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27 Mar 2026
312

ロシアとベトナム ニントゥアン第一原子力発電所建設の政府間協定を締結
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27 Mar 2026
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日本原燃が30億円拠出 六ヶ所村 電事連と新法人を共同で設立
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27 Mar 2026
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電事連 小中学生向け教育コンテンツ公開 授業活用を想定
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25 Mar 2026
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原文財団「原子力に関する世論調査」2025年度版を公表
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25 Mar 2026
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米X-エナジー タレン・エナジーと合計100万kWe級のSMR導入を検討へ
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25 Mar 2026
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米議員 閉鎖したインディアンポイントの運転再開を呼びかけ
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25 Mar 2026
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ノルウェー政府 SMR計画の環境影響評価へ
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24 Mar 2026
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ヘリカルフュージョン 試作部品の制作を完了

ベトナムのファム・ミン・チン首相がモスクワ公式訪問中の3月23日、同首相とロシアのM. ミシュスチン首相立会いの下、ロシア国営原子力企業ロスアトムのA. リハチョフ総裁とベトナムのチャン・バン・ソン政府官房長官の署名により、ベトナムにおけるニントゥアン第一原子力発電所の建設協力に関する政府間協定が締結された。本協定は発電所建設に必要な法的枠組みを整備し、今後数十年にわたるロシアとベトナムの原子力分野での協力の方向性を定めるもの。同協定では、原子力発電所建設プロジェクトの実施における条件および主要な協力分野を規定しており、ロシア設計のPWR=VVER-1200×2基を採用した総発電設備容量240万kWeとなる発電所の建設を想定。参照モデルは、ロシアのレニングラード第Ⅱ原子力発電所1・2号機(VVER-1200採用、各2018年、2021年に運転開始)である。ロスアトムのリハチョフ総裁は、「これは単に原子炉2基を建設するための協定ではない。ベトナムのエネルギー自立を強化し、経済成長の新たな機会を切り開く長期的な産業パートナーシップの礎である」と語った。ロシアのVVER-1200は国内外で運用されており、ロスアトムの原子力輸出の中核をなしている。ロシアとベトナムは多方面で長年にわたる協力関係を築いており、原子力はその中でも重要な位置づけ。ニントゥアン第一プロジェクトに加え、両国はベトナムにおける原子力科学技術センター(CNST)建設プロジェクトも実施しており、ロシア設計の研究炉を建設する計画である。今年4月には同センターの実現可能性調査(F/S)が完了し、建設契約に関する協議が開始される予定。また、ロシア製燃料を使用するダラット研究炉が順調に稼働し、医療用同位体を供給している。さらにベトナムは、ロシアのウリヤノフスク州ディミトロフグラードにある原子炉科学研究所で建設中の多目的ナトリウム冷却高速中性子研究炉(MBIR, 15万kWth、2027年稼働予定)を基盤とする国際コンソーシアムへの参加にも関心を示している。加えて、北極海航路を活用した物流、ロスアトム傘下の極東海運会社であるFESCO輸送グループによるコンテナ輸送、積層造形技術(3Dプリンティング)、エネルギー貯蔵システムなど、新たな分野での協力が有望視されている。ベトナム国会は2024年11月、国内電力需要の拡大を受け、ニントゥアン原子力発電プロジェクト再開の政府提案を承認。原子力発電開発を含む改正電力法も承認された。同プロジェクトではロシアと日本がベトナムに協力して、それぞれ第一および第二原子力発電所(各200万kW)を建設する計画だったが、経済状況を理由に2016年11月に全て白紙となっていた。
27 Mar 2026
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先進炉および燃料技術開発に取組む、米X-エナジー社は3月19日、米電力会社タレン・エナジー社と、ペンシルベニア州を中心に系統運営機関PJM管内で、合計100万kWe級の小型モジュール炉(SMR)「Xe-100」導入を評価する基本合意書(LOI)を締結した。両社は、4基構成のXe-100発電所を3か所以上で導入し、電力の信頼性を支え、製造業の米国内回帰、データセンター、および電化に伴う増大するエネルギー需要を満たす機会を模索する。Xe-100はX-エナジー社が開発中の高温ガス冷却炉で、出力は8万kWe。本LOIに基づき、両者は実現可能性調査、立地評価、およびプロジェクト実行枠組みを含む初期段階のプロジェクト開発を実施する計画だ。具体的な立地条件は未確定だが、両社は既存のインフラ、送電網、および労働力を活用し、Xe-100の導入により、化石燃料利用の発電から原子力発電への移行を実現したい考えだ。Xe-100は電力供給に加え、565℃の熱および蒸気を安定供給可能で、同州の産業や石油・ガス分野で幅広く応用できる。また、Xe-100では空冷システムの効率的利用により水使用量が大幅に削減できる見込みで、従来の軽水炉と比較して立地選定の柔軟性を高めるという。燃料には、米エネルギー省(DOE)が高い耐久性を有する燃料と位置付けるTRISO(3重被覆層・燃料粒子)燃料を使用。運転時や事故時を含むあらゆる状況での極端な高温にも耐えられるよう設計されており、次世代型の固有安全性を確保する。Xe-100は4基から12基のパッケージプラントとしての展開を想定しているが、各原子炉はそれぞれ独立して運転開始が可能。エンドユーザーは1基ずつ段階的に容量を導入でき、新規発電を需要の伸びに合わせ、電力供給を実際の負荷拡大に適合させることができる。タレン社は今回の提携について、重要な送電インフラと地域経済を維持しつつ、ベースロード容量を強化し、PJM市場において増大するエネルギー需要を満たすための重要な一歩になると評価している。X-エナジー社は現在、米国および英国における商業パートナーシップを通じて、1,100万kWe超の新規原子力発電プラントを開発中。電力会社、産業顧客、ハイパースケーラー(大規模データセンター事業者)向けにXe-100を系統連系と同規模のエネルギーソリューションとして推進しており、米国の大手化学メーカーであるダウ(Dow)社、大手テック企業のAmazon社や英国のエネルギー供給会社のセントリカ(Centrica)社とすでに導入や投資、電力購入をめぐって合意している。燃料部門では、X-エナジー社の傘下にあるTRISO-X社がテネシー州オークリッジにおいて、自社が開発するTRISO-X燃料の製造施設TX-1の建設プロジェクトを進めている。米原子力規制委員会(NRC)は2月13日、10 CFR Part 70 に基づき、TRISO-X社の2つの商業施設(「TX-1」および「TX-2」)をカテゴリーⅡ((カテゴリーIIは、一定量の核物質を扱う施設に適用される規制区分で、厳格な物理的防護と核不拡散対策が求められている。))の燃料製造施設として初認可した。米国では約50年ぶりの新規燃料製造施設となる。これにより、TRISO-X社は同2施設において、高アッセイ低濃縮ウラン(HALEU)を使用したTRISO-X燃料の製造を当初40年間のライセンスの下で行うことが可能となる。TX-1の建設は、X-エナジー社が参加する、DOEが先進炉展開の加速を目的に創設した先進的原子炉実証プログラム(ARDP)の一環であり、燃料製造開始を2028年初めに見込む。TX-2は現在設計段階にあり、X-エナジー社製SMRの1,100万kWe超の新規導入や他のSMR開発企業を支えるために、TRISO燃料の生産能力を大幅に拡大する。TX-1およびTX-2での本格的な生産により、米国史上初めて安定した商業用TRISO燃料供給源を確立し、米国および同盟国の原子燃料サイクルにおける大きな需給ギャップを埋め、エネルギーおよび国家安全保障を支えたい考えだ。
25 Mar 2026
