
国内NEWS
29 Jul 2026
134

エネ庁 50万kW以上電源へ融資方針 原子力など脱炭素電源優先
国内NEWS
29 Jul 2026
130

日本原燃 劣化ウラン貯蔵能力増強へ事前了解取得
国内NEWS
29 Jul 2026
398

令和8年熊本地震 近隣の3原子力発電所は異常なし 運転継続
国内NEWS
29 Jul 2026
143

放射線を「見て・測って・作って」学ぶ 科学の祭典で電事連ブース
海外NEWS
28 Jul 2026
367

現代E&C 米国の鉛ビスマス冷却高速炉導入に協力
国内NEWS
28 Jul 2026
349

増井理事長会見 行動指針案を評価 人材確保へ原子力産業セミナー開催
海外NEWS
27 Jul 2026
505

米国とサウジアラビアが原子力協定を締結
国内NEWS
27 Jul 2026
573

JAEA 原子炉の過酷事故時に生じる溶融物の挙動シミュレーションに成功

韓国の建設大手である現代E&C(現代建設)社は7月13日、米国の先進炉開発企業First American Nuclear Company(FANCO)と、FANCOが開発する鉛ビスマス冷却高速炉「EAGL-1」の実用化に向けた枠組み協定を締結した。EAGL-1は出力24万kWe級の第4世代鉛ビスマス冷却高速炉。米国で唯一、鉛ビスマス液体金属を冷却材とする小型モジュール炉(SMR)である。現代E&C社は、急速に成長する米国SMR市場において、グローバルなSMR事業基盤を強化する方針だ。両社は今後、タービン発電機などのBOP機器の最適設計や施工性の検討、モジュール化戦略など、事業初期段階での協力を進める。現代E&C社は将来的なEPC(設計・調達・建設)契約の獲得を視野に、プロジェクト初期段階から参画することで、建設コストや工期の最適化に貢献したい考え。FANCOは2025年11月、本社をインディアナ州に置き、州内に製造施設と原子力エネルギーパークの建設を進める計画を発表した。今後10年間で約40億ドル(約6,500億円)を投じ、約5,000人の雇用の創出を見込む。同州にとって原子力発電の導入は初。M. ブラウン知事は、同州をクリーンで信頼できる原子力発電のリーダーとしての地位を確固たるものにすると期待を表明している。FANCOは今年5月、カナダのエンジニアリング会社アトキンス・リアリス(AtkinsRéalis)社と20年間の戦略提携を締結しており、同社が設計や許認可、建設管理(EPCM)などを担う体制を構築している。今回の現代E&C社の参画により、技術・設計面を支えるアトキンス・リアリス社と、建設分野を担う現代E&C社が連携し、EAGL-1の実用化を加速させる方針。FANCOは米原子力規制委員会(NRC)に規制協議計画を提出済みで、商用化に向けた基盤整備を進めている。現代E&C社は、米ホルテック・インターナショナル社の「SMR-300」プロジェクトでの提携に続き、米テラパワー社のナトリウム冷却高速炉「Natrium」やオランダのトライズン(Thorizon)社の熔融塩炉「Thorizon One」など、海外の先進炉の開発企業からのオファーを受けてSMRや先進炉分野での事業拡大を進めており、今回のFANCOとの提携を通じて次世代原子力市場での競争力を強化し、グローバルな原子力EPC事業の拡大につなげていくとしている。「EAGL-1」は6基構成を標準とし、約150万世帯に電力供給が可能。工場で製造・組立て、モジュール化されているため、段階的に導入でき、柔軟に規模を拡大できる。鉛ビスマスは非常に高い沸点(約1,670℃)を持ち、電源喪失時にも炉心冷却を維持し、安全性を確保するのが特徴。また鉛ビスマスは鉛に比べて融点(約125℃)が低く、運転停止中の保温が容易。低圧で動作し、空気や水と触れても反応しないため、シンプルでコンパクトな原子炉設計が実現可能になるという。燃料には酸化ウラン(UO2)に加え、MOX燃料、超ウラン(TRU)燃料、回収ウランなどを利用。燃料を何度もリサイクル・再利用し、処理が困難な長寿命放射性廃棄物を95%以上減容するという。旧ソ連のアルファ級原子力潜水艦の動力炉として運用されていた実績がある。一方、ビスマスは生産地が限られ調達面で難があり、中性子を吸収すると非常に毒性の強いα線放出核種のポロニウム-210を生成するため被ばく管理に注意を払う必要がある。
28 Jul 2026
367

米エネルギー省(DOE)は7月22日、米国とサウジアラビアが民生用原子力協力に関する協定(通称123協定)、およびこれに伴う二国間保障措置協定を締結した。DOEのC. ライト長官とサウジアラビアのアブドルアジーズ・ビン・サルマン・エネルギー・産業・鉱物資源相が署名した。DOEは同協定を、数十年にわたる数十億ドル規模の協力の枠組みであり、サウジアラビアの原子力発電導入を米国製の技術と産業が支援する道を開くものと位置づける。DOEによると、本協定は2025年5月の大統領令「国家安全保障強化のための先進炉技術の導入」のうち、特に1954年原子力法第123条(改正)に基づく米国の民間原子力協力の国際パートナー拡大を支援する第8条(米国の原子力輸出促進)を基盤としている。米政府は、サウジアラビアの経済多角化や電力需要の拡大に対応するため、原子力安全、核セキュリティ、核不拡散の基準を堅持しながら、米企業が原子炉建設や関連インフラ整備に参画すると同時に、国内の原子力産業の育成や雇用拡大を図る方針。また、中東地域における米国の戦略的関与を強化し、中国やロシアに対する競争力を高めたい考えだ。サウジアラビア側も、原子力の平和利用におけるノウハウ、技術の交換を促進し、原子力安全、核セキュリティ、不拡散に関する国際基準を順守しながら、両国の相互利益に資する協力と投資の機会の拡大に期待を寄せている。本協定は今後、米議会での審議を経て正式に発効する見通し。現時点で協定本文は公開されていないが、D. トランプ米大統領は自身のソーシャルメディアで、協定ではサウジアラビアによるウラン濃縮を認めていないとしている。また、協定の承認の条件として、サウジアラビアが、「アブラハム合意」((2020年にイスラエルと複数のアラブ諸国が結んだ国交正常化協定の総称。2020年8月にアラブ首長国連邦(UAE)とイスラエルの間で締結された外交合意により、両国は平和条約を結び、国交を正常化。その後、バーレーン、スーダン、モロッコも同様にイスラエルとの関係正常化に踏み切り、合意の枠組みは複数国に拡大した。第一次トランプ政権の仲介によって実現した。))に加盟することが必須であると述べている。
27 Jul 2026
505

