
革新炉の研究開発に取り組むスタートアップ企業、ブロッサムエナジー(東京都台東区)は9月30日、米国船級協会(ABS)と海外の海運会社と共同で、高温ガス炉(HTGR)を搭載した原子力推進LNG船の技術・経済性を評価したと発表した。成果は9月にタイ・バンコクで開かれた「Gastech 2026」で発表。温室効果ガス(GHG)規制に伴う負担を複数のシナリオで想定して経済性を評価した結果、従来のLNG燃料船と比べ、総所有コスト(Total Cost of Ownership=TCO)を最大15%低減できるとの試算を示した。 評価対象は、積載容量17万4,000立方メートル級のLNG船。同社が開発する出力2万~2万5,000kWe級のHTGRの搭載を想定し、原子炉の寸法や燃料交換周期などを検討した。2040年の就航、25年間の船舶寿命、5%の割引率などを前提に、ライフサイクル全体のTCOを評価した。 原子力推進船の初期投資額は従来のLNG船の約2.5倍となる一方、燃料費やGHG排出に伴う費用を抑えられる。GHG規制に伴う負担を考慮したシナリオでは、TCOは従来船比で最大15%低減した。一方、GHG関連の課金を考慮しない場合には、現状想定する初号機(FOAK)の原子炉コストでは、従来船に対するTCO上の競争力を確保することは難しいとした。原子炉の量産化や設計の標準化、原子炉搭載を前提とした船舶設計によるコスト低減が課題となる。 研究では、原子炉を船舶の一部ではなく、長期間利用する「エネルギー資産」として扱う事業モデルも検討された。船舶が寿命を迎えた後、原子炉を別の船舶に再搭載して利用することを想定し、その可能性を残存価値の評価に織り込んだ。 国際海運ではGHG排出規制への対応が課題となっている。国際海事機関(IMO)は2023年7月、2050年ごろまでに国際海運からのGHG排出をネットゼロとする新たな削減戦略を採択した。ブロッサムエナジーは今後、研究で得られた知見を踏まえ、HTGRの経済性向上に向けた技術・規制面の検討を進めるとしている。
09 Oct 2026
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原子力分野の人材確保・育成を産学官で進める「日本原子力人財コンソーシアム(J-AHRC)」が10月7日、発足した。政府が原子力の最大限活用を掲げ、将来的な原子力発電所の建て替えを見据える中、人材の確保・育成が課題となっている。コンソーシアムでは今後、将来の原子力人材の需給ギャップを分析し、今年度内に今後の取り組みに向けたロードマップの策定をめざす。 同日、経済産業省内で設立会合が開かれ、電力会社、メーカー、大学・研究機関、関係省庁などの代表者が出席した。冒頭、日本原子力産業協会の増井理事長がコンソーシアムの設立趣旨や運営体制を説明した。 コンソーシアムは、2010年に発足した「原子力人材育成ネットワーク」を発展的に改組したもので、従来の情報共有中心の連携から、具体的な課題解決に向けた実行体制へと機能を強化する。従来の84機関が引き続き参画する予定で、日本原子力産業協会や電力会社、メーカー、経済産業省、文部科学省、原子力規制庁など13の発起組織が運営を担う。意思決定機関や実務統括組織を設けるほか、発起組織から人員を派遣して常設の事務局を置く。 当面の重点課題は、将来必要となる原子力人材の需給ギャップの把握と、ロードマップの策定だ。電気工事、溶接、建設、据え付けなど、職種や専門分野ごとに必要な人材の規模をできる限り詳細に分析する方針。ロードマップには、人材の必要数や課題解決に向けた取り組み、関係機関の役割などを盛り込み、2026年度内の取りまとめを目指す。 会合に出席した資源エネルギー庁の村瀬佳史長官は、原子力が設計、建設、運転、保守、研究開発から原子燃料サイクル、廃炉まで幅広い専門人材に支えられていることを指摘し、「原子力政策の鍵となるのは人材」と強調。コンソーシアムに対し、個々の組織では解決が難しい課題に産学官が連携して取り組む「司令塔」としての役割に期待を示した。
08 Oct 2026