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米ニューヨーク州選出のM. ローラー下院議員(共和党)は3月6日、米エネルギー省(DOE)のC. ライト長官と、同州ブキャナンに立地する閉鎖済みのインディアンポイント原子力発電所を訪問。ローラー議員は、同発電所の再建と運転再開を呼びかけた。同議員は、2021年の同発電所の閉鎖がニューヨーク州の電力コスト上昇や電力網への負担増につながったと指摘。実際、閉鎖以降、ニューヨーク州の電気料金は全国トップとなる上昇率58%を記録している。閉鎖に加え、環境規制による化石燃料利用抑制のため、天然ガスパイプラインのような重要インフラの建設・拡張が妨げられたという。また同議員は、「ミシガン州のG. ホイットマー知事(民主党)が、信頼できる電源を失う経済・エネルギー損失を認識し、パリセード原子力発電所は数か月後にも運転再開される。閉鎖後に運転再開する全米初の原子力発電所になる見込みで、約80万世帯に安全でクリーンかつ信頼性の高い100万kW以上の電力を供給する。ミシガン州にできて、ニューヨーク州にできない理由はない。エネルギー価格を下げるためには包括的なアプローチが必要であり、インディアンポイントの運転再開はその達成に大きく貢献する」と主張した。ライト長官も、「インディアンポイント発電所の閉鎖によりニューヨーカーの電気料金が上がった。米国がAIでリーダーシップを発揮するには、原子力発電は信頼性が高く、安全で重要な電源。ローラー議員と私は、有害な政治的選択によって信頼性の高いエネルギー源を閉鎖するコストに焦点を当てるためにこの発電所を訪問した」と語った。インディアンポイント1号機(28.5万kWe)は1962年に運転開始。1974年に2号機(106.2万kWe)、1976年に3号機(107.6万kWe)が運転を開始し、1号機は1974年に閉鎖された。同発電所はニューヨーク市の北約40kmに位置し、重大事故時の影響や運転の安全性に懸念を示したA. クオモ前知事(民主党)が早期閉鎖を要求。その後、所有/運転者であったエンタジー社が2017年、卸電力価格低迷による経済性低下を主な理由に、2号機を2020年4月まで、3号機を2021年4月までに予定より前倒しで閉鎖することで州政府と合意した。同2・3号機の閉鎖後の2021年5月、全3基はエンタジー社から、廃止措置事業者であるホルテック・インターナショナル社に売却された。一方、ニューヨーク州のK. ホークル知事(民主党)は今年1月、2026年施政方針演説の中で、炭素排出ゼロの電力供給と送電網の信頼性確保に向け、原子力発電の推進を表明。新たなイニシアチブ「原子力信頼性基盤」(Nuclear Reliability Backbone)を確立するため、州内で新規に500万kWe規模の原子力発電を開発する方針を示している。
25 Mar 2026
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ノルウェー政府は2月11日、同国西部のアウレとハイムで計画されている小型モジュール炉(SMR)を用いた原子力発電所の建設プロジェクトについて、環境影響評価(EIA)を実施することを決定した。これにより、同国における原子力発電導入に向けた検討が、制度的なプロセスに入りつつある。計画では、アウレ自治体とハイム自治体の境界に位置するタフトイ(Taftøy)工業団地に複数のSMRを設置する。最大出力150万kW、年間最大125億kWhの発電を想定している。2023年、ノルウェーの新興エネルギー企業ノルスク・シェルネクラフト社が、エネルギー省に対しSMR発電所建設に向けたEIAの実施を提案した。同国政府はこれを受け、2025年4月に水資源・エネルギー局(NVE)、放射線・原子力安全局(DSA)、国民保護局(DSB)の3機関に対し調査プログラム策定を要請。3機関は同年9月、ノルスク社の提案を踏まえた評価プログラム案を作成した。同案は越境環境影響評価を定めたエスポー条約に基づく国際協議を経て正式決定された。EIAはこのプログラムに基づいて実施される。T. アースランド・エネルギー大臣は、「今回の評価プログラムの確定はEIAの最低要件を定めるもので、原子力発電の導入を決定したことを意味するものではない」と述べた。ノルスク社のJ. ヘスタマー会長は、「今後はEIAの実施計画を策定し、原子力発電所のメリットと課題を明確にするとともに、地域住民や関係者がどのように関与できるかを示していく。EIAの一部作業はすでに開始されており、周辺住民や自治体などとの建設的な対話を期待している」と説明している。ノルウェーでは電力の大半が水力と風力でまかなわれており、これまで発電用原子炉は保有せず、OECD共同研究プロジェクトとして有名な「ハルデン炉」など研究炉のみを運転してきた。2019年までにそれらもすべて閉鎖されている。しかし近年は電力需要の増加を背景に、国内では原子力導入に向けた議論が進められている。ノルスク社は複数の候補地でSMR導入の可能性調査を進めており、国内各地を対象とした10件のプロジェクトについて報告書を提出している。今回の計画はその第1号プロジェクトとなる。
25 Mar 2026
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ドイツの核融合スタートアップ「プロキシマ・フュージョン」社は2月26日、ドイツの電力会社RWE社、ドイツ南部バイエルン州、ドイツのマックス・プランク・プラズマ物理研究所(IPP)と、世界初となる「ステラレータ方式」の商用核融合発電所「Stellaris」を建設にむけて覚書を締結した。建設サイトは、RWE社がバイエルン州で廃止措置中のグンドレミンゲン原子力発電所サイトを想定している。プロキシマ社は2023年4月にIPPからスピンアウト。ドイツ北東部グライフスバルトにあるIPPのステラレータ方式の実験装置ヴェンデルシュタイン(Wendelstein)7-Xで得られた知見を活用し、実用化に向けた準備を進めていく方針だ。ステラレータ方式は、複雑にねじれたコイルで強力な磁場を発生させ、ドーナツ状のプラズマを安定して閉じ込める技術で、設計は難しいものの、トカマク方式と比較すると連続運転で安定して動作するように設計できるという。本覚書では欧州における商用核融合実現に向けた具体的な道筋を示しており、最初のステップとして、バイエルン州ガーヒングにあるIPPの近くに、実証用のステラレータ型核融合装置アルファ(Alpha)を建設する。アルファを2031年に稼働させ、核融合技術の実証・検証、実環境での試験を通じて、開発サイクルを短縮させ、次段階である商用発電所ステラリス(Stellaris)の建設を加速させたいとしている。両プロジェクトにより、欧州のメーカーや技術者向けに数千もの雇用とサプライヤー契約を生み出すことになる。最終的には、核融合を欧州のエネルギーシステムの一部とし、輸入化石燃料エネルギーへの依存低減を目標としている。この覚書の下で、プロキシマ社が設計・調達・建設(EPC)を担当し、マックス・プランク研究所がプラズマ物理など理論面を主導、RWE社が発電所建設・運用のノウハウを提供する。建設コストはアルファ・プロジェクト単独で20億ユーロと試算されており、プロキシマ社が資金承認を条件に、アルファの建設コストの20%を民間投資家から調達予定だ。RWE社は出資の意向を示しており、バイエルン州政府は予算上の制約を条件に、最大4億ユーロの出資を約束している。また、ドイツのハイテク・アジェンダ((2025年7月、ドイツ政府は技術革新と経済競争力の強化などを目的とした国家戦略「ハイテク・アジェンダ・ドイツ」を閣議決定。研究・テクノロジー・イノベーション政策を再構築し、より一層の付加価値の創出、競争力、主権の確立を目指し、総額55億ユーロの投資を予定。))の下、連邦政府による支援を獲得したい考えだ。連邦政府は、2025年10月に承認した「核融合アクションプラン」において、商用核融合の加速にむけて2029年までに20億ユーロの公共投資を計画している。プロキシマ社のF. シオルティーノCEOは、今回の覚書締結を研究レベルから産業レベルへの転換点と指摘。バイエルン州のM. ゼーダー首相は、核融合は無限に近いクリーン電源であり、電気自動車やAIによる電力需要増に対応可能である、と期待を寄せている。なお前日の2月25日、プロキシマ社は、30社以上の欧州および国際的な企業を結集する産業コンソーシアム「アルファ・アライアンス」の立上げを発表。同アライアンスは、製造、システム統合、サプライチェーンの調整を通じて、アルファの実現だけでなく、将来の商業用ステラレータに必要なサプライチェーンと産業能力の構築を目的とする。加盟企業は、核融合システムの産業化と大規模展開に必要な、材料、部品、組立、インフラにわたる能力を提供。日本からは、京都フュージョニアリングとフジクラが参加している。
24 Mar 2026