英EDFエナジー社は7月9日、イングランドのサフォーク州に所有・運転するサイズウェルB(SZB)原子力発電所(PWR単機, 125.0万kWe)の20年間の運転期間延長に向けて、英政府と差金決済契約(CfD)の締結で基本合意したことを明らかにした。同発電所は1995年に営業運転を開始。当初は2035年までの運転を予定していたが、英政府と2035年以降20年間、CfDの下でストライクプライス70.50ポンド/MWh(2025年価格ベース)を適用し、2055年まで運転を続ける方針である。今年後半にCfDを最終決定する予定。SZBは英国で稼働する原子炉の中で唯一の加圧水型炉(PWR)。年間平均90億kWhを発電、250万世帯に電力を供給し、英国の総電力需要の約3%を供給している。EDFエナジー社は今後15年間、18か月ごとの定検期間中に約8億ポンド(約1,740億円)をかけて大規模な改修工事を実施する。建設中のヒンクリー・ポイントC原子力発電所(欧州加圧水型炉: EPR、170万kW級×2基採用)に導入される新しい環境モニタリングシステムや自動プラント監視システムの導入に加え、サイト内の配管、バルブ、ポンプの交換や、詳細な技術分析やプラント点検を継続的に行うこととしている。また、EDFエナジー社の20%の株式を保有する、英エネルギー企業のセントリカ社から投資支援を受ける予定。この運転期間延長により、現地で約900名の熟練者の雇用を支える見込みだ。EDFエナジー社は現在、SZBを含め5サイトで計9基の原子炉を運転している。2025年の総発電電力量は329億kWhで、英国の総電力消費量の約12%を占めた。ランカシャー州にあるヘイシャムB発電所(1-2号機, 改良型ガス冷却炉: AGR, 各68.0万kWe)ならびにスコットランドにあるトーネス発電所(1-2号機, AGR, 各68.2万kWe)が当初2023年3月に閉鎖予定であったが、2024年12月の見直しに基づき、運転期間が2030年3月まで延長されている。また、当初2014年3月に閉鎖予定だったヘイシャムA発電所(1-2号機, AGR, 各62.5万kWe)ならびにティーズサイド地域にあるハートルプール発電所(1-2号機, AGR, 各65.5万kWe)は、2025年9月の見直しに基づき、2028年3月に閉鎖を予定していたが、7月22日、さらに2年間延長し、2030年3月まで運転することが決定された。これらAGR×8基の運転継続に向け、EDFエナジー社とセントリカ社は今後3年間(2026-2028年)で合計12億ポンド(約2,610億円)を投資することとしている。英国における原子力発電所の運転終了時期に関する決定は、規制当局や政府とは独立して行われるが、終了時期はあくまで予測であり、最終判断は定期的な黒鉛の検査結果を受け、EDFおよび原子力規制庁(ONR)が行う。AGRは、マグノックス炉と呼ばれる旧式のガス冷却炉(GCR)の改良型。EDFエナジー社は2009年、GCR以外の英国内すべての原子力発電所をブリティッシュ・エナジー社から取得。AGRはいずれも2023年初頭までに閉鎖する予定だった。一連の運転期間延長により現在、上記4サイトで運転中。その他、3サイト(ハンターストンB、ヒンクリー・ポイントB、ダンジネスB)は閉鎖済み。EDFエナジー社は、AGR寿命の継続的な検証により、さらなる運転延長が可能かどうか判断するとしている。
24 Jul 2026
455

国際エネルギー機関(IEA)は7月16日、年次報告書の2026年版「世界の重要鉱物見通し(Global Critical Minerals Outlook 2026)」を発表した。銅やリチウム、希土類(レアアース)など主要エネルギー鉱物の需給・投資動向を分析するとともに、「原子力サプライチェーン」を重点テーマの一つとして取り上げ、原子燃料サイクル全体を通じた供給保証について詳細に分析した。報告書は、原子力発電の再拡大によるウランおよび原子燃料サイクル全般にわたる多額の投資の必要性を指摘している。世界の原子力発電設備容量は2025年時点で約4億2,000万kW、建設中は約7,800万kWと過去30年で最高水準にある。IEAの公表政策シナリオ(STEPS)では、2050年までに設備容量は約8億kWまで拡大し、原子力発電量は倍増する見通し。こうした需要拡大への期待を背景にウラン価格は2020年以降大幅に上昇し、ウラン精鉱(U3O8)のスポット価格は酸化ウラン換算で1kg当たり約60米ドルから2024年には200米ドル超まで上昇した。報告書では「最も差し迫った制約は、採掘以降の工程、とりわけウラン転換の分野で顕在化している」とし、能力逼迫の解消には追加投資が不可欠と強調。濃縮能力も当面は充足するものの、中期的には需要増によりボトルネックになり得るとした。次世代炉向けの燃料供給も課題に挙げた。報告書によると、小型モジュール炉(SMR)などで使用が見込まれる燃料のHALEU (高アッセイ低濃縮ウラン)1は、濃縮度が高いほど燃料1トン当たりのウラン投入量が最大4倍、濃縮作業量が最大5倍に増えるケースもあるという。現在、商業規模のHALEUの供給はロシアと中国に限られ、多くのプロジェクトが本格供給を始めるのは2030年代初頭以降と見込まれることから、SMR導入需要との間にタイミングのギャップが生じる可能性があると指摘している。さらに燃料製造能力については、従来型燃料では概ね充足するが、認証済み燃料設計が限られるロシア型加圧水型炉(VVER)向け、とりわけVVER-1200炉には現在代替燃料の選択肢がなく、ロシアの国営原子力企業ロスアトム社傘下の燃料製造企業TVEL社への依存継続を課題としている。報告書はまた、原子燃料サイクル全体で供給が特定の国・地域に集中していることを安全保障上の重要リスクと位置付けた。上位3か国がウラン採掘では約4分の3、転換・濃縮能力ではそれぞれ約70%を占めていると分析。さらに、ロシアと中国という2大供給国を除くと、利用可能な転換能力は需要の80%、濃縮能力は約90%にとどまると試算した。短期的には在庫や長期契約で補えるものの、需要増を見据えれば供給源の多様化を急ぐ必要があると指摘した。さらに、原子力発電所は非ウラン鉱物の消費量こそ少ないものの、燃料被覆管に用いるジルコニウムや制御棒に使うハフニウムなど、サプライチェーンが高度に集中し、代替の限られる特殊鉱物にも依存している点もリスクとして挙げている。本報告書では、U235の濃縮度が8~20%の低濃縮ウランをHALEUとしている。↩︎
24 Jul 2026
678