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千葉大学ハドロン宇宙国際研究センターが参加する国際共同研究「IceCube(アイスキューブ)実験」を率いてきた米ウィスコンシン大マディソン校のフランシス・ハルゼン教授に、2026年のノーベル物理学賞が贈られることが決まった。スウェーデン王立科学アカデミーが10月6日に発表した。日本からは千葉大が同実験に唯一参加している。IceCube実験は、南極点の地下1,450~2,450mの氷の中に5,160個の高精度光検出器を埋め込んだ、世界最大規模のニュートリノ((素粒子(それ以上分けられない最小単位の粒子)の一つ。電荷を持たないため他の物質とほとんど反応せず、質量も極めて小さい。「幽霊粒子」とも呼ばれ、太陽や原子炉、宇宙線などあらゆる場所で生まれている。))望遠鏡で、宇宙から飛来する高エネルギーニュートリノ((通常のニュートリノの100万倍以上のエネルギーを持ち、ブラックホール周辺など宇宙の極端な現象でしか生まれない。電荷がなく進路が曲がらないため、発生源の天体を特定する手がかりになる。))を観測する国際共同プロジェクト。千葉大のグループは2002年の国際共同チーム発足当初から参加し、ハドロン宇宙国際研究センターのニュートリノ天文学部門が研究を担ってきた。2011年の本格観測開始後、2012年に千葉大グループ主導の解析で超高エネルギーニュートリノを世界で初めて検出し、2013年にはそれが宇宙起源であることを確立、2018年には発生源天体を世界で初めて同定した。授賞理由は「IceCubeニュートリノ観測所への決定的な貢献および天体物理学的起源をもつ高エネルギーニュートリノの発見」。ハルゼン教授はIceCube実験の発案者で、構想から建設・運用まで一貫してプロジェクトを率いてきた。千葉大の横手幸太郎学長は「今回、この国際研究プロジェクトの功績が世界で最も権威ある賞の受賞につながったことは、我々にとっても大変名誉なこと」とコメントを発表し、千葉大グループを率いる理学研究院の吉田滋教授は、2002年の発足当初に参加した際には、有用な成果は難しいだろうという意見が圧倒的多数であったことを振り返り、「最初の宇宙ニュートリノ信号が日本グループの解析で同定されたことを思い返すと、全力を出し切った者にのみ、たまに幸運の女神が微笑むこともある、という古くからの格言の言わんとすることを身にしみて感じる」と語った。
07 Oct 2026
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電力中央研究所の原子力リスク研究センター(NRRC)は9月30日、東京都内の大手町三井ホールで「NRRCシンポジウム2026」を開催した。「PRA技術水準の到達点」をテーマに、確率論的リスク評価(PRA-Probabilistic Risk Assessment)の技術開発や原子力発電所の安全性向上に向けたリスク情報活用の成果、今後の課題を報告した。 NRRCは、原子力事業者の自主的な安全性向上を支える研究開発拠点として、2014年に設立された。シンポジウムの開催は2018年以来8年ぶり、3回目。 PRAは、原子炉を「止める・冷やす・閉じ込める」といった安全機能が失われ、事故に至るさまざまなシナリオを洗い出し、その発生頻度や影響を定量的に評価する手法。得られたリスク情報を、従来の安全性評価や運転経験などと組み合わせ、安全対策の優先順位の検討などに役立てる。国内では、福島第一原子力発電所事故の教訓をふまえ、規制や事業者による自主的な安全性向上活動への活用が進められてきた。 基調報告でジョージ・アポストラキス同センター所長は、過去の国内PRAでは何を評価しても炉心損傷頻度(CDF)((炉心損傷頻度(CDF):機器の故障データなどから、炉心損傷に至る各事故シナリオの発生頻度を算出・合計した推定値で、実際の事故件数ではない。原子炉1基・1年当たりで表し、10⁻⁶/炉年は100万炉年当たり1回に相当する。))が10⁻⁶と報告されてきた状況を「10⁻⁶の文化」と表現し、PRAへの信頼性の低下を招いたと指摘した。そのうえで、海外専門家によるレビューなどを通じた品質向上の取組みを紹介し、現実的にリスクを把握し、安全性向上に生かす重要性を強調した。米国では、内的事象((内的事象:機器の故障や運転員の操作ミスなど、発電所内部で生じる事故のきっかけとなる事象。地震・津波などの外部事象とは区別して評価される。 ))によるCDFの業界平均が1992年比で2023年ごろには約20分の1に低下したと説明。保全規則や設備対策などの要因もあるとしつつ、主にリスク情報の活用の成果との見方を示した。 また、原子力規制庁の古金谷敏之・核物質・放射線総括審議官は、事前収録の基調講演で、運転中保全(オンラインメンテナンス)の現場実証など、リスク情報を活用した規制の取組みを紹介した。 NRRC担当者による報告では、「現状の到達点」として、発電所の実態をより正確に反映する評価手法の開発成果が紹介された。地震PRAでは、従来、地盤が損傷すればただちに炉心損傷に至るものとして評価していた。これを改良し、地盤の変形が建屋や機器にどう影響するかまで評価することで、重要な事故シナリオをより的確に把握できることを確認した。