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米エネルギー省(DOE)原子力局(NE)は3月12日、既存の原子力インフラを活用し、より多くの電力供給を目的とする新たなイニシアチブ「商用炉の段階的拡大に向けた取組み(Utility Power Reactor Incremental Scaling Effort: UPRISE)」を開始した。既存炉の出力増強、休止状態の原子炉の運転再開、停滞したプロジェクトの完遂を通し、2029年までに最大500万kWeの設備容量を増強し、増大するエネルギー需要と国家のエネルギー安全保障を支えることをめざしている。UPRISEでは、実証済みの原子力技術の活用と規制プロセスの合理化により、原子力発電の成長を加速させ、イノベーションの促進を計画。米国のエネルギー需要は、製造業の成長と人工知能を支えるデータセンターの電力需要により、今後数年間で増加が予測されている。トランプ政権は米国の原子力発電設備容量を2024年の1億kWeから2050年までに4億kWeへ拡大させることを目指しており、2025年5月に発出された大統領令「原子力産業基盤の再活性化」においては、DOEに2030年までに500万kWeの原子力発電設備容量の増強と大型炉10基の着工を指示している。UPRISEは、原子力発電設備容量を大幅に増加させるために最も費用対効果が高く、迅速な方法として、ライセンス更新による運転期間延長、出力増強、休止施設の運転再開、先進燃料などの最新技術による運転効率の最適化に焦点を当て、2027年までに250万kWe、2029年までに500万kWeの原子力発電設備容量の増強を達成したい考えだ。当面の取組みとして、サプライチェーンの準備状況の検証、出力増強や設備のアップグレードのためにプラント設備の評価を行い、投資判断に向けた経済モデルの検証を行うという。なお、この取組みにより、規制プロセスの効率化に向けた研究、燃料技術、および人材育成の取組みも支援し、将来の原子力導入の基盤としていく方針である。DOEのR. バーラン次官補代理(原子炉担当)は「これは米国の原子力フリートの復活となるだろう。UPRISEを通じて、DOEは2030年までに国内原子力発電を500万kWe増強するという目標を達成すべく産業界と協力する」と語った。2026年後半には、UPRISEを通じて、NE局と融資部門は、原子力発電所の所有者とエンドユーザー間の協同契約を促進するためのマッチメイキングワークショップを開催する予定。DOEの融資プログラムは、かつてアルビン・W・ボーグル原子力発電所3・4号機の建設を支援し、現在はパリセード原子力発電所とクレーン・クリーン・エナジー・センター(スリーマイル・アイランド原子力発電所)1号機の運転再開を支援している。DOEは自身のリソース、業界のノウハウ、規制改革を連携し、今後10年間で原子力発電設備容量を大幅に増加させていく方針である。
23 Mar 2026
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中国の浙江省温州市で3月12日、中国広核集団(CGN)の三澳(Sanaocun)発電所1号機(PWR=華龍一号<HPR1000>、120.8万kWe)が送電を開始した。今後、出力上昇試験や各種性能試験を経て、今年前半の営業運転開始をめざす。三澳プロジェクトは2007年にサイト調査を開始し、2015年に国家能源局が計6基の「華龍一号」を建設するサイト取得・整備作業等の実施を承認。I期工事の1-2号機はそれぞれ2020年12月、2021年12月に着工し、Ⅱ期工事の3号機も2025年11月に着工した。1号機については、2025年12月に国家核安全局(NNSA)が運転認可を発給し、今年2月14日に初臨界を達成していた。同プロジェクトが完成すると、温州市の現在の総電力消費量にほぼ匹敵する年間540億kWh超の電力供給が見込まれている。毎年、標準石炭換算で約1,635万トンの削減に貢献するという。現在、長江デルタ地域ではDeepSeekなどの世界有数のAI関連企業が集積し、スマート経済の急速な発展に伴い計算能力需要が急増し、エネルギー消費を継続的に増大させている。今年の全国人民代表大会では、「計算能力と電力の協調(算電協同)」が初めて政府活動報告に盛り込まれ、大規模なAI計算クラスターなど新インフラ整備の推進方針が明確に示された。三澳プロジェクトでは、作業現場の可視化・自動化を実現し、年間で約70万時間の作業工数を削減したほか、国内初となる全工程のデジタル化を導入。原子炉建屋では4万枚以上の配管検査用放射線フィルムをデジタル管理し、AIによる解析評価により欠陥検出率・重複検査の検出精度はいずれも95%以上を達成したという。また、原子炉冷却材主配管の溶接用設備や工法の国産化や、「レゴ式」の分解可能なプレハブ擁壁モジュール工法の導入により、建設コストの削減と工期短縮を図っている。
19 Mar 2026
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欧州委員会(EC)は3月10日、小型モジュール炉(SMR)((軽水炉型SMRのほか、液体金属炉や熔融塩炉、高温ガス炉などの先進モジュール炉(AMR)およびマイクロ炉を含む。))の開発・導入を加速する初の戦略文書「欧州におけるSMRの開発および導入に向けた戦略(Strategy for the development and deployment of Small Modular Reactors (SMRs) in Europe)」を発表した。ECは、SMRを欧州の主要な産業開発プロジェクトの一つと位置づけ、2030年代初頭までに欧州で初のSMRの運転開始をめざす。SMRを、脱炭素化やエネルギー安全保障の強化に加え、欧州の産業競争力の強化にも寄与する技術としている。同戦略では、研究、サプライチェーン、許認可、人材育成、資金調達などの分野でEU加盟国や産業界、規制当局、投資家の協力強化を図る方針を示すとともに、SMR導入を促進するための9つの行動を提示。具体的には、技術開発やサプライチェーン、規制面などでの取組みとして、産業向け高温熱供給や海上利用などを想定した先進モジュール炉(AMR)の開発加速、燃料サイクルを含む欧州域内のサプライチェーン強化、同一設計の炉を複数導入するフリート・アプローチの推進と、それに伴う産業標準化の策定や許認可に関する規制協力などを打ち出した。これらの取組みは、EU加盟国間の協力強化や志を同じくする国との国際協力のほか、2024年2月に設立された欧州SMR産業アライアンス(European Industrial Alliance on SMRs)とも連携して進める。さらに、SMR導入を後押しするため、資金支援の枠組みも提示。EUの投資支援制度であるInvestEUやイノベーション基金などを活用し、初号機(FOAK)プロジェクトのリスク低減を図り、民間投資の呼び込みを進めるとしている。そのほか、革新的原子力技術に関するIPCEI(Important Project of Common European Interest)の枠組みを通じて、投資促進の方針も示した。また、SMRの製造拠点や関連産業を集積するSMRバレー(SMR Valley)の形成や、SMR導入に関心を持つEU加盟国が選定された炉型について規制や政策、経済面などで協力する枠組みのSMR連合(SMR Coalition)を設立する提案も示されている。ECはまた同日、原子力実証プログラム(PINC)を発表。同プログラムによると、EUにおけるSMRの設備容量は、2050年までに1,700万kWから5,300万kWに達する可能性があるとの見通しを示している。
18 Mar 2026
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トルコ原子力公社(TÜNAŞ〈TUNAS〉)は3月3日、加アトキンス・リアリス(AtkinsRéalis、旧SNC-ラバリン=SNC-Lavalin)社傘下にあるCandu Energy社と協力覚書(MOU)を締結した。トルコが将来、カナダ型加圧重水炉(CANDU炉)を導入する可能性について、詳細な実現可能性評価を行うことを目的としている。トルコは両国間の戦略的協力が、トルコのエネルギー・セキュリティーの強化、エネルギー源の多様化、原子力発電設備容量拡大という目標に沿った重要なマイルストーンであると位置づけている。この覚書は、トルコのA. バイラクタル・エネルギー・天然資源相がカナダを訪問中、同国のT. ホジソン・エネルギー・天然資源相との立会いの下で締結された。バイラクタル大臣は「エネルギー構成の多様化と原子力発電容量の増強につながる両国間の共同作業の可能性を我々は非常に重視している」と指摘。翌4日のカナダ探鉱者・開発業者協会(PDAC)の総会では、「2050年までに少なくとも2,000万kWeの原子力発電設備容量の達成に向けて、従来の大型炉と小型モジュール炉(SMR)の両方を含める必要がある」と述べ、原子力がカナダとの協力を推進する分野の一つであると強調した。アトキンス・リアリス社によると、今回の合意はトルコが原子炉3基を追加導入して原子力を拡大する計画を支援するため、CANDU炉導入の機会を探るもの。両者間で関連技術データ、情報、経験、ノウハウ、専門知識を交換・共有する計画だ。具体的には、様々なCANDU炉の評価で協力し、TÜNAŞが特定したサイトへの適合性を評価、トルコにおいてCANDU炉に適用される規制及び認可要件の評価も実施。加えて、資金調達・構造化オプション、所有権の取り決め、プロジェクト実施手法、現地化機会の評価、ならびに労働力開発及び人材要件を含む、潜在的なビジネスモデルを検討するという。現在、CANDU炉はカナダ、韓国、ルーマニア、中国で計27基が運転中。アトキンス・リアリス社は現在、第3世代+(プラス)炉である100万kWe級のCANDU炉の新型「MONARK」を開発中だ。2024年9月に概念設計段階は完了し、現在、カナダ原子力規制委員会による予備的な規制設計評価が進行中である。また、トルコ南部では、同国初の原子力発電所となるアックユ原子力発電所(ロシア型PWR=VVER-1200、×4基)がロシアの融資と協力の下、「建設・所有・運転(BOO)」方式を採用して建設が進められている。このほか、同国北部のシノップと、トラキア地域で大規模原子力発電所の建設を計画しており、2053年のネットゼロ目標達成にむけ、同年までに原子力発電設備容量を2,000万kWeまで引き上げ、原子力発電量のシェアを約30%にすることをめざしている。アックユ原子力発電所が完成すれば、原子力発電電力量は年間約350億kWhと見込まれており、これは2024年のトルコの総電力消費量3,479億kWhの約10%に相当する。なおTÜNAŞは2025年11月、韓国電力公社(KEPCO)と原子力分野における協力に関する覚書(MOU)を締結。トルコ北部で計画中のシノップ原子力発電所の建設スケジュールや事業条件についても意見交換を行っている。