米ニュージャージー州のM. シェリル知事は7月13日、同州の増大するエネルギー需要に応えるため、新規原子力発電所の建設に向けて競争的な調達プログラムを設定する法案(パワーNJ法)に署名した。州は少なくとも110万kWeの新規原子力発電の調達をめざす。同法案は超党派の支持を受けて、州議会の上下両院を全会一致で通過。電力料金高騰の現状やAI・データセンターなどによる電力需要の急増を見据え、安定した脱炭素電源として先進原子力を将来の電力供給の柱の一つに位置付け、競争プロセスを通じて具体的な導入プロジェクトの検討を本格化させる。米国では近年、電力需要の増加や脱炭素化の進展を背景に、原子力発電所の新設を制限してきた州レベルの「原子力モラトリアム(禁止・制限措置)」を見直す動きが広がっている。ニュージャージー州もその一つ。2026年4月、約50年間続いた実質的な新規原子力発電所の建設禁止措置を解除し、原子力タスクフォースを発足させた。資金調達、サプライチェーンと技術開発、労働力の育成と訓練、規制・許認可枠組み、住民の信頼醸成を重点5分野として、新たな原子力エネルギーの推進に取り組む。今回成立した調達制度の下で、州公益事業委員会(NJBPU)と州経済開発局(NJEDA)が共同で、先進炉を含む新規建設プロジェクトの開発事業者を競争入札方式で募集・評価する。同法案は電力料金支払者を強力に保護しているのが特徴で、プロジェクトが完成するまで、電力料金支払者に対して建設費用の負担やコスト超過の負担を負わせないと明言。開発事業者は発電開始後、信頼できる容量証書(Reliable Capacity Certificate: RCC、いわゆる安定供給能力)を変動する市場価格ではなく、予め交渉で定めた固定価格で小売電気事業者に販売する。固定価格による長期販売契約のため、事業の予見可能性を高め、投資促進が期待されている。NJBPUは2027年1月に開発事業者の募集を開始し、NJEDAと共同で仮選定された事業者とその後1年間かけて正確なコスト見積や価格面などの条件交渉を行い、2028年7月までに事業者を最終決定する方針である。決定の条件として、プロジェクトが電力料金支払者に正味の利益をもたらし、その負担コストが不当または過大ではないことや連邦政府からの資金調達を確保している必要がある。ニュージャージー州では現在、電力会社のPSEG社がセーレム原子力発電所(PWR×2基, 各120万kWe級)とホープクリーク原子力発電所(BWR単機, 124.0万kWe)の3基を運転中。原子力発電は、州内発電電力量の約4割、クリーン電力の8割を占め、稼働率90~95%の安定した運転を継続している。PSEG社は米原子力規制委員会(NRC)に対し、両発電所の運転認可更新申請を2027年第2四半期に提出する予定。承認されれば、セーレム1-2号機の運転期間はそれぞれ2056年と2060年に延長、ホープクリークの運転期間は2066年に延長され、いずれも80年運転の認可となる。
23 Jul 2026
550

フィンランドの小型モジュール炉(SMR)開発企業ステディ・エナジー(Steady Energy)社は7月3日、同社製の地域熱供給向け小型モジュール炉(SMR)「LDR-50(出力5万kWt)」に対する国際合同早期レビュー(Joint Early Review: JER)について同国の放射線・原子力安全庁(STUK)が取りまとめた概要報告を明らかにした。フィンランド、スウェーデン、ポーランド、チェコ、ウクライナの5か国の規制当局が、それぞれの安全規制に基づいてLDR-50の設計概念を評価した結果、各国の安全要件に従って開発を進める上で根本的な障害は確認されなかったと結論付けている。今回のJERは、ステディ社が概念設計に対する早期の規制当局からのフィードバックを目的に、STUKに要請して実施されたもの。5つの原子力安全規制当局-フィンランド放射線・原子力安全庁(STUK)、スウェーデン放射線安全局(SSM)、ポーランド国家原子力機関(PAA)、チェコ国家原子力安全局(SÚJB)、およびウクライナ国家原子力規制検査局(SNRIU)―が、それぞれの国内規制枠組みに照らして、LDR-50の原子炉コンセプトを独立して評価した。なお、JERは自発的かつ拘束力のない活動であり、共通の規制上の立場や拘束力のある決定を導き出すことを目的とはしていない。評価は、2025年初頭にステディ社が公開したLDR-50の設計文書と、同年夏に完了したSTUKによる概念設計の安全性評価に基づいて行われた。審査の結果、設計文書は初期の概念設計段階としては適切だが、許認可レベルの結論を下すには不十分とする一方で、どの規制当局においても、開発が次の段階へ進むことを妨げるような根本的な原子力安全上の問題は確認されなかった。また今回のレビューでは、多重防護を軸とした安全哲学や固有・受動的安全機能を広く採用し、事故初期段階で運転員の迅速な対応への依存を低減する設計を強みとして評価。一方で、今後の許認可に向けては詳細設計や安全解析、技術文書などの整備が必要とされた。今回のJERは、複数の規制当局が先進的なSMRのコンセプトを評価するにあたり、他の規制当局が実施した初期段階の安全性評価を参考資料に活用した先駆的な取組みである。ステディ社は、この経験が今後の国際的な規制協力の強化につながると期待しており、フィンランドおよび国際市場での実装に向けた詳細設計および将来の許認可手続きを念頭に、LDR-50の開発を引き続き推進していく方針だ。LDR-50は、地域暖房向け熱供給専用SMR。高さ約10mの地下埋設型で、複数の重要な安全機能を備え、地域暖房ネットワークに近い都市部での立地が可能である。現在、フィンランドのヘルシンキ、クオピオ、ケラヴァで3プロジェクトに取り組んでおり、昨年12月には、韓国最大の地域熱供給会社である韓国地域暖房公社と協力協定を締結。今年1月には、フィンランドの電力会社フォータム社とフィンランドとスウェーデンで運転・保守サービスの協力を得ることで合意している。
22 Jul 2026
559