津波PRAでは、実際の発電所の設備配置などを基に建屋内への浸水経路を詳しく分析し、浸水防護対策の効果を反映した評価が可能になったと報告した。 「今後の開発」では、評価対象をさらに広げる取組みを紹介。竜巻PRAでは、風速や飛来物の衝突、防護設備の性能を評価する技術が整い、今後は実機情報に基づく試評価を進める段階にある。また、地震と津波が重なる場合や、複数号機で同時に事故が起きる場合など、福島第一原子力発電所事故の教訓を踏まえた評価手法の開発にも取組んでいる。 閉会にあたり、同センターの朝岡善幸所長代理は、PRAで得られるリスク情報を安全性向上のための意思決定に活用できる段階に到達したとの認識を示した。今後は評価対象の範囲をさらに広げて手法開発を進めるとともに、得られたリスク情報を実際の安全性向上にどう生かすかが、一層重要になると締めくくった。
07 Oct 2026
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日本原子力産業協会の増井秀企理事長は10月2日の定例記者会見で、120万kW規模の原子力発電プラント1基の工事・運転・廃炉のライフサイクルを通じた経済波及効果を約4.3兆円と試算したことを明らかにした。原産協会がこうした試算を公表するのは今回が初。増井理事長は会見冒頭で、原産協会が公表した資料「安全性を大前提とした、数字で示す!原子力発電プラント1基のさまざまな価値」を説明。政府が発表した今後の原子力政策の方向性と行動指針の中で、2040年代までに最大5基、2050年代までに最大14基の原子力発電所の建て替えが必要とされる中、原子力発電プラント1基の価値を3E((安定供給(Energy Security), 経済効果(Economic Efficiency), 環境への適合(Environment)))の観点から整理したという。今回、初めての取組みとして公表した、経済波及効果は政府の2025年発電コスト検証ワーキングで用いられたデータや総務省の2020年版産業連関表((国内経済において一定期間(通常1年間)に行われた財・サービスの産業間取引を一つの行列(マトリックス)に示した統計表))を用いて、直接効果と一次効果までを試算の対象とした。1基建て替えによるプラントライフサイクル全体の国内経済全体の波及効果の合計は4.3兆円、建設中には年間1.4万人の雇用が誘発されると示した。このほか、安定供給の観点から、機器類の国産化率90%以上、国内で保有する原子燃料で発電を維持できる期間を表す燃料備蓄効果が2.9年分、環境の観点から発電時のCO2排出量ゼロなどを説明した。また最も伝えたいメッセージとして、「原子力の利点は単なる経済波及効果だけでなく、安定的な供給と優れた環境適合性の上にさらに経済波及効果があるということ」を挙げた。また、茨城県常陸大宮市での高レベル放射性廃棄物(HLW)の地層処分地選定に向けた文献調査受け入れ表明について言及。科学的に適した処分地を選定するためには全国の複数地点での調査が不可欠であり、今回の受け入れ表明によって調査地域が広がることは極めて意義が大きいとした。記者からの質疑応答では、今回発表した原子力の経済波及効果に関する質問が相次いだ。資料で年間510~725億円としている化石燃料の削減コストについて、ホルムズ海峡をめぐる情勢の影響で足元のLNG価格が今回の算定根拠より上昇しているとの指摘に対し、増井理事長は、現在の価格を反映すると削減効果はさらに大きくなるとしつつ、今回は公的なデータを用い、効果を過大に見せることなく、化石燃料コストの削減という観点から原子力発電の価値をニュートラルに示すことを意図したと説明。さらに新設炉の経済効果試算について問われた際には、政府の発電コスト検証ワーキングで革新軽水炉の評価が行われた場合、改めて価値を試算する可能性があるものの、革新軽水炉は現時点で国内での建設実績がなく、検証が難しいと述べるにとどまった。
06 Oct 2026
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世界原子力発電事業者協会(WANO)の第18回隔年総会が9月29日~30日、東京で開催され、「継続的改善文化の醸成(Fostering a Continuous Improvement Culture)」をテーマに、38の国と地域から400名以上の原子力関係者が参集。業界動向、AIが効率性・生産性に与える影響、グローバルサプライチェーン、SMR(小型モジュール炉)がもたらす機会についてのパネルディスカッションなどが行われた。