17 Mar 2026
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リトアニアのイグナリナ原子力発電所を運営しているアルトラ(Altra)社は2月25日、米国の首都ワシントンで、米GEベルノバ日立ニュークリアエナジー(GVH)社、ポーランドのSGE社とリトアニアにおけるGVH社製小型モジュール炉(SMR)「BWRX-300」の導入可能性を評価するため、三者間覚書を締結した。「BWRX-300」導入に係る技術面および経済面での実現可能性を詳細に評価し、技術ソリューション、安全性および許認可要件、さらに経済的および市場的な側面を分析する。覚書署名式には、リトアニアのZ. ヴァイチウナス・エネルギー相、米エネルギー省のR. バーラン原子炉担当次官補代理らも出席。ヴァイチウナス大臣は、「リトアニアの原子力発電の経験、アルトラ社の専門知見、先進SMRを開発する米国パートナーの最新知識を結集し、リトアニアにおける次世代SMRの立地可能性を体系的に評価。エネルギー・セキュリティー、持続可能性、気候中立なエネルギー・経済目標にどのように貢献し得るかを判断する。再生可能エネルギーは現在も将来もリトアニアの明確な選択肢であるが、2050年までに完全な気候中立を達成するためには、SMRの可能性も評価しなければならない」と語った。アルトラ社のL. バウジスCEOは、「リトアニアには、原子力発電の実績があり、国家のエネルギー・セキュリティと長期的なシステムの安定性を強化する次世代ソリューションの議論にあたり有利な立場にある。BWRX-300は現在開発中の最も先進的なSMRの一つであり、将来のエネルギーソリューションとして分析評価するのは当然」と強調した。GVH社の先進原子力担当のS. セクストン上級副社長は、加オンタリオ州営電力のオンタリオ・パワー・ジェネレーション(OPG)と共に西側諸国初となる商用規模のSMRを建設する過程で得られる経験や、SGE社との協力が、リトアニアや他の欧州諸国でBWRX-300を展開配備する強力な基盤となっている」と述べた。欧州のSMR開発プラットフォームであり、BWRX-300の標準設計にも共同出資しているSGE社のR. カスプロウCEOは、「リトアニアのエネルギー移行には、電力システムの安全性を高め、長期的な経済発展を支える安定したゼロエミッション電源が必要。BWRX-300は、これらニーズに応えるために設計されており、数十年にわたる原子力発電の運用経験を踏まえ、安全性と信頼性を確保しつつ、クリーンでコスト競争力のある拡張可能な設計となっている」とし、今回の覚書締結の意義を強調した。SMRの導入検討は、2050年までにエネルギー自立と気候中立の達成を目指す同国の国家エネルギー戦略とも合致する。エネルギー省は2025年、アルトラ社などが参加する作業部会を設置し、先進原子力技術の役割について評価を進めている。なお、2025年のユーロバロメーター調査(欧州委員会が実施するEU公式の世論調査)では、リトアニア国民の57%が今後20年間の原子力の将来を肯定的に見ている。リトアニアでは、イグナリナ原子力発電所(軽水冷却黒鉛減速炉:RBMK-1500×2基、各150万kWe)が1980年代から稼働していたが、欧州連合(EU)は、ウクライナのチョルノービリ原子力発電所と同型であるRBMK炉の安全性への懸念から閉鎖を要求、リトアニアはEU加盟と引き換えに同発電所を2009年までに閉鎖した。同発電所は閉鎖されるまで、リトアニアの電力の70%を供給していた。アルトラ社は現在、同発電所の廃止措置作業を実施中だ。閉鎖後、イグナリナ原子力発電所近傍のヴィサギナスに日立製作所が主導する新規原子力発電所プロジェクトも浮上したが、福島第一原子力発電所の事故により、原子力発電に対する国民の支持は低下。2012年の原子力発電所の新規建設への支持を問う国民投票では否定的な意見が優勢となり、2016年10月の総選挙による政権交代を経て、翌11月にヴィサギナス・プロジェクトは凍結された。その後、リトアニアでは電力不足を補うため、電力供給源の多様化を図り、再生可能エネルギーの導入を促進。現在、総発電電力量の約8割を再生可能エネルギーで賄うものの、近隣諸国(スウェーデン、ラトビア)からの電力輸入量も多い。
13 Mar 2026
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スロベニア政府は 2月17日の閣議で、クルスコ原子力発電所の増設計画(JEK2 プロジェクト)に関する国家空間計画(DPN)の策定を開始することを承認した。これは同プロジェクトを正式に空間配置プロセスに組み込む最初の手続きであり、同国の電力システムの長期的な安定性や低炭素化に関わる重要なエネルギーインフラ計画の節目となる。DPNとは主に、プロジェクトをどこにどのように配置するか、また対象地域でどのような整備が行われるか、そして計画の基本的な条件はどうなるかを決定することを目的とする。DPNの策定は、環境・気候・エネルギー省の提案に基づくもので、2025年7月1日から10月30日までの4か月間にわたり公開協議が行われた。空間計画当局、地方自治体、経済界、NGO、住民らが議論に参加し、主要3都市で公開説明会も開催された。その結果、受け取ったすべての指針と意見に基づき、主要な専門調査項目が決定された。DPN策定に係る政府承認を受け、今後、天然資源・空間計画省が中心となり、技術面、空間計画面、環境面、地域開発面などから広範な専門調査・分析を実施、国境を越えた評価を含む包括的な環境影響評価も実施し、DPN草案を作成する。DPN草案の公開は2027年後半に予定されており、その際には一般からの意見も募集する。政府は2028年後半にDPNの政令の採択を予定。政令では、プロジェクトに関する土地利用計画、計画対象地域、建設・設計の条件、自治体の土地利用計画への指針を規定し、これが建設許可など次の段階の手続きの重要な基盤となる。JEK2プロジェクトは、国内で最も重要なエネルギー開発プロジェクトの一つであり、J. ノヴァク天然資源・空間計画相は、クルスコ発電所が立地するポザヴェ地域にとって大きな開発の機会になると強調。政府として、すべての重要な情報が利用可能になった時点で、このプロジェクトの是非を問う国民投票の実施を支持する考えを示した。当初は 2024 年 11 月に国民投票を実施する計画であった。しかし、プロジェクトの透明性や国民投票の合法性をめぐり環境団体などから批判が高まり、実施は見送られた。スロベニアでは現在、クルスコ原子力発電所(PWR、72.7万kWe)が同国の総発電電力量の約35%を供給している。同発電所はGENエネルギアと隣国クロアチアの国営電力会社のHrvatska elektroprivreda(HEP)が共同所有。スロベニアの電力需要は、2050年までに倍増することが予想されているが、2033年以降は総発電電力量の約3分の1を供給する火力発電所を閉鎖する計画。2043年にはクルスコ発電所の運転期間(60年)も満了する。
13 Mar 2026
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米エネルギー省(DOE)原子力局は3月3日、米国の先進原子力技術の研究開発を強化するため、全米の46プロジェクトを対象に、総額5,280万ドルを助成することを明らかにした。先進原子力技術開発や若手研究者の研究活動を支援し、米国の原子力ルネサンスを加速させたい考えだ。DOEは今回の助成が、2025年5月に発出された大統領令「原子力産業基盤の再活性化」を推進し、研究インフラへのアクセス拡大と原子力人材の育成を後押しするものと位置づけている。原子力戦略分野担当のM. スコット次官補代理代行は、「これらプロジェクトへの支援は、米国の原子力技術、大学、将来人材への重要な投資。研究者や教育者が革新的な原子力研究を進め、科学的なブレイクスルーを実現できるよう、DOEは必要なリソースと資金の提供に取り組んでいる」と語った。今回の助成は、全米19州にある大学・国立研究所・企業を対象に、初期段階にある研究活動を以下2分野に焦点を置いて実施するもの。原子力研究開発(R&D): 43プロジェクトに対し、原子力研究開発と研究施設へのアクセスを支援。卓越した若手研究者育成プログラム: 原子力分野における新たな研究領域を開拓し、ミッションクリティカルな研究を推進する革新的研究・教育プログラムを開発する、優秀な若手大学教員3名を支援。今回の助成資金は、以下のプログラムから拠出される。Nuclear Energy University Program (NEUP)Integrated Research ProjectsNuclear Science User Facilities (NSUF)なお、DOE原子力局は昨年12月、原子力教育を強化するため、K-12世代(幼稚園から高校まで)や職業訓練学校、カレッジの学生を対象に、大学の研究炉へのアクセスを拡大し、原子力科学、工学、技術の認知度を高め、原子力分野への関心を促進することを目的に、3大学に59万ドル以上を助成することを明らかにしている。T. ガリッシュ原子力エネルギー担当次官補は、「本助成は、学生が原子力科学と工学を学び、将来的に原子力エネルギー分野でのキャリアを追求するために必要な訓練を受けるための入り口を提供するもの」と指摘。DOEによる原子力人材パイプラインを拡大する数多くの方策の一つであるとした。大学の原子炉共有・普及プログラムへの助成により、既存の研究炉を持つ大学が他の教育機関とリソースや施設を共有することを奨励する。DOEは以下の3大学の活動に対し、それぞれ最大20万ドルを助成する。ウィスコンシン大学マディソン校のミッドウエスト原子炉共有コンソーシアム: セミナー、短期コース、ワークショップを通じて原子力科学、工学、技術の認知度を高めるために、原子炉リソースを共有。ペンシルベニア州立大学の放射線科学・工学センターの原子炉共有アウトリーチプログラム: 教員ワークショップや実験を支援する助成を通じて既存の教育・アウトリーチプログラムを拡大。ノースカロライナ州立大学のPULSTAR原子炉アウトリーチ&シェアリング(K-12機関対象): 原子力に関心のある高校生向けの短期コースを開発し、労働力育成を促進。DOEは2009年以降、原子力分野における研究の推進と次世代の原子力分野のリーダー育成のために、学生や教員に累計10億ドル以上の資金を供与。今後も各種助成を通じて、大学やカレッジが原子力エネルギー研究開発施設へのアクセスを増やすための方法を模索し続けていくとしている。