リトアニアのイグナリナ原子力発電所(INPP)の廃止措置を進める国営企業Altraは7月8日、イグナリナ原子力発電所1-2号機(軽水冷却黒鉛減速炉: RBMK-1500×2基、各150万kWe)の炉心解体工事を対象とする国際入札を開始した。契約には、解体工法の設計、規制当局の許認可取得を支援、特殊装置の製造・供給、炉心解体作業、放射性廃棄物の管理までが含まれる。本事業は世界で初めてRBMK-1500を完全に廃止措置する事例となり、国際的にも前例のない大規模プロジェクトとなる。Altraは2027年に請負契約者を決定し、その後、設計・許認可取得を経て本格的な炉心解体に着手する計画だ。原子炉の中心部である炉心(R3ゾーンとも呼ばれる)は、断面が21m×21m、高さが25mの鉄筋コンクリートシャフト内に位置している。黒鉛スタックや周囲の金属構造物、および様々な充填材料(砂、砂利、砕石、スチールショットなど)で構成。2基の原子炉全体で、合計約25,500トンの資材の解体を想定している。資材の大部分は長寿命の放射性廃棄物で構成されており、解体作業は遠隔操作機器を用いて実施。解体プロセスは専門的な技術的知識を必要とし、厳格な原子力・放射線安全要件を満たさなければならない。なお、原子炉シャフトの上部構造および下部構造(それぞれR1およびR2ゾーンと呼ばれる)の解体および除染はAltra自身で実施している。R3解体の契約額は約4億ユーロ(742億円相当)と推定。欧州復興開発銀行(EBRD)が管理するイグナリナ国際廃止措置支援基金(IIDSF)を通じて、欧州委員会(EC)が資金を提供する。入札は、EBRDの電子調達ポータル(ECEPP)を通じて2段階で行われ、第1段階では参加者が技術提案書を提出し、第2段階では価格提案書を提出する。2027年に契約が締結される見込みだ。契約発効日からプロジェクトの完了までに約16年を要すると推定されている。同社は7月1日、発電所の管理区域内で初めて解体工事を開始すると発表した。対象は原子炉建屋ではなく、両機の気水分離器。同発電所の廃止作業の中でも最も技術的に複雑な作業の一つとされている。2024年の国際入札を通じて選定されたウェスチングハウス・エレクトリック・スウェーデンABとウェスチングハウス・エレクトリック・スペイン(S.A.U.)のコンソーシアムと原子力施設の廃止措置に実績のあるスロバキア企業ROBO Piešťanyが作業を開始する。本契約は、スウェーデン、スペイン、フランス、フィンランド、ドイツ、スロバキアの企業やコンソーシアムの参加による国際入札の結果である。気水分離器は長さ約30m、直径約3m、両機に合計8基が設置されており、合計重量は約6,000トン。放射線管理区域内での大規模な国際共同作業の第一歩となる。今後の炉心(R3ゾーン)解体に向けて経験の蓄積が期待されている。イグナリナ発電所は、リトアニアで稼働していた唯一の原子力発電所。1号機が1983年、2号機が1987年から稼働していたが、欧州連合(EU)は、ウクライナのチョルノービリ原子力発電所と同型であるRBMKの安全性への懸念から閉鎖を要求、リトアニアはEU加盟と引き換えに同発電所を2009年までに閉鎖した。同発電所は閉鎖されるまで、リトアニアの電力の70%を供給していた。イグナリナ発電所の廃止措置は即時解体方式を採用しており、原子炉の解体は2043年までに、原子炉建屋の最終的な原状回復を含むすべての廃止措置作業は2050年までに完了を予定している。
21 Jul 2026
574

アルゼンチンのA. ラビエル大統領報道官は7月7日の記者会見で、米企業のマイトナー・エナジー社が12億ドル(約1,940億円)を投じ、首都ブエノスアイレスから約120kmに位置するアトーチャ原子力発電所サイトに出力30万kWeの小型モジュール炉(SMR)を建設する計画を明らかにした。同計画は100%民間資本で資金調達されるもので、同国初の民間資本による原子炉建設となる。J. ミレイ大統領は2024年12月、同国の原子力計画を発表。まず、アトーチャ・サイトに新型SMRを建設して国内の電力需要を賄い、次に国内ウラン資源を開発して国内需要分を満たすとともに、高付加価値の燃料輸出国としての地位確立をめざす。最終的には、人工知能(AI)の普及に伴う電力需要の拡大を見据え、パタゴニア地域の冷涼な土地環境を活かして、アルゼンチンをデータセンターのハブとする構想を掲げている。アトーチャ・サイトに建設されるSMRは、同国リオネグロ州政府所有のハイテク企業INVAPが設計開発した第3世代+(プラス)の「ACR-300」(PWR, 30万kWe)。政府は最終的にアトーチャ・サイトに4基建設し、原子力発電設備容量をほぼ倍増させる計画である。アルゼンチンでは現在、アトーチャ発電所1-2号機(PHWR, 1号機: 36.2万kWe、2号機: 74.5万kWe)、エンバルセ発電所(PHWR単機, 65.6万kWe)が運転中で、原子力シェアは7.3%(2025年実績)。INVAPは2024年に米国でACR-300の特許を取得している。INVAPの米国登録企業ブラックリバーテクノロジー(BRT)(出資比率40%)が米企業アンサリ・グループ(出資比率60%)とともにマイトナー社の共同オーナーであり、マイトナー社はアルゼンチンの国産技術であるACR-300の商業展開・製造に関する権利と特許を共同保有している。アルゼンチンでは、同炉の開発、建設、試運転、運転の各段階で2,000名の直接雇用が創出される見込みだ。アトーチャ・サイトに隣接して、国産のSMR原型炉のCAREM25(PWR, 3.2万kWe)が2014年からCNEA(原子力委員会)によって建設されていたが、2019年に政府の支払遅延や設計変更等により工事は中断。2021年に新たな建設契約の締結により工事は再開され、2022年末時点で77%まで進捗していたが、その後の設計見直し、予算削減と人員削減を背景に、2024年9月から建設工事が再度中断された。現政権は、CAREMの開発・建設で培った技術を基盤に、新型SMRであるACR-300の開発を進めるとしている。国内企業や原子力関連企業と連携して大規模な原子力プロジェクトを遂行できる体制を整え、国内サプライチェーンを強化、将来的にはSMR技術や関連機器の輸出を推進する方針だ。
17 Jul 2026
638

医療や産業向けの原子力電源を開発する米企業City Labsは7月7日、トリチウムを利用した超小型電源を搭載する人工衛星「BOHR(Betavoltaic Orbital High-Reliability)」を、米宇宙企業SpaceX社のライドシェア(相乗り)打ち上げミッション「Transporter-17」で打ち上げたと発表した。City Labs社によると、民間企業が開発した商業用原子力電源を搭載する衛星としては世界初となる。今回打ち上げられたBOHRには、同社が開発した「NanoTritium」と呼ばれる超小型電源が搭載されている。トリチウムが自然に放出するベータ線を半導体で直接電気に変換する仕組みとなっている。発電量は小さいものの、装置を小型化しやすく、長期間にわたり安定して電力を供給できることが特徴だ。衛星はSpaceXのファルコン9ロケットで打ち上げられ、軌道上で電源性能の実証を行う。衛星本体の運用には従来の太陽電池を使用し、NanoTritiumは搭載した実験機器への電力供給に用いられる。宇宙では太陽光が利用できない場面が少なくないことから、放射性同位体を利用した電源が長年活用されてきた。惑星探査機「ボイジャー」は、プルトニウム238の崩壊熱を電気に変える放射性同位体熱電気転換器(RTG)を搭載し、50年近くにわたり稼働を続けている。BOHRは、こうした宇宙用原子力電源を小型衛星向けに応用し、民間利用への展開を目指す。またBOHRは、米連邦航空局(FAA)の原子力打ち上げ承認制度を利用した初の商業ミッションとなった。打ち上げに必要な安全審査を経て認可を取得したことも、商業利用に向けた大きな前進となる。
17 Jul 2026
898