WANOの千種直樹CEOは、原子力業界は引き続き高い安全実績を維持しているが、その卓越性を持続するためには継続的な改善が不可欠とし、「WANOと会員は、高度なデータ分析、デジタル技術、そしてAIの活用を進めることで、パフォーマンスの把握、監視、改善のあり方を大きく変革している」と述べ、「今後の重点は、継続的改善を単なる施策ではなく、世界の原子力業界のあらゆるレベルにおける意思決定を支える、深く根付いた考え方として定着させることにある」と強調した。総会では、国際原子力機関(IAEA)のR.グロッシー事務局長からビデオメッセージが寄せられたほか、経済協力開発機構/原子力機関(OECD/NEA)のW.マグウッド事務局長や世界原子力協会(WNA)のサマ・ビルバオ・イ・レオン事務局長が講演やパネルディスカッションに参加した。WANOの総裁を務める東京電力ホールディングス(東京電力HD)の小早川智明社長は「原子力は安全を最優先としつつ、低炭素で安定した電源として重要な役割を果たすことがこれまで以上に期待されている」とし、新技術や新しい原子力事業者の参入の波の中で、技術や国が異なっていても、互いに過去の教訓をしっかり学び、活かす必要があると述べた。次回、2028年の総会は中国・上海で開催され、中国核工業集団(CNNC)がホストを務める予定。
05 Oct 2026
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東京電力ホールディングス(東京電力HD)は10月1日、福島第一原子力発電所2号機で、ロボットアームを用いた内部調査や燃料デブリの試験的取り出しに、本日10月2日に着手すると発表した。ロボットアームの現場での使用は今回が初。3、4か月かけてアクセスルートの構築や原子炉格納容器の内部調査を行い、原子炉格納容器の三次元形状データの取得を実施する予定。その後の燃料デブリ採取や分析を含めて全体で約6か月の作業期間を見込むが、安全を最優先に作業を進めることから、予定より作業期間が延びる可能性もあるという。実際に燃料デブリの試験的な取り出しを実施するのは2027年以降。ロボットアームは全長約22メートル(ワンド((さまざまな先端ツールを取り付ける部位))を除くと約18メートル)、重さは約4.6トン。英国企業とともに開発を進めてきたもので、途中新型コロナウイルスの影響や装置の不具合などで延期が重なりながらも、今回の使用に至った。発表と同日に開かれた記者会見で、東京電力HDの福島第一廃炉推進カンパニー・プレジデント兼廃炉・汚染水対策最高責任者の小野明氏は、「ようやくここまで来たな」という思いであるとしつつ、今回の取組みでロボットアームがどのように使えるか、次回以降の燃料デブリ採取に繋げていきたいと話した。今回取得した三次元形状データをから、原子炉格納容器内部の状況を詳しく分析し、今後の燃料デブリの取り出し作業の進め方や機材の使用方法などを検討するという。
02 Oct 2026
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マッキンゼー・アンド・カンパニーは、日本経済や企業の成長戦略を分析した最新レポート「新時代の日本へ:躍動と成長に向けた競争力の再構築」の日本語版を9月30日に公開。日本の原子力発電産業を、決定的な規模を確立し、バリューチェーン全体で競争することで、グローバルで主導的なポジションを築くことが重要とする「戦略投資(Shape)」の領域に分類した。「戦略投資(Shape)」に分類されるのは、世界のGDP成長の最大1/3をけん引すると見込まれる18の産業領域のうち、日本が強みを持ち、重要度も高い産業で、原子力発電以外に、半導体、蓄エネルギーシステム、ロボティクスが選ばれている。マッキンゼーは日本の原子力発電産業を、「世界でも数少ないサプライチェーンを一気通貫で供給可能な基盤を有する国」と表現し、「世界で電力需要が急増し原子力発電が注目されるなかで、次世代型の開発・設計・保守運用の領域において構造的な優位性を有している」と評価。さらに、AIの急速な普及を支えるデータセンターの急増により日本の電力需要は増加傾向にあり、電力の慢性的な不足が見込まれる中で、エネルギー安定供給の重要な柱として原子力や大型の火力電源のリプレース・新増設が重要と指摘した。一方、日本では多くの原子炉が再稼働しておらず、新設も進まないなかで、原子力技術者や機器製造などのサプライチェーンが失われつつあり、日本の国際的な競争力が低下していることを課題として挙げた。こうした「待ったなしの状況」が打開できれば、日本が持つ貴重な技術・エンジニアリング人材をさらなる成長の原動力として生かすとともに、小型モジュール炉(SMR)開発などの次世代技術でも競争力を確立するための基盤を築くことができると分析した。なお、マッキンゼーは今後、各分野に日本企業がどのように注力し、競争力を築くべきかを掘り下げる追加のレポートを作成予定。
