ロシア極東 沿海地方に原子力発電所を建設へ
02 Jul 2025
ロシアの原子力発電所運転機関であるロスエネルゴアトム社は6月23日、国営原子力企業ロスアトムがロシア極東の沿海地方に沿海原子力発電所(Primorsk NPP)を建設するロードマップを承認したことを明らかにした。
この決定は、ロシア大統領の指示による極東連邦管区の先行開発を加速する目的で、2035年までに、沿海発電所の2基を早期稼働させる計画。運転実績のある標準設計「VVER-1000」(各100万kWe)を採用し、全長200kmを超える500kVの送電線を2本接続。1号機の初コンクリート打設は2027年12月、送電開始は2033年、2号機は2035年に送電開始を予定している。
沿海地方政府は、合計出力200万kWeの原子炉2基への投資意向書に同意しており、複数の候補地も選定されている。自然条件の予備分析によると、最も有望な候補地は、ウラジオストク南東の日本海に面した閉鎖都市フォーキノ(Fokino)付近とされている。最終的な設置場所は、投資根拠の調査において確定される。今年中には設置場所に関する公聴会が実施される予定であるという。
沿海発電所の建設によって、安定した電力供給のほか、地域の社会・産業の発展にも大きく寄与し、数千の新たな長期雇用の創出と税収増、地元の民間ビジネスも活性化が期待されている。