12 Mar 2026
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青森県六ヶ所村と日本原燃、そして電気事業連合会(電事連)は3月17日、地域共創と原子燃料サイクル施設との共生に寄与することを目的に、「一般社団法人六ヶ所みらい共創プロジェクト」を共同で設立すると発表した。同新法人は、六ヶ所村内の企業の人材確保と育成、産業・経済基盤の整備、防災対策の強化、生活基盤の整備など、地域課題の解決に資する事業を担う。活動資金は六ヶ所村と日本原燃が拠出するが、当面6年間は日本原燃が総額30億円を負担するという。六ヶ所みらい共創プロジェクトは2026年4月中の設立を予定し、同月の事業開始を目指す。法人の所在地は六ヶ所村。設立時の会員は六ヶ所村、日本原燃、電事連の3者で、代表理事は日本原燃の代表者が務める。理事には3者に加え外部有識者が参画する予定となっている。3者(六ケ所村・日本原燃・電事連)はこれまで、再処理工場の竣工・操業を見据え、地域と原子燃料サイクル施設が共生する将来像の実現に向けた協議を重ねてきた。その中で、長期にわたる安全・安定操業を支えるためには、地元企業の人材確保・育成や防災機能の強化など、地域産業やまちづくりを含めた中長期的な取り組みが不可欠との認識を共有している。同法人を通じ、同地域と原子燃料サイクル事業の共生・原子燃料サイクル事業を支える産業の基盤づくりや街づくりに向けた取り組みを一体的に進める狙いだ。
27 Mar 2026
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電気事業連合会は3月13日と18日、小中学生向けのエネルギー教育コンテンツを、公式YouTubeチャンネルにて公開した。特に中学生向けのコンテンツについては、発電の仕組みを解説するだけでなく、電源構成やカーボンニュートラルといった課題について「自ら考える」構成とした点が特徴だ。動画はいずれも文部科学省選定を受けており、ワークシートや指導案もあわせて提供することで、教員が授業で活用しやすいよう設計したという。 今回公開した動画は計3本。小学校4~6年生向けの「電気ができるまで~いろいろな発電の仕組みを見てみよう~」に加え、中学生向けに「探究!どうする日本のエネルギー」「ニュースで学ぶ!気候変動と資源・エネルギー問題」を公開した。小学校4年生の社会科や6年生の理科、中学校の地理、公民、総合的な学習(探究)の授業などでの活用を想定している。中学生向け教材は第7次エネルギー基本計画を踏まえた内容で、資源に乏しい日本における安定供給と二酸化炭素削減の両立という課題を扱うとともに、エネルギーミックスのあり方を考えさせる構成とした。小学生向けは多様な発電方法の特徴を学ぶ基礎的な内容とし、現場の教員からの要望を踏まえて制作したという。担当者は「どの発電方法が良い・悪いではなく、特徴を知った上で子どもたち自身に考えてもらいたい」と説明する。火力発電についても「やめればよい」といった単純な議論に陥らないよう電気の安定供給の観点など現実的な役割を含めて示すなど、バランスの取れた理解に資する内容とした。今後は教材の認知拡大と活用促進が課題だという。エネルギー教育は独立した必修科目ではなく、授業で扱いにくい側面があるが、電事連では、同会が運営する教育支援サイト「ENE-LEARNING(エネラーニング)」において、各教科の学習単元に沿ったコンテンツを制作し、教育現場で活用しやすくなる工夫を進めている。具体的には、動画に加えパワーポイント資料やワークシート、指導案を無料で提供することで教員の負担軽減を図るとともに、タブレット端末を活用した学習との親和性も意識した。また、今後は民間の教育分野の外部ポータルサイトとの連携も視野に、発信強化を進める方針だ。 担当者は「エネルギー問題は科学だけでなく、経済や環境、資源、国際情勢など多面的な観点から捉える必要があり、探究活動のテーマとしても適している」とし、教材の活用拡大に期待を示した。
27 Mar 2026
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日本原子力文化財団(原文財団)は3月23日、2025年10月に実施した「原子力に関する世論調査」の結果を公表。原子力に対する肯定的評価は2018年度以降おおむね横ばいで推移している一方で、否定的イメージは2017年度以降、低下傾向が続いていることが分かった。また「信頼できない」との回答も減少し、福島第一原子力発電所事故前と同水準(12.0%)まで回復した。同調査は、全国の15〜79歳の男女1200人を対象に実施。2006年度から同一手法で継続している全国規模の調査で、今回で19回目。世論調査を経年的・定点的に実施し、原子力に関する世論の動向や情報の受け手の意識を正確に把握し、原子力に関する知識普及活動のあり方などを検討するのが目的だ。エネルギー政策や社会動向の変化に対応するため、適宜新たな設問の追加や内容の見直しを行い、継続性と時勢の変化への対応の両立を図っている。なお、原文財団のウェブサイトでは、2010年度以降の報告書データを全て公開している。例年通り同調査は、原子力や放射線に対するイメージ、関心、情報保有量、信頼、再稼働や利用に対する考え方など多岐にわたる項目で構成されているが、今年度はいくつかの新設項目が追加された。具体的には、「今後の原子力発電の利用に対する考え」といった将来のエネルギー選択に関する設問や、「核燃料サイクル・バックエンドに関する情報保有量」など、より専門的な領域に踏み込んだ設問がその例で、最新の世論動向を的確に把握できる設計となった。同調査によると2025年度に、最も関心が高かった原子力/エネルギー関連ニュースは「地球温暖化」で、70.3%に上った。これに「電気料金の値上げ」(56.4%)、「自然災害による停電」(53.9%)、「電力不足」(48.3%)が続いた。さらに「巨大地震・津波と原子力」(37.8%)、「ロシア情勢などとエネルギー安定供給」(33.8%)、「再生可能エネルギー拡大の影響」(33.1%)といった項目が上位に並び、「暮らしに直接的に影響する可能性」が高いテーマとなった。一方、原子力業界に関する個別テーマへの関心は相対的に低く、「女川原子力発電所の再稼働」が13.9%、「AI普及に伴う電力需要増加」が11.4%、「原子力発電所のリプレース」が10.8%、「第7次エネルギー基本計画」が4.5%にとどまった。経年で見た場合、「暮らしに影響を与える身近なニュース」に対する関心は低下傾向にあるものの、生活に密接に関わるテーマへの関心の高さと、業界個別テーマとの間に乖離がある実態が浮き彫りとなった。また、今後の原子力発電の利用に関する意識では、「使っていく」「どちらかといえば使っていく」を合わせた肯定的意見が42.0%、「やめていく」「どちらかといえばやめていく」を合わせた否定的意見が35.0%となり、肯定的意見がやや上回った。また、「わからない」は22.6%だった。属性別では、男性で肯定的意見が多く、女性では否定的意見が多い傾向が見られた。年齢別では25〜44歳で肯定的意見が比較的高い一方、24歳以下では「わからない」とする回答が目立った。また、原子力に関する情報保有量が多い層ほど肯定的意見が多く、保有量が少ない層では「わからない」とする割合が高い傾向が確認されるなど、情報量の差が意識形成に影響を与えている実態が浮き彫りとなった。また、経年変化では、再稼働に対する不安を背景とした否定的選択肢は減少傾向にあり、必要性や規制基準への適合といった観点から再稼働を評価する動きが増加しているが、「原子力発電をやめていく」とする層ほど、「災害対策」や「防災体制」、「大事故への不安」、「高レベル放射性廃棄物」、「福島第一原子力発電所の廃炉」といった項目に強い関心を示している。特に、高レベル放射性廃棄物への懸念が顕著となっていることがわかった。これらの結果から、再稼働に対する理解を得るためには、不安や否定的認識に関わる項目に対する情報提供の充実が重要であることが示唆された。原文財団では継続的な調査を通じて原子力を巡る社会認識の変化を把握し、今後の情報発信の在り方の検討に生かす考えだ。
25 Mar 2026