01 Oct 2026
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茨城県常陸大宮市の鈴木定幸市長は9月30日、国が申し入れていた、高レベル放射性廃棄物(HLW)の地層処分地選定に向けた文献調査を受け入れると表明した。同日、常陸大宮市役所で開いた記者会見で、鈴木市長は受け入れを決めた理由として、①高レベル放射性廃棄物の地層処分に向けた取組みは国策であり、その国策に一自治体として貢献できるという大きな意義、②消滅可能性自治体((2024年に民間組織「人口戦略会議」が発表した、2050年までの30年間で、20~39歳の女性の人口が半数以下に減少する自治体))である常陸大宮市にとって、地層処分への貢献が市の存立基盤の強化につながる可能性があり、市民を含めた議論を通じて、その可能性を未来へ繋げること、③文献調査によって常陸大宮市の地下環境を科学的かつ集中的に分析することは、減災・防災の面からも地域の財産になること――などを挙げた。鈴木市長は、これまで前向きに検討を行ってきたと語り、文献調査は「スタートラインに立つ前段階」という認識を示した。今後、文献調査について説明し、市民の懸念や疑問に答えるため、広報紙の号外を作成する予定。さらに、住民への説明に対応する専門職員も配置するという。原子力発電環境整備機構(NUMO)の山口彰理事長はコメントを発表し、「特定放射性廃棄物の最終処分と文献調査に関心を持ち、議論していただいたことに敬意を表しますとともに、このたびの鈴木市長のご判断に心から感謝申し上げます」としたうえで、最終処分や文献調査に関する常陸大宮市民の関心や疑問、不安に応え、理解と議論を深められるよう尽力するとした。なお常陸大宮市には、放射線を利用した品種改良研究を行う放射線育種場(ガンマーフィールド)が長年置かれていたが、2025年9月末に廃止された。
01 Oct 2026
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東京都小笠原村は9月25日の村議会で、南鳥島で進む高レベル放射性廃棄物の最終処分地選定に向けた文献調査に伴う交付金について、交付される全額を受領し、公共施設整備などに充てる基金として積み立てる意向を示した。2027年度当初予算案に盛り込む方針。 村によると、9月8日に国から交付金事業の方向性について確認があり、公共施設整備などに要する基金の造成を目的に、全額を2027年度に予算措置する方針を報告した。文献調査の実施に伴う交付金は、国から2年間で最大20億円が交付される。 質疑では、平野悠介総務委員会副委員長が、村民から寄せられた使途に関する声を紹介。島外で医療を受ける際の滞在費助成や島内での人工透析、出産支援、老人ホームの拡充、学校給食、体育館の冷房、住宅不足対策、停電対策などが挙げられた。 渋谷正昭村長は、村民からさまざまな提案が寄せられているとした一方、交付金には使途の制約があり、すべての事業に充てられるわけではないと説明。「しっかりと目的を明確にした上で使わせていただきたい」と述べた。今後、具体的な使途を盛り込んだ事業計画を作成し、12月の村議会で示す考えだ。 南鳥島を対象とした文献調査は、最終処分地選定に向けた第1段階にあたる。今年5月に南鳥島での文献調査実施に伴う原子力発電環境整備機構(NUMO)の事業計画変更を経済産業省が認可し、調査が正式に始まった。村はNUMOや経産省と連携し、地層処分や原子燃料サイクルなどをテーマに、住民向けの説明や意見交換、勉強会を進める方針を示している。
29 Sep 2026
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日立製作所、米GEベルノバ社、ポーランドの小型モジュール炉(SMR)開発・投資会社であるシントス・グリーン・エナジー(SGE)社、韓国の建設大手サムスンC&T社(サムスン物産)は、このほど、中・東欧および英国における、米GEベルノバ日立ニュークリアエナジー(GVH)社製SMR「BWRX‐300」(BWR, 30万kWe)の導入拡大に向け、市場開拓および事業機会の検討に関する協力の枠組みを定めた覚書(MOU)を締結した。今回のMOUは、国連総会にあわせてニューヨークで開催されたアトランティック・カウンシル主催のNuclear Energy Policy Summit(原子力エネルギー政策サミット)で、署名が行われた。今年7月に行われた日米韓外相会合で締結されたSMRに関する日米韓協力覚書(MOC)につながるものとしている。