ハンガリーの首都ブダペスト市で地域熱供給を運営するブダペスト公共事業会社(BKM)は7月1日、ブダペスト工科経済大学と共同で、パクシュ原子力発電所の廃熱をブダペストの地域暖房に利用する可能性に関する調査を開始したことを明らかにした。パクシュ発電所とブダペストの地域熱供給網を結ぶ長距離熱供給パイプラインの技術的・経済的な実現可能性を評価し、将来の投資判断の基礎資料にしたい考え。パクシュ発電所は、旧ソ連時代に建設されたロシア製PWR=VVER-440、各50万kWe級×4基構成の同国唯一の原子力発電所。1983~87年に運転を開始し、同国の総発電電力量の約5割を供給している。公式運転期間の30年を超過したため運転期間が20年延長され、同サイトに隣接して建設中のパクシュⅡ(ロシア製VVER-1200, 各120万kWe×2基)に順次リプレースしていく方針。発電所が所在するパクシュ市では1980年代から発電所の熱を地域暖房に利用しており、その実績を広域利用に発展させる構想である。原子炉で発生する熱の一部は発電に利用されず、冷却水を通じてドナウ川へ放出されている。今夏の欧州を襲う熱波により、パクシュ発電所では6月末~7月上旬にかけて、河川の水温に関する環境規制への対応から出力制限を行っている。BKMによると、ブダペストの地域暖房システムの冬季ピーク需要は約100万kWtで、夏季においても家庭用温水の熱需要は約10万kWtある。パクシュ発電所から発生する熱(温水)は、地域暖房用の輸送パイプライン約125kmを経由し、年間を通じて首都のニーズの大部分を提供できる可能性があるとしている。過去数十年の間に熱供給パイプライン技術は大きく進歩しており、熱損失は最小限に抑えられ、プロジェクトの経済性に実質的な影響を与えることはないという。また、再生可能エネルギー発電の割合の増加に伴い、国内の電力系統の制御が課題となる中、余った電力を温水などの熱に変換して蓄えるなど、高い柔軟性と蓄熱能力を備えた地域熱供給システムが電力系統の需給調整になると指摘している。このパイプライン構想が実現すれば、ドナウ川の水温上昇の抑制や電力系統の安定化に加え、CO₂排出量の大幅な削減や、天然ガス輸入依存(輸入ガスの74%がロシア産)の緩和が期待されている。また、パクシュとブダペストを結ぶパイプライン沿線の都市の地域熱供給システムや産業用需要家の接続も可能であり、エネルギー効率と経済効率の向上が見込まれている。BKMは、近年の夏季高温による原子力発電所の運転への影響やエネルギー安全保障の重要性の高まりを背景に、本構想が「今まさに検討すべき段階にある」としている。予備的な試算では、本構想の実現により、年間約3億㎥の天然ガスの輸入を代替すると予測している。調査は今年第4四半期に完了予定。
16 Jul 2026
550

米ホルテック・インターナショナル社は7月2日、ミシガン州南西部にあるパリセード原子力発電所(PWR, 85.7万kW)の運転再開プロジェクトが大きな節目を迎えたと発表した。主要な改修・更新工事はすべて完了し、現在は保守点検や各種試験、検査、運転準備など最終段階の作業へ移行。運転開始に向けた仕上げのフェーズに入ったとしている。ホルテック社は、長期にわたり安全かつ安定して運転できる準備が整った時点で運転再開すると説明しており、具体的な運転開始予定日は示していない。最終段階において、タービン・発電機を大規模点検・補修後にターニングギアで低速回転させる段階への移行、新型燃料取扱機の据付・試験完了などを達成。また、原子炉圧力容器の検査、原子炉容器上蓋の重要機器の交換、原子炉冷却系の配管内部の化学洗浄や腐食防止処理、蒸気発生器の熱交換管の補修と内部洗浄、新燃料の受入れ・検査に加え、運転員の再教育・再資格取得など、運転再開に必要な重要工事や準備を完了した。当初は2025年末~2026年初めにかけて送電開始を予定していたが、大がかりな工事により運転再開は遅延している。今後は運転指令センター(OCC)が中心となり、安全な起動に向けて、24時間体制で残る試験や確認作業を進めていくとしている。米原子力規制委員会(NRC)は2025年7月、技術審査を完了し運転再開に必要な主要許認可および規制措置を承認したが、原子炉を起動するには、最終的な試験や点検、保守を終え、NRCの検査・監督により、すべてが安全基準を満たしていると確認される必要がある。パリセード発電所は1971年に営業運転を開始。2022年5月の永久閉鎖後、翌6月に当時の所有・運転者であったエンタジー社からホルテック社に売却された。当初は廃止措置を前提とした取得だったが、脱炭素化の動きや新たに電力販売契約が成立したことなどにより採算性の見通しが立ち、方針を転換。ホルテック社は運転再開に向けた整備作業を進めるにあたり、米エネルギー省(DOE)から最大15.2億ドル(約2,400億円)の融資保証や州政府の支援を受けている。NRC委員や超党派の議員代表団も視察に訪れるなど、運転再開への関心も高い。ホルテック社は、すべての連邦規制要件と業界基準を満たしたうえで、運転再開を目指すとしており、このプロジェクトは米国初の商業炉の運転再開事例として、今後のモデルケースになると期待を示している。
15 Jul 2026
714