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日本独自のヘリカル型核融合炉の開発を目指すHelical Fusion(ヘリカルフュージョン)は3月17日、愛知県一宮市に位置する菱輝金型工業と協業し、実証段階を想定した装置「Helix HARUKA(ヘリックス・ハルカ)」向けの重要部品の一部製作を完了したと発表した。今回完成したのは、同装置で使用するコイルケースのパーツ全10点と、増殖ブランケットパーツ1点。いずれも試作品。同社は高精度な加工に成功したとしている。両社は2025年9月12日、ブランケットの加工に向けた事業連携をすでに発表しており、今回の成果はその取組みの一環となる。コイルケースは、10点すべてを接合することで、らせん状の高温超伝導マグネットの土台となる構造物だ。今後、「ヘリックス・ハルカ」の建設地である岐阜県土岐市の核融合科学研究所敷地内での組立てが計画されている。また、増殖ブランケットパーツは、他の部品と組み合わせて使用されるもので、今回の試作は今後の製作に向けた試作初期段階の部品として位置づけられる。なお、本試作は愛知県のディープテック推進事業「Aichi Deeptech Launchpad」に採択され、約4,000万円規模の支援を受けて実施された。大型構造物の一部を構成するブランケットは、誤差数ミリ以内の精度が求められるほか、ステンレスなど加工難度の高い材料を扱う必要がある。そのため、設計から加工まで一貫した高度な技術と経験が不可欠と言われている。同社によると、菱輝金型工業が培ってきた高精度な金属加工技術が今回の部品製作においても最大限活かされたという。
24 Mar 2026
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日本原子力産業協会はこのほど、愛知県知立市立 知立南中学校でエネルギーミックスをテーマとした同協会制作のボードゲーム、「エレクトロネーション」を活用した特別授業を実施した。公立中学校のエネルギー教育において、主体的な学びを引き出す新たな試みとして注目される。今回の授業は、同中学校で技術科を担当する矢田真士教諭が、「エネルギーや電力の問題を生徒にとって自分ごととして考えさせたい」との思いから、同協会に相談したことをきっかけに実現した。矢田教諭と同協会はエネルギー単元全体の授業の進め方の工夫やオリジナルのパズル教材の開発など準備に約1年を費やした。生徒は事前に教科書に基づく基礎学習とパズル教材を通じて、エネルギーに関する理解を段階的に深め、「エレクトロネーション」に臨んだ。当日は中学2年生約30人が参加し、2人1組のチームに分かれてゲームに取り組んだ。「エレクトロネーション」では、電力供給の確保と温室効果ガス(GHG)排出制約の両立を図りながら、発電設備の建設や資源調達、技術投資などを選択していく。資源価格の変動や自然環境が与える制約などの要素も組み込まれており、複雑な意思決定を体験できる設計となっている。ゲーム序盤はルール理解に戸惑う様子も見られたが、進行とともに生徒同士で活発な議論が生まれた。「再生可能エネルギーは発電が不安定だがGHG排出がない」「石炭はコスト面で有利」といった意見が交わされ、発電方式ごとの特性を踏まえた選択が行われていた。原子力についても、初期投資の大きさに慎重な姿勢を見せる一方、ゲーム終盤にGHG排出制約が強まる中で原子力の優位性を実感する場面もあり、エネルギーミックスの考え方への理解を深めていた。加えて、ゲーム内で登場する放射性廃棄物処分場の重要性も感じたようだった。授業後のアンケートでは、85%の生徒が「とても楽しかった」と回答し、「楽しかった」を含めると全員が肯定的に評価した。また、電力や エネルギーへの関心についても、約9割の生徒が「興味が高まった」と回答。「発電方法の長所と短所を考えて組み合わせることが大切だと分かった」「CO₂排出を抑える難しさを実感した」などの声が寄せられた。今回の取り組みはボードゲームを活用した体験型学習により、生徒の主体的な思考を促すエネルギー教育の一例を示すものとなった。単なる知識の習得にとどまらず、複数の選択肢の中で最適解を考える力を育む手法として、今後の展開が期待される。
24 Mar 2026
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原子力規制委員会の山中伸介委員長は、3月18日の定例会見で、原子力発電所などの敷地内に、小型無人機(ドローン)の検知機器の設置を義務付ける方針を発表した。今回の規則改正は、ドローンの技術的進歩や社会的な普及を踏まえ、核物質防護の実効性を一層高めることを目的としたもの。計22の原子力施設が対象。規制委がドローンに特化した規則の措置を明記するのは初。山中委員長は、「ドローンは誰でも入手可能で、性能が年々大きく向上している状況に対応する必要がある」と述べ、制度化に至った経緯を説明した。一方で、現時点においてドローンが原子力施設の安全に直ちに影響を及ぼす状況にはないと述べた。そして、「これまでも一定の対策は講じられており、安全上の課題が顕在化しているわけではない」との認識を示したうえで、今回の規則改正は「防護の実効性をさらに向上させるための措置と位置付けている」と述べた。ドローンをめぐっては、警察庁が飛行禁止区域を拡大するなど、規制を強化する流れが続いている。現在、小型無人機等飛行禁止法において、重要施設及びその周囲おおむね300mの周辺地域の上空におけるドローン等の飛行は禁止されており、原子力発電所もその対象だ。仮にドローン等が飛来した場合、検知設備がそれを検知し、警察など治安機関と連携し、対処する。山中委員長は「検知と対応を一体として進めていく必要がある」と説明したが、具体的な対処方法については、セキュリティ上の理由から言及を控えた。また、検知機器の選定や導入、審査手続き等に一定の時間を要することから、検知機器の設置までに2年程度の猶予期間を設ける考えを示した。山中委員長は、「実効性のある検知システムを確実に整備するために、準備期間が必要だと判断した」とコメントした。
23 Mar 2026
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環境省は3月19日、放射線の健康影響に関する情報発信事業「ぐぐるプロジェクト」の最終年度フォーラムを東京都内で開催した。2021年の発足から5年間の取り組みを総括するとともに、今後の情報発信のあり方について議論した。 「ぐぐるプロジェクト」は、放射線の健康影響に関する正しい情報の発信を目的に2021年に開始された。福島第一原子力発電所事故から15年が経過する中、最新の科学的知見の周知をはかるため、公開講座や企業・学校向けセミナー、作品コンテストなどを展開し、今年度で最終年度を迎えた。 フォーラムでは、5年間の取り組みを振り返るとともに、環境省による調査結果や有識者の分析が示された。同省は、福島第一原子力発電所事故の被災地における放射線の将来世代への健康影響について、「影響は低い、もしくは極めて低い」と認識する人の割合を80%まで高めることを目標に取り組んできたが、調査では2020年度の58.8%から2025年度は61.3%にとどまり、目標には達しなかった。一方で、「極めて低い」とする回答は12.3%から22.6%へと増加しており、一部では理解の深化もうかがえると指摘した。 大阪大学の大竹文雄特任教授は、行動経済学の観点から情報発信の手法について分析。プロジェクトでは当初、国連科学委員会など専門的知見に基づく発信を重視してきたが、調査の結果、福島に関わる人や現地で生活する人の声の方が、受け手の認識に影響を与える可能性があると指摘した。これを踏まえ、同プロジェクトでは発信のあり方を見直し、福島で暮らす若者が自らの言葉で伝える取り組みへ軸足を移してきた。2024年には福島県在住・在勤・在学の10~30代で構成される「ふくしまメッセンジャーズ」を結成し、活動を開始した。 フォーラムでは、「ふくしまメッセンジャーズ」の活動報告も行われた。メンバーは、地域でのフィールドワークや被災地住民との交流を通じて得た福島の実情を、全国でのイベントやSNSなどを通じて発信してきたという。参加した大学生からは、「学びを通じて認識が変わった」「国内にとどまらず世界にも伝える必要がある」といった声が聞かれたほか、SNS上には依然として福島に関するネガティブな情報も見受けられるが、実際には関心や理解を持つ人が各地にいると感じたとの意見もあった。 また、事故から15年が経過する中、関心の低下も課題として浮き彫りとなった。福島で医療に携わる専門家からは、震災直後は放射線に関して切実な関心が寄せられていたが、現在では「過去の出来事」として受け止められる傾向が強まっているとの認識が示された。 環境省は、5年間の取り組みは一定の成果を上げた一方で、関心の維持という課題も残るとし、同プロジェクトについて、形を変えながら来年度以降も継続するとしている。
23 Mar 2026