4社は今後、原子力技術、エンジニアリングおよびプロジェクト遂行に関する各社の知見と、地域開発に関する専門性を結集し、BWRX-300の導入に向けた市場機会の評価や、導入戦略のさらなる検討を進めるとともに事業機会の創出に向けて協力するという。GE ベルノバ社と日立製作所の合弁会社であるGVH社が、BWRX‐300の設計や技術提供を担い、日立製作所の子会社である日立GEベルノバニュークリアエナジー社は、原子力技術および同業界における幅広い知見を提供し、サムスン物産は、国際的なエンジニアリングおよび建設能力を活かす。SGEは、既に欧州においてBWRX-300の複数基展開を進めており、当該地域のBWRX-300の導入を取りまとめる役割だ。日立製作所の稲田康徳執行役常務(原子力ビジネスユニットCEO)は、「今回の協力において、各社が有する強みと専門性を結集する中で、日立は、原子力事業で培った技術力と実績ある日本のサプライヤーとの連携を通じて、欧州におけるBWRX-300導入に向けた検討を加速させる」と語った。BWRX-300は既にカナダのダーリントン新・原子力プロジェクト(DNNP)サイトで建設が進められており、2026年3月に運転認可の申請が行われたほか、米国ではTVAのクリンチリバー・サイトで建設が計画、検討されている。
29 Sep 2026
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中国電力は9月25日、脱炭素成長型経済構造移行推進機構(GX推進機構)の金融支援を活用し、脱炭素に向けた取組みを対象とする「トランジションローン」により、総額1,490億円を調達すると発表した。調達資金は島根原子力発電所3号機(BWR=ABWR, 137.3万kW)の安全対策工事などに充当する。 GX推進機構の債務保証制度を活用し、みずほ銀行、日本政策投資銀行、三井住友銀行、三井住友信託銀行、三菱UFJ銀行、りそな銀行、SBI新生銀行、信金中央金庫の8金融機関から融資を受ける。島根3号機の安全対策工事のほか、明塚水力発電所(島根県)の水車・発電機を更新し、発電効率を向上させる工事などに充てる。契約締結は28日、融資実行は30日。 中国電力がGX推進機構の金融支援を活用して資金を調達するのは、今年3月に続き2回目。初回は5金融機関から融資を受け、島根3号機の安全対策工事と豊川水力発電所(島根県)のリパワリング工事に充当した。同社は、脱炭素電源への中長期的な投資に向け、今後も同スキームの継続的な活用を検討する方針を示している。
28 Sep 2026
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中部電力は9月25日、浜岡3、4号機(BWR、3号機:110.0万kW、4号機:113.7万kW)の新規制基準に係る原子炉設置変更許可申請および4号機の新規制基準に係る工事計画認可申請および保安規定変更認可申請についての申請取り下げを原子力規制委員会(規制委)に提出した。取り下げ自体は、基準地震動評価における不適切事案に関する、外部専門家による調査委員会の調査報告書の内容を踏まえ、従前の申請を維持することは適切でないとの判断から、9月14日の臨時取締役会で決定していた。中部電力は今回、改めて謝罪を表明。二度と同様の事案を発生させないために、ガバナンスおよび組織風土を解体的に再構築することを目指し、「意識・行動の変革」「組織風土の改革」「ガバナンス・牽制機能の変革・強化」を柱とする経営改革に取り組むとした。
28 Sep 2026
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第3回国際原子力科学オリンピック(INSO2026)の日本代表選手団の報告会・解団式が9月27日、東京大学医学部1号館講堂にて開催された。8月にサウジアラビアで開かれた大会に出場した高校生4選手は、金メダル2個、銅メダル2個を獲得。日本代表は昨年に続き、出場選手全員がメダルを獲得した。大会では3時間半の実験試験と5時間の理論試験が行われた。実験試験では、原子炉シミュレーターを用いた課題をはじめ、放射線測定、年代測定、農地のセシウム汚染、医療放射線利用など幅広いテーマが出題された。選手からは、大会を通じて原子力への関心が深まったとの声が聞かれた。金メダルを獲得した霜崎洸我さん(広島大学附属高等学校2年)は、当初は原子力への強い関心から参加したわけではなかったものの、学習を進める中でその面白さを感じるようになったと説明。大会後には原子力関係の研究実習への参加や企業へのコンタクトなど、行動の幅も広がったとし、来年のINSOでは「世界一を取ってみたい」と意欲を示した。