スウェーデンの先進炉開発企業であるブリカラ(Blykalla)社は6月29日、同社が開発する鉛冷却型の先進モジュール炉(AMR)の導入に向けて、日立エナジー社と長期的な協業の可能性を検討する覚書を締結した。ブリカラ社の先進的な原子炉技術と、日立エナジー社の電化、系統連系、エネルギー業界向けソフトウェアの専門知識を組合わせ、電気および系統連系の最適化を共同で進めていく。本協業では、系統接続およびネットワーク統合の概念設計、発電所内電気系統の設計、建設・運用に向けたデジタルツールの導入に重点に置き、日立エナジー社は自社ソリューションを小型モジュール炉(SMR)向けの標準ソリューションとして組み込んでいきたい考え。ブリカラ社のJ. ステッドマンCEOは、「日立エナジー社は当社技術の市場展開を支える重要なパートナー」と述べ、両社はそれぞれの強みである原子炉技術と電気インフラ向けソリューションを組合わせ、持続可能で安全かつ強靭なエネルギーシステムへの移行に貢献すると強調。データセンターやエネルギー集約型産業などへの脱炭素のベースロード電力の供給を通じて、産業の成長を支えたいとしている。ブリカラ社が開発を進めるAMRは鉛冷却高速炉「SEALER(5.5万kWe)」。小型のモジュール設計を採用し、出力拡張にも対応する。同社は、独自開発したアルミニウム添加鋼材により、液体鉛環境下での耐腐食性を向上させたとしている。鉛冷却方式については、高い冷却性能や柔軟な立地対応が可能で、産業施設との併設にも適すると説明している。首都ストックホルムの北約200kmに位置するノルスンデット(Norrsundet)に、同国初となる「SEALER」を6基、合計33.0万kWeの商用発電所を建設予定。
14 Jul 2026
560

経済産業省・資源エネルギー庁は7月28日、国の財政投融資を財源とする電力広域的運営推進機関(OCCTO)による、融資対象を出力50万kW以上の発電設備とし、原子力など長期脱炭素電源オークションの対象となる脱炭素電源を優先的に支援する方針を示した。なお出力については、合計出力での判断とする場合もある。今回の融資制度は電力の安定供給確保に向け、資金調達が困難な、長期かつ大規模な電源・送電線への整備を促進するためのもので、7月に成立した改正電気事業法に創設が盛り込まれた。融資総額はプロジェクト全体の融資総額の3割程度とするが、投資額が巨額となる案件については、柔軟な上限設定も検討する。金利水準は民間金融機関並みで、電源・系統への設備投資の回収期間が長期に及ぶことを鑑み、融資期間は民間よりも長期の期間も認める。そのほかに融資対象として認定するための認定要件の候補として、サプライチェーン・人材確保を含む事業計画の実現可能性や償還確実性を含む資金・返済計画の蓋然性、民間金融機関の活用状況などが挙げられた。さらに、長期脱炭素オークションの落札案件であること、長期PPA(電力購入契約)案件であることは、償還確実性が高いと評価される。2026年度および2027年度の融資について、計画認定後の融資審査、契約手続き、経済産業大臣への意見照会等の必要手続きに4か月程度を要することを踏まえ、来月8月頃から事前相談受付開始を見据えており、2026年度分については2027年3月の融資実行を予定する。政府の「今後の原子力政策の方向性と行動指針(案)」でも、脱炭素電源投資支援に資する制度措置の検討・具体化が記載されており、本制度が民間事業者にとって使いやすい制度となることが期待される。
29 Jul 2026
134

日本原燃は7月24日、青森県と六ヶ所村から、六ヶ所ウラン濃縮工場の新増設等計画書について事前了解を取得したと発表した。同計画書は、安全協定に基づき、5月に県と村へ提出していた。今後準備が整い次第、原子力規制委員会に事業変更許可申請を行う。今回の計画では、天然ウランから濃縮ウランを生産する過程で発生する劣化ウランの貯蔵能力を増強するため、劣化ウランが充填されたシリンダを置くための置き台を1段積みから2段積みに変更し、さらに空きスペースに置き台を増設する。今回の変更により、シリンダの貯蔵本数は362本増の1,584本となり、最大貯蔵能力に達する時期は2035年1月頃とされている。従来の貯蔵方法のままでは、2028年12月に最大貯蔵能力の1,222本に達する見込みだった。同社は劣化ウランを将来的にMOX燃料の原料等として利用するために貯蔵しており、ウラン濃縮工場の操業規模の拡大などに伴い、これまでも劣化ウランの貯蔵能力を増強してきた。1988年には210本だったが、1993年の許可取得により1,062本になり、さらに2006年の許可取得で1,222本となった。現在、ウラン濃縮工場の濃縮能力は年間150tSWU規模であり、今後、遠心分離機の更新作業が完了する2028年度中にさらに300tSWU拡大し、年間450tSWUになる見込み。
29 Jul 2026
130

7月28日午後4時27分頃、熊本県熊本地方の深さ16kmを震源とするマグニチュード7.1の地震(令和8年熊本地震)が発生した。熊本県の宇城市と氷川町で震度7を観測したほか、熊本市内で震度6強、鹿児島県薩摩川内市で震度5強を観測した。その後も、断続的に余震と見られる地震が、現時点で150回以上発生している。九州電力によると、佐賀県唐津市にある玄海原子力発電所(PWR、118.0万kWe×2基)、鹿児島県薩摩川内市にある川内原子力発電所(PWR、89.0万kWe×2基)で異常は確認されておらず、通常通り運転を継続している。四国電力も、愛媛県伊方町にある伊方原子力発電所(PWR、89.0万kWe)で異常は確認されておらず、通常通り運転を継続していると発表した。
29 Jul 2026
398

子どもたちに科学の魅力を伝えるイベント「青少年のための科学の祭典2026全国大会」が7月25、26日に科学技術館(東京都千代田区)で開かれ、電気事業連合会(電事連)が出展した。電事連は「エネルギー」と「放射線」をテーマにブースを設け、多くの来場者を集めた。「青少年のための科学の祭典」は、30年以上続く科学体験イベント。全国大会には各地から選ばれた実演者が集まり、多彩な実験や工作が並ぶ。電事連は、公益財団法人日本科学技術振興財団と共同で出展し、体験型展示とステージショーでエネルギーや放射線を分かりやすく紹介した。放射線ブースでは、太陽や花こう岩、食品などを配置したジオラマ「箱庭」に、放射線を出すものに見立てた磁石を設置。磁石の強さを変えることで、放射線量の違いを疑似的に体感できるよう工夫した。子どもたちは探索器を近づけながら、身の回りに放射線を出すものが存在することを疑似体験した。続いて、花こう岩や湯の花などの実物試料を簡易放射線測定器で測定し、自然放射線の存在を確かめた。最後に、陽子と中性子を模したビーズで「原子核ストラップ」を製作し、原子核の構造と放射線との関係を学んだ。ミニステージショーは電気エネルギーやSDGsなどをテーマにした3種類のプログラムを実施した。手回し発電機によるエネルギー変換の実験や簡易発電機の工作など、マジックショーさながらの軽快な進行に、子どもたちは歓声を上げながら見入っていた。電事連の広報担当者は「子どもたちはステージでの実験を毎年楽しんでくれている。電気や放射線は難しいと思われがちだが、身近な存在であり、知ると面白いことがたくさんある。興味を持つきっかけになれば」と話した。参加した小学生は「太陽からも放射線が出ていると知って驚いた」、一緒に訪れた保護者は「磁石を使った模型が分かりやすく、放射線を身近に感じた」と感想を語った。会場内ではこのほか、原子力発電環境整備機構(NUMO)と東京電力ホールディングスも出展した。NUMOは地層処分の緩衝材として使われる粘土「ベントナイト」の性質を伝える実験を実施。東京電力ホールディングスは、水素やトリチウムなどの分子模型を作る工作教室を開いた。各社が体験型プログラムを通じ、子どもたちが科学やエネルギーへの理解を深める機会となった。
29 Jul 2026
143