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IHIは3月13日、同社の横浜工場にて、米国のX-energy社(以下:Xエナジー社)と、高温ガス炉技術分野における協業の可能性を検討・推進することを目的とした非拘束の覚書(MOU)を締結した。同MOUは、翌3月14日~15日にかけて東京都内で開催されたインド太平洋エネルギー安全保障閣僚・ビジネスフォーラム(IPEM)にあわせた動き。今回のMOU締結は、Xエナジー社が開発を進める小型モジュール炉(SMR)の高温ガス炉「Xe-100」等のグローバル展開を見据え、原子炉系機器の設計、エンジニアリング、製造、サプライチェーン構築など、幅広く協業の可能性を検討する枠組みの構築が目的だ。IHIはXエナジー社との協業を通じて、先進原子力分野における技術開発とサプライチェーンの強靭化を進め、米国およびグローバル市場における先進原子力技術の商業化の推進に貢献していく考えだ。MOUの協業範囲の対象は、原子炉圧力容器や原子炉内構造物、蒸気発生器の圧力容器および内部構造物、クロスベッセルなどの主要機器。Xエナジー社はプレスリリースで、IHIは、現在の米国では商業規模での確保が難しい高度な原子力製造能力を有していると評価。同社のExecutive Vice PresidentのD. バティア氏は、「原子力の大規模展開には、単一のサプライヤーだけでは対応しきれない生産能力と専門性が求められ、これを前進させるには志を同じくする国際的なパートナーによる連携が不可欠だ」とコメント。そのうえで、「IHIとの協業機会を模索できること、そして日本の優れた製造技術と米国のイノベーションを組み合わせ、共通の目標の実現を目指せることを期待している」と意欲を示した。
18 Mar 2026
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3月14、15日に都内で開催されたインド太平洋エネルギー安全保障閣僚・ビジネスフォーラム(IPEM)の会期中、2つの原子力関連セッションが開かれ、今後の同地域での原子力の展開をめぐり日米産業界関係者による活発な議論が行われた。「インド太平洋地域のエネルギー安全保障と経済成長を支える原子力」と題する14日のパネルには、増井原産協会理事長、M.コースニック米原子力エネルギー協会(NEI)理事長、ウルバヌス米エネルギー省(DOE)次官補代理、Radiant Nuclear社のバランワルCEO、GEベルノバの田中ディレクターが登壇した。パネルの中で増井理事長は、日本の原子力には設計から運用に至る原子力バリューチェーン全体にわたる統合的な能力、約8万人の従事者に加え政府関係者や研究者を含む豊富な人的資源、100年にわたる原子力ビジネスサイクルに長期的にコミットできる能力の3つの優位性が備わっているとした上で、異なるステークホルダーが長期にわたり協力し合うことで、新規導入国に対して技術と専門知識の両面から包括的な支援を提供できる点を強調。インド太平洋地域で原子力の展開が成功するためには、地元産業をサプライチェーンに早期に取り込み、日米を始めとした同志国が支援することが重要としたほか、導入国が技術選択する際には、設計の成熟度、実際のプロジェクトの有無、サプライチェーンの準備状況の指標からなる「展開可能性」に基づき判断すべきと指摘した。コースニック氏は、世界的に原子力が特別な転換期にあるとした上で、データセンターやAI利用など、急速に増加する電力需要を満たせると述べ、インド太平洋地域の様々な市場規模に対応可能な原子力技術の拡張性について、「Nuclear for You(あなた方に適した原子力)」を提供できることが強みだと強調した。バランワル氏は、同社がTRISO燃料を使用した1,000kW出力の可搬型マイクロ炉をテネシー州の施設で年間50基製造可能だとしたほか、2029年までにインド太平洋地域に同炉を展開する見通しを示した。GEベルノバの田中氏は、原子力が単なる興味の対象から不可欠なものへと変わってきていると指摘。カナダOPG社がBWRX-300のSMRプロジェクトを進めていることで、インド太平洋地域の関心が大きく高まったと強調した。翌15日には、前日のパネルにおける議論の内容を深掘りし、出された意見をIPEM参加閣僚に報告することを目的した「ディープダイブ・セッション」が行われた。コースニックNEI理事長、増井原産協会理事長、日米のメーカー、エンジニアリング企業、燃料企業から関係者が参加した。セッションでは3つの質問が用意され、出席者がそれぞれ自社の経験をもとに回答する形で行われた。インド太平洋地域における原子力発電開発を加速させ、初期段階で成功したプロジェクトが継続するために、政府と産業界にはどのような役割がありどのように協力できるかとの質問に対しては、政府には適正な規制の実施、財政支援、人材育成、リスク軽減における役割が期待されるとの意見のほか、新規導入国への展開にあたっては、ステークホルダー間での建設リスク共有や規制のハーモナイゼーションが重要との意見も出された。続いて、原子力導入の急速な拡大を支援し地政学的リスクを軽減するため、同志国間でのサプライチェーン協力を加速させるには、どのような措置が必要かをめぐり意見が交わされた。日本には技術力のある中小企業サプライヤーが多く存在するため、将来のインド太平洋地域への小型モジュール炉(SMR)展開での日本のサプライヤーの貢献を期待しているとの発言のほか、インド太平洋地域における原子力サプライチェーンの発展を加速させるためには、段階的なアプローチが必要とした上で、初号機の納入を確実に成功させることが不可欠であり、資金調達やサプライチェーン開発など、あらゆる段階において最初からすべてを現地化するのではなく、初期段階ではリスク低減が不可欠との意見も出された。インド太平洋地域全体で原子力発電導入を成功させるために、政府、産業界、規制当局において必要となる最も重要な変化や対応は何かとの質問に対しては、各国政府が異なる種類の原子炉に関心があるとしても、標準化し同じアプローチで原子力発電所を建設することが重要との指摘がなされたほか、インド太平洋地域で高品質重視のサプライヤーパートナーを見つけられるかが地域全体の原子力展開の成功の鍵とする意見も出された。
17 Mar 2026
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原子力委員会は3月3日の第9回定例会議で、近畿大学の研究用原子炉「UTR-KINKI」を活用した教育・研究の取組みについて、同大学原子力研究所の若林源一郎副所長(教授)から説明を受けた。今回の報告は、同大学の取組みを共有し、エネルギーの安定供給やカーボンニュートラルの実現に向けた安全な原子力研究の在り方を検討するため、議題として取り上げられた。UTR-KINKIは、同大学原子力研究所が保有する実験用の原子炉であり、教育、訓練及び研究用に広く活用されている。「UTR」とは「University Teaching and Research Reactor」の頭文字を取ったもので、研究用として設計されたため、定格熱出力が1W(約0.24カロリー毎秒)という小出力の原子炉である。放射線量は非常に低く、運転中でも炉心を直接観察できるほか、周辺で見学や作業を行うことができる点が特長のひとつだ。1961年に運転を開始した日本初の教育用原子炉だが、元々は、1959年に東京・晴海で開催された東京国際見本市にて、米国原子力委員会が原子力の平和利用を紹介するデモンストレーションとして展示した教育用原子炉が原型となっている。この展示を見学した近畿大学初代総長の世耕弘一氏が、「日本の将来のエネルギー問題の解決には原子力が不可欠である」との強い信念から、大学で原子力技術者を育成する必要性を感じたことがきっかけとなり、同原子炉の導入が決まったという。現在、日本の大学が保有する研究・教育用原子炉は、近畿大学の同1基と、京都大学の研究用原子炉KURと臨界集合体実験装置KUCAの計3基のみ。さらに、2026年4月にはKURが運転停止となる予定であることから、若林氏は「今後、近畿大学の原子炉の役割がさらに重要になる」と述べた。若林氏によると、近畿大学では、他大学で原子力を専攻する学生らにもUTR-KINKIを活用する機会を提供しているほか、中高生を対象とした研修会、理科の教員向け研修、企業研修、外国人研修などで幅広く利用されており、年間の見学者は約1,000人にのぼるという。また、「特に中高生向けの研修会では、定員を大きく上回る応募があり、原子力分野に関心を持つ若者が多いことがうかがえる」と述べた。そして、UTR-KINKIは研究機関の研究者にも施設を開放しており、放射線検出器の開発研究での利用が多く、その他、医療用装置の開発や福島第一原子力発電所の廃炉研究などにも役立てているという。また、同大学では現在、UTR-KINKIにおける高濃縮ウラン燃料の撤去及び低濃縮化が進められていることにも言及。これは、2022年9月に、核不拡散・核セキュリティの更なる強化に向け、日米間が連携していくことで一致した声明に基づくもので、今後も近畿大学では、文部科学省と協議しながら、低濃縮化を進めつつ同原子炉の運転を継続する方向で進めているという。若林氏は、UTR-KINKIは日本の原子力教育にとって重要な教育インフラであり、「こうした施設を新たに整備することは容易ではない」と強調。そのうえで、「既存施設をできるだけ長く維持し、教育と研究に活用していくことが重要だ」と述べた。一方で、原子炉施設の維持は私立大学にとって大きな負担となっているほか、ANECなどの支援制度はあるものの、主に学生支援にとどまり、「施設維持や人員への直接的支援は十分ではない」とコメント。同インフラの維持は一大学だけの問題ではないと述べ、国全体の課題として、政府や産業界による支援が必要だと訴えた。
17 Mar 2026