ベトナムで開催される別の大会に参加するため欠席した金メダリストの長田知樹さん(灘高等学校3年)は、ビデオメッセージでコメントを寄せ、将来志す天文学・宇宙物理学と原子力科学には「核融合やビッグバン元素合成など、共通する部分もある」と語った。また、海外選手との交流も大きな経験となった。原子力産業新聞の取材に対し、本田弘徽さん(麻布高等学校3年)は、大会後もSNSを通じて海外選手と交流しているとし、歴史教育について意見を交わした経験から「海外の文化や教育の違いを肌で実感した」と振り返った。入山哉太さん(攻玉社高等学校2年)は、英語に不安を感じていた中で海外選手の優しさに助けられたと振り返り、大会後も交流が続いていると紹介。現在もカタールの選手からオンラインで英語を教わっているという。閉会にあたり、国際原子力科学オリンピック日本代表選手団出場支援委員会の飯本武志委員長(東京大学アイソトープ総合センター教授)は、海外の同世代との交流を通じた選手の成長を強調し、「こういうメンバーたちが日本のリーダーになり、国際社会のリーダーになっていく」と期待を寄せた。第4回INSOは2027年に開催予定で、日本代表候補の募集は10月中旬頃から開始される予定。
28 Sep 2026
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東芝は9月18日、沸騰水型軽水炉(BWR)向けの新型燃料集合体「NX1型」について、原子炉等規制法に基づく設計の型式証明を原子力規制委員会に申請したと発表した。 燃料体の型式証明申請は、6月に初の証明を取得したグローバル・ニュークリア・フュエル・ジャパン(GNF-J)の「GNF3型」に続く2件目となる。NX1型は、東芝と完全子会社の原子燃料工業が共同開発した。 燃料棒の配列を従来の9×9から10×10に変更し、高性能スペーサや改良合金製の被覆管を採用することで、安全性・信頼性の向上が期待できるとしている。 燃料集合体1体当たりのウラン重量の増加と取出燃焼度の向上により、使用済み燃料の発生量低減にも寄与するという。 BWRやABWRのほか、東芝が開発する革新軽水炉「iBR」への装荷も想定する。海外では1990年代から10×10燃料の導入が進み、現在の主流となっている。 国内では2022年4月、規制委と事業者の意見交換会で、BWR事業者側が導入を課題に挙げ、型式証明を活用した合理的・効率的な審査を要請。 双方は、型式証明の雛形作りを手始めに、実務的な検討を進めることでおおむね一致した。 その後、GNF-Jが2023年1月にGNF3型を申請し、取得までに3年5か月を要している。型式証明は、メーカーが自ら申請できる機器設計の審査で、実際の燃料装荷には事業者による設置変更許可などの手続きが別途必要となる。
25 Sep 2026
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東京電力ホールディングス(東京電力HD)、日本原子力発電、リサイクル燃料貯蔵(RFS)は9月18日、青森県むつ市にある中間貯蔵施設のリサイクル燃料備蓄センターについて、関西電力および東北電力と連携し、新たに2社分を含めた中長期の使用済み燃料搬入計画を同市に提出した。新たな計画における使用済み燃料の搬入量は、東京電力HD 3,500トン、日本原子力発電 900トン、関西電力 500トン、東北電力 100トンの合計5,000トン。当初の計画では、使用済み燃料の予定搬入量を5,000トンとしていたが、2011年の東日本大震災を契機とした原子力発電所の稼働状況の変化により、東京電力HDと日本原子力発電だけでは5,000トンに至らない可能性が高まったという。2025年12月、むつ市からの当初計画の実現を求める要請や、エネルギー基本計画への貢献等をふまえ、計画の再検討の必要性を青森県とむつ市に報告。今年8月に入ってむつ市から事業者間連携も含めた計画の再検討を求められ、各電気事業者に打診したところ、関西電力と東北電力から参画の意向が示され、今回の計画提出に至った。なお、関西電力は従来から、福井県外に中間貯蔵施設を確保し、2030年頃に操業を開始する方針を示している。東京電力HDからの使用済み燃料搬入は2024年に既に開始しており、今回発表された計画によると、2028年頃から関西電力と東北電力の搬入を予定している。2030年頃には年間搬入量200トンの達成を見込み、2013年に完成した1棟目の貯蔵建屋には2040年頃まで搬入する。2030年代後半には、2棟目の着工を計画している。使用済み燃料の保管期間は最大でも50年間。1棟目に貯蔵している使用済み燃料の日本原燃六ヶ所再処理工場への搬出は2064年頃から開始され、2074年11月までに完了。その後2080年代前半から2棟目の搬出を開始し、2080年代後半に搬出を完了する見通しだ。電気事業連合会の森望会長は発表と同日に行われた定例会見で、今回の事業者間連携について、使用済み燃料対策の柔軟性を確保するうえで大きな意義があるとの認識を表明。中間貯蔵施設は事業者が主体となって、地域の信頼と理解を得ながら、設置、運営していくことが大前提であると強調した。