日本原子力産業協会の増井秀企理事長は7月24日、理事長会見を行い、記者団からの質疑に応じた。増井理事長はまず、このほど公表した「今後の原子力政策の方向性と行動指針(案)」に対する意見提出(パブリックコメント)について説明。増井理事長は、これまで要望してきた①原子力発電の将来像として必要な設備容量と時期を中期と長期の段階で示すこと、②投資回収や融資制度を含め、事業者が投資判断できる事業環境を速やかに整備すること、③原子力人材基盤の維持強化を行動指針の柱として位置づけること、④新設に向けた設置許可申請以前のプロセスを明確にすること――が概ね反映されたと歓迎した。とりわけ、「2040年代までに最大5基、2050年代までに2040年代分を含め最大14基」と、建て替えに必要な設備容量の具体的な導入目標が2段階で示されたことを「大変意義深い」と評価した。続いて増井理事長は、人材確保の取組みについて説明。合同企業説明会「原子力産業セミナー」を9月から東京を皮切りに、大阪、仙台、福岡で順次開催すると紹介した。初開催となる仙台については、同セミナーへの関心の高まりに加え、会員企業の多くが人材確保を課題としていることから開催地に選定したとした。また、増井理事長は人材の「確保」と「育成」の両面に取り組んでいると強調。原子力産業セミナーは人材確保の施策である一方、人材育成の施策として、学生向けの出前授業などエネルギー教育の実施や教員への理解促進、産官学連携による人材育成体制の構築などを進めていると述べた。さらに、産官学の司令塔機能の整備を進めており、9月末頃を目途に一定のとりまとめを行う予定であることも明らかにした。会見後半、記者から米国での原子力事業について日本企業がオーナーとして参画する際の負担や政府に求める支援について問われた増井理事長は、米国では原子力発電所の所有者と運転事業者が分かれるケースがあり、電力会社が所有と運転を一括で行う日本とは仕組みが大きく異なると指摘した。そのうえで、日本企業がオーナーとして参画する場合には、事故時の責任範囲や負担の在り方を明確にする必要があると説明。自身が専門委員を務める原子力小委員会では、米国への大型投資は、日本企業にとって大きなビジネスチャンスである一方、事故時の責任や建設費が当初計画を上回った場合の追加負担などについて、日本企業に過大な負担が生じないよう制度設計を求めていると述べた。そのほか、日本における80年運転の実現可能性について問われた増井理事長は、技術的には可能との認識を示した一方、実際の運転期間については個々のプラントにおける判断が必要であり、知見の蓄積と議論が必要との考えを示した。
28 Jul 2026
349

日本原子力研究開発機構(JAEA)は7月23日、原子炉の過酷事故に、燃料を含む金属や制御棒などが溶けて生じる溶融物の流れ方の3次元でのシミュレーションに成功したと発表した。過酷事故での炉内溶融物の挙動を数値シミュレーションで再現したのは世界初。JAEAは2018年に、福島第一原子力発電所事故の解明への支援を目的として、シミュレーションコード「JUPITER(三次元多相多成分詳細熱流動解析コード)」を発表し、以後も改良を続けてきた。JUPITERは構造物の簡略化を行わないシミュレーションコードであり、BWR、PWRなど原子炉の種類に依存せず、シミュレーションを実施することが出来る。さらに、炉内構造物や熱の影響を精緻に計算し、高精度かつ実態に即したシミュレーションとなる点が特徴だが、過酷事故時の原子炉内溶融物の挙動をどの程度再現できるかは、難易度の高い取り組みなこともあり、これまで十分に確認出来ていなかった。今回は、米国のサンディア国立研究所が1995年に実施した、BWR模擬燃料集合体を用いた溶融物の流動観察実験と同じ条件を設定し、JUPITERで数値シミュレーションを行うことで、JUPITARの溶融物挙動のシミュレーションの正確性を検証。その結果、溶融物の流動経路や滞留物の量(体積)などが整合することが確認出来たという。溶融物が上部から下部へ複雑に流れ落ちる様子を、3Dで可視化することにも成功した。今回の結果からJUPITERを用いた仮想環境内で、溶融物の状況を視覚化することで、事故進展評価の高度化に貢献することが期待できる。JAEAは今後、次世代革新炉の安全性向上への貢献に向けた開発と、定常運転時の炉内熱流動現象への適用性検証も進めるとしている。
27 Jul 2026
573

福島県富岡町と産経新聞社は、富岡町の復興応援を目的として、富岡町の特産品を使ったスイーツのアイデアを競う学生対象のコンテスト「スイーツ甲子園 ふくしま富岡町レシピチャレンジ」の開催を決定し、レシピの募集を開始した。2026年4月時点で高等学校、大学・大学院、各種専門学校に在籍している生徒・学生を対象とし、「生菓子スイーツ部門」と、「焼き菓子スイーツ部門」の2部門でレシピを募集する。レシピのテーマは「富岡町の魅力がいっぱい詰まったスイーツ」で、特産品であるパッションフルーツ、ぶどう、玉ねぎ、ワインなどの「テーマ食材」のうち1種類以上使用する必要がある。審査は麴町の「PATISSIER SHIMA(パティシエ・シマ)」のオーナーシェフである島田徹氏が担当し、各部門の最優秀賞受賞者には副賞として島田氏と共同で、富岡町の特産品を使ったスイーツを開発する権利が贈られる。開発したスイーツは、東京都内で開かれるイベントなどで実際に販売されるほか、最優秀賞受賞者は「ふくしま富岡町PR大使」にも任命され、富岡町への視察旅行なども予定されている。各種条件を満たせば、webの専用応募フォームから応募可能。9月4日締切。
24 Jul 2026
324