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2026年3月7日、静岡大学の大矢恭久准教授らが企画した「STEAM教育手法を活用し、エネルギー・環境問題を基盤とした原子力人材育成」の2025年度の総合討論会が新潟薬科大学新津駅東キャンパスで開催された。同討論会は文部科学省国際原子力人材育成イニシアティブ事業の一環で、日本全国の教育系大学らが連携し、エネルギー・環境問題のリテラシーの高い教員の養成を目指すプロジェクトだ。今年度は教員(主に理科系)を目指す学生が26名参加した。学生たちは前日、柏崎刈羽原子力発電所を見学。その後、新潟市内で北海道教育大学釧路校の森健一郎教授による「STEAM教育の理論と実践」についての講義を受けた。STEAM教育とは、科学(Science)、技術(Technology)、工学(Engineering)、リベラルアーツ(Liberal Arts)、数学(Mathematics)の統合的なアプローチを重視するものであり、特に日本の教育現場においては、文系理系の垣根を取り払った、分野横断的な学びを強化する手法として注目されている。森教授によると、STEAM教育は元々STEM(Science、Technology、Engineering、Mathematics)教育として広まった概念に、Art(芸術・リベラルアーツ)が加わることで、より社会的・文化的側面を含む枠組みとして発展したという。講義では、社会問題を考える際の姿勢として、英国の経済学者アルフレッド・マーシャルの言葉「冷たい頭脳と温かい心」の考え方が紹介された。これは、科学的・論理的に分析する力と、人々の感情や価値観への共感を両立させることが重要だという考え方である。「例えば、ゴミ処理場の建設にあたって、科学的合理性だけでなく住民感情など多様な要素が絡み合うことが往々にしてある。そのため、複数の視点を往復する思考が必要だ」と森教授は述べた。さらに森教授は、主要教科という入試由来の見方にとらわれるのではなく、各教科が持つ本来の役割を理解することが教科横断的な学びにつながると指摘した。最後に森教授は、「教師の役割は完成された知識を与えることではなく、ものの見方というレンズを提供し、学習者の世界の見え方を変えることだ」と強調。冷静な論理と他者への共感を往復しながら社会課題を考える力を育てることこそ、STEAM教育の目指す方向だとまとめた。翌日のポスターセッションでは、26名の学生たちが前後半に分かれ、STEAM教育を活用したエネルギー教育の学習指導案を発表した。同紙では、原子力発電に関連する指導案を作成した学生らへのインタビューを試みた。まず、話を伺ったのが、宮崎大学教育学部の増岡直路さん。増岡さんは「原子力は怖いのか」と題した技術・家庭科の学習指導案を作成した。増岡さんは「原子力発電は、福島第一原子力発電所事故の影響などから、危険・怖いといった印象を持つ人も少なくない。しかし、自然界にはもともと放射線が存在しており、医療や温泉など、日常生活の中でも放射線は利用されている」と指摘。こうした事実を踏まえ、原子力発電をはじめとする各エネルギー技術の利点とリスクの両面について、気づきを与える授業構成を作成したという。そして、放射線の利用例としてラドン温泉などを取り上げることで、放射線と安全性の関係について考察を促し、適切な利用であれば健康に問題がない場合もあることを理解し、技術を感情的に捉えるのではなく、科学的根拠をもとに判断する力を育むことを目指す学習指導案を作成した。科学的には正しいと理解されていても、感情的には受け入れがたいと感じる人は少なくないが、理性と感情の間に生じるこのギャップに対し、どのように折り合いをつけていくのかを学べる授業となるという。感情やイメージだけに左右されるのではなく、科学的根拠に基づいて技術の安全性や社会的役割を考える姿勢が必要とされている。同じく宮崎大学教育学部の鎌田康輔さんは、「未来エネルギーを設計!データで考える原子力」と題した学習指導案を作成。各発電方法の原理を科学的に理解した上で、電力需要や予算、二酸化炭素排出量などの条件を設定し、エネルギーミックスの最適解を考えさせる授業だ。トレードオフや最適化の視点を学ぶことが可能で、将来のエネルギー計画を自分たちで設計する探究型学習になっている。鎌田さんによれば、同指導案を通じて、発電方法をめぐる議論を、感情や印象だけで判断するのではなく、データを基に合理的に考える力を養うことが狙いだという。宮城教育大学教職大学院の佐々木春花さんは、高レベル放射性廃棄物の処分問題を扱った学習指導案を作成。エネルギーミックスや原子燃料サイクル等の基礎知識から学習し、高レベル放射性廃棄物の最終処分方法の調査・議論・発表を段階的に行う構成だ。佐々木さんは、大学在学中に青森県六ヶ所村を訪問し、日本原燃の職員から同事業に関する説明を受けた経験があり、それが当指導案の作成のきっかけになったという。「現地で話を聞いたことで、高レベル放射性廃棄物の処分方法が地層処分に至った経緯を深く理解することができた。その経験を活かして子どもたちが考えるきっかけにしたい」と展望を語った。島根大学教育学部の玉木愛梨さんは、「カーボンニュートラルの実現に向けた取り組み 今後の日本の電源構成を考えよう」と題した学習指導案を作成。中学校の社会科(地理)の教科書に掲載された各国の電源構成や排出量のグラフを読み取り、国によって電源構成が大きく異なることに気づかせたうえで、「日本ではどのような電源構成が望ましいのか」を考える探究課題を設定した指導案になっている。各国の資源、地形、気候などの特徴を整理しながら電源構成の背景を分析する力を身に付ける狙いがあるという。その後、地形や気象条件の制約がある日本における実現可能な電源構成を言語化する段階的な思考プロセスを設計している。玉木さんは、島根県の発電事情に言及したほか、松江市に立地する島根原子力発電所があることから、同県ではエネルギーについて学習しやすい環境にあるのではないかと語った。そして、「私自身が好きだった教科のひとつである地理の視点を軸にしながら、STEAM教育の概念を取り入れて指導案を作成した」と説明。また、情報は集めるだけでなく再構築して初めて自分の考えになるという同STEAM教育の可能性を言及した。各学生とも、STEAM教育の要素・概念については、科学(Science)と技術(Technology)の区別が難しい場面があるといった意見や、A(アート)の扱いについて、感情や価値観、時には政治的な要素も関わるとし、科学や技術と比べると理解しづらい側面があるとの意見が挙がった。一方で、教育内容を構造的に整理する枠組みとして有効だと指摘する声や、理科に対して「計算が多くて難しい」「覚えることが多い」と感じる子供たちが他教科との関連を意識することで、理科への興味を高める契機になるとの声が寄せられた。多様な視点を取り入れることで、生徒の理解や関心、そして考える力を養う授業づくりにつながるのではないかとの期待が示された。今回の総合討論会では、STEAM教育の意義が改めて示され、実際に学習指導案に採り入れやすい概念だとの認識が多数を占めた。同原子力人材育成イニシアティブ事業のプログラムディレクターを務めた名古屋大学大学院工学研究科の山本章夫教授は講評で、当日のポスター発表について、「着眼点が多様で非常に興味深く、多くの気づきを得ることができた」と評価した。また静岡大学の大矢恭久准教授が主導する本プログラムには毎年参加し、「今年も大変楽しませてもらった」と述べた。また、福島第一原子力発電所の事故から約15年が経過し、エネルギー情勢や国際情勢の変化を背景に原子力に対する社会の受け止め方も変化しつつあるとの認識を示した上で、「重要なのは事実に基づいて議論できる資質を持つ学生を育てること」と強調した。一方で、科学的に正しいと考えられている事象だからといって、それを一方的に押し付ける姿勢では、社会の理解は得られにくいとも指摘。例えば、「放射線治療を避けて代替療法を選ぶ人が身近な家族に居た場合どう向き合うか」という問いを紹介し、「第三者として議論をするのと、自分の身近な問題として考える場合では状況は大きく異なる。唯一の正解があるとは限らない」と述べた。そのうえで、「自分の頭で考え、判断できる人材を育ててほしい」と参加した学生らに呼びかけた。原子力に対する立場についても「賛成でも反対でも構わないが、考え抜いたうえで自分の立場を持つことが重要だ」とし、今後、次世代の学生を育てる教育者としての役割に期待を寄せた。
16 Mar 2026
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インド太平洋エネルギー安全保障閣僚・ビジネスフォーラム(IPEM)に出席した日本原子力産業協会(原産協会)と米原子力エネルギー協会(NEI)は14日、インド太平洋地域における原子力発電の展開に向けた産業界の連携強化を目的とする協力覚書(MOU)を締結した。原産協会は1994年のNEI発足以来、長年にわたり交流・協力関係を築いてきた。2023年のG7気候・エネルギー・環境大臣会合では、両団体が原子力関連サイドイベントを共催するなど実績を重ねている。近年、特に小型モジュール炉(SMR)技術を中心にインド太平洋地域で原子力発電への関心が高まっていることを背景に、今回、両組織間で正式な覚書を締結することとなった。覚書では、インド太平洋地域の協力に資する政策対話や情報交換の促進のほか、政府や国際機関などと連携し、同地域における原子力の開発・利用を支援することなどを盛り込んでいる。原産協会の増井理事長は「両者の協力は30年以上にわたり実りある関係を築いてきた。これまで正式なMOUがなくても協力関係がごく自然に発展してきたことの表れでもあるのだと思う」と述べたうえで、「今回、インド太平洋地域での協力を盛り込んだMOUの締結により、将来に向けてさらに緊密に連携していきたい」と語った。またNEIのM.コースニック理事長は「両者の正式な協力枠組みが整い、米国にとって戦略的に重要なインド太平洋地域に重点が置かれたことは、今後の活動にとって非常に有益なものになる」と述べた。
16 Mar 2026
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