段階に分けられた調査は2030年ごろまで段階的に実施される予定。
14 May 2026
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