福井県議会は7月21日、県内に原子力発電所を有する電気事業者に課している核燃料税の税率を引き上げる条例案を可決した。引き上げたのは価格割((発電用原子炉に挿入された原子燃料に課す))、出力割((熱出力に課すが、廃止措置中の税率は2分の1))、搬出促進割((5年を超えて貯蔵されている使用済み燃料に課す))の3種全て。いずれも全国最高税率。価格割は従来の原子燃料の価額の8.5%から9.0%に、出力割は1,000kWにつき年間204,800円から260,000円に、搬出促進割は重量1kgあたり1,500円から2,000円に変更となる。なお、出力割の廃止措置期間の軽減税率に変更はない。県は今回の引き上げの理由について、「持続可能な立地地域を作るための財政需要が増大している」ためとしている。福井県の2024年度の核燃料税の総額は127.3億円で、内訳は価格割が15.1億円、出力割が58.9億円、搬出促進割が53.3億円。核燃料税は、1976年に福井県が全国で初めて導入した法定外普通税((地方自治体が独自の条例で定める、使い道が自由な税))。福井県では、原子力安全対策のほか、河川や港湾等の整備、農林水産業支援、子育て支援などに使用されている。県は5年ごとに核燃料税条例の見直しを行っており、現行条例の課税期間は2026年11月9日まで。今後、県は総務省と協議を進め、総務大臣が同意すれば11月10日から条例施行となる。
24 Jul 2026
566

政府は7月21日、「経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)」と「日本成長戦略」を閣議決定した。骨太の方針の中では、安全性の確保や地域の理解を大前提に、原子炉の再稼働加速や次世代革新炉の開発・設置に取り組むことが明記され、フュージョンエネルギーの早期社会実装も目指すとした。これに加え、次世代革新炉は、フュージョンエネルギーとともに日本成長戦略における「戦略17分野」のひとつに位置付けられ、官民投資ロードマップが作成された。「戦略17分野」では、複数年度での予算措置の活用、政府調達や規制改革を通じた初期需要の創出、研究開発から社会実装までの一気通貫の支援、税制・金融面からの大胆な後押しなどが予定されている。このほか、骨太の方針には、再処理施設稼働を見据えた独立行政法人の設置等保障措置の枠組みの強化や、原子力の安全規制の見直しも今後検討され、次期通常国会での法案提出を目指すことが記載された。さらに、避難道路の整備を含めた原子力防災体制の充実や最終処分に係る調査地域の拡大にも取り組む。なお、福島第一原子力発電所事故からの復興・再生に関しても、AIやロボット技術の開発・実証を行って廃炉を着実に進めることが盛り込まれた。
23 Jul 2026
1259

原子力規制委員会(規制委)は7月16日、東京電力柏崎刈羽原子力発電所6号機(ABWR、135.6万kWe)の長期施設管理計画認可申請に関する審査会合を開いた。6号機は改良型沸騰水型軽水炉で、同型炉の長期施設管理計画が審査されるのは初めて。東京電力がこれまでの指摘事項への回答を説明し、規制側は現時点で必要な技術的論点を確認できたとの認識を示した。今後は申請書の補正内容や補足説明資料への反映をヒアリングで確認する。長期施設管理計画は、運転開始から30年を超えて運転する場合に10年ごとの認可が必要となる制度で、6号機は今年11月に運転開始30年を迎える。今回の審査の焦点は、ABWRの設計上の特徴を長期運転の劣化評価にどう反映するかだった。東京電力は、原子炉格納容器や原子炉冷却材再循環ポンプなどに設計上の特徴がある一方、劣化評価には実績のある手法や規格基準を適用でき、長期施設管理計画における劣化評価として特異性はないと整理。給水系・復水系配管の耐震評価や上部格子板グリッドプレートの点検計画などを示し、規制側はこれらの技術的論点を確認できたとした。一方で規制側は、格納容器の評価対象部位や劣化事象の記載を明確化・拡充するよう求めたほか、申請書の記載漏れや配管解析の委託作業に関する記載誤りにも触れ、適切な体制の下で補正書を作成するよう要請した。東京電力は、7月中に補正方針を示した上で最終的な補正を行う考えだ。
22 Jul 2026
824

核融合発電の実現を目指すスタートアップ、スターライトエンジンは7月15日、2030年代の発電実証を目指す「FAST(Fusion by Advanced Superconducting Tokamak)」プロジェクトについて、実証プラントの建設候補地の公募を開始した。民間が主導する核融合発電実証炉の候補地を全国公募する取組みは国内で初めてとなる。 FASTは、京都フュージョニアリングがプロジェクトリーダーを務める産学連携の核融合発電実証プロジェクト。トカマク型を採用し、2035年の運転開始、2038年の発電実証を経て、2040年代の商用化を目指す。スターライトエンジンは、同プロジェクトを推進するため2025年に設立された。 公募の対象は都道府県と政令指定都市で、募集期間は10月15日まで。公募後は自治体との対話や現地調査などを経て選定を進め、2028年までの候補地決定を予定している。2025年から日本立地センターを通じて実施した予備的調査では、すでに17の広域自治体が関心を示しているという。 また同社は同日、設立以来初となる資金調達を実施し、第三者割当増資により17の企業・団体から総額60.6億円を調達した。FASTプロジェクトは2025年11月に概念設計を完了しており、今回調達した資金は、工学設計フェーズにおける研究開発のほか、サイト選定・規制対応、サプライチェーン構築、人材・組織体制の強化などに充てる。 今回の資金調達には関西電力グループのK4V Vital Platform Fundも参加した。関西電力の桑野理・執行役常務は、「将来の電源のゼロカーボン化を見据えた探索の一環として、フュージョンエネルギーに関する知見の獲得や技術開発への協力に取り組む」とコメントしている。
21 Jul 2026
949

政府は7月14日、「統合イノベーション戦略2026」を閣議決定した。「統合イノベーション戦略」は、科学技術・イノベーション基本計画に基づき、2018年以降毎年作成されている年次戦略で、環境変化や施策の進捗状況を踏まえて、特に重点を置くべき施策が示される。同計画の6つの柱である、①知の基盤としての「科学の再興」、②技術領域の戦略的重点化、③科学技術と国家安全保障との有機的連携、④イノベーション・エコシステムの高度化、⑤戦略的科学技術外交の推進、⑥推進体制・ガバナンスの改革――に沿って、各府省庁の主要な取組みがまとめられている。その中で、原子力に関連する事項として、日本原子力研究開発機構(JAEA)の強化、基礎・基盤研究や大型研究施設の整備・高度化・利活用促進、ANEC(未来社会に向けた先進的原子力教育コンソーシアム)の原子力研究基盤強化が記載された。JAEAについては、次世代革新炉実現に向け、イノベーション機能強化が盛り込まれた。さらに、人材育成の拠点としてJAEAの関連施設や設備を最大限活用できるようにし、実習機能の拡大等を図って、産学をつなぐハブ機能強化を目指す。また、ANECは、原子力教育研究基盤強化のため、人材育成対象の強化・拡大、運営体制の強化、産業界との連携促進等を行う。加えて、「フュージョンエネルギー」は「国家戦略技術領域」のひとつに位置付けられ、基礎研究から社会実装まで一気通貫での支援が明記された。
17 Jul 2026
1375