24 Sep 2026
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独立行政法人大学改革支援・学位授与機構(NIAD-QE)は9月16日、新たに令和8年度大学・高専機能強化支援事業に選定された28件の事業を公表。原子力分野では、茨城大学の「地域共創による次世代原子力デジタルツイン((現実の発電設備などを仮想空間上に再現し、動作や変化を事前に検証する技術))人材育成」事業が採択された。NIAD-QEは2023年度から、成長分野における高度専門人材の育成に取り組む大学・高等専門学校(高専)を対象に、大学・高専機能強化支援事業を実施している。支援には「成長分野転換枠」、「大規模文理横断転換枠」、「高度情報専門人材育成枠」、「重点分野支援枠」があり、今回茨城大学は、「重点分野支援枠」で選定された。支援金額は最大約10億円。今回の事業で茨城大学は、2028年4月に同大学大学院理工学研究科博士前期課程に、定員20名の「次世代原子力デジタルツインプログラム(仮称)」を新設する。マルチフィジックス解析((コンピューターを用いて、複数の異なる物理現象が相互に影響しあう様子を同時にシミュレーションする手法))やAI等の情報技術を理解・統合して活用し、原子力設備の挙動解析や予測、安全評価、異常検知などを担う分野横断型の技術者・研究者の育成を目指す。
18 Sep 2026
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原子力規制委員会は9月17日、定例会合を開催し、原子炉等規制法第62条の3に基づく事故故障等の報告(法令報告)に関する関係規則の解釈を変更することを了承し、10月1日から施行することに合意した。規制委は2025年8月の定例会合で、解釈の改善の方向性について既に了承しており、今回はそのうち、規則改正を伴わないものを先行して施行することとした。一方、規則改正を伴うもの、すなわち核燃料施設等の故障に関する報告要件や、原子力災害対策指針において原子力災害対策重点区域の設定を要しない施設に関する法令報告に関する改善については、引き続き検討を行う。今回の解釈変更は大きく分けると、①管理区域内における放射性物質の漏洩の報告要件について、試験研究炉と使用施設について実用炉等と同じ基準に統一する、②福島第一原子力発電所において、汎用品の交換等で復旧できる不具合は法令報告が不要であることを明確化し、また法令報告のタイミングについて、他施設で削除済みの事項を同様に削除する、③被ばく線量が線量限度を「超えるおそれ」に関する解釈の統一、④条文引用の表記整理――の4点。今回の変更は、解釈の改正や記載の適正化に当たることから、意見公募は行わず、10月1日に施行する。規制委は、国際原子力機関(IAEA)が今年実施した総合規制評価サービス(IRRS)の勧告で、グレーテッドアプローチ(リスクや重要度に応じて規制の厳しさを調整する)の規制プロセス全体への適用について指摘を受けている。今後、こうした規制制度に関する検討と法令報告との関係を整理し、規則改正を伴う見直しについて引き続き検討する。
18 Sep 2026
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中部電力は9月14日、浜岡原子力発電所の基準地震動評価における不適切事案について、外部の専門家による調査委員会の調査報告書を公表するとともに、再発防止策の方向性を発表した。経営責任を明確にするため、勝野哲会長と林欣吾社長は9月30日付で辞任する。後任の社長には、10月1日付で取締役・専務執行役員の安井稔氏が就任する。また、同社は浜岡3、4号機(BWR、3号機:110.0万kW、4号機:113.7万kW)の新規制基準に係る原子炉設置変更許可申請などを取り下げることも決定した。同発電所の再稼働をめぐっては、2026年1月、中部電力が基準地震動評価の代表波選定において、審査会合での説明と異なる方法や意図的な方法で実施していた疑いがあることを公表し、調査委員会が調査を進めていた。報告書によると、原子炉設置変更許可申請で必要な地震動評価および基準地震動の策定において、定量的な基準によらず人為的に代表波を選定していたほか、実際には行っていない選定方法の証跡となるバックデータを事後的に作成し、規制委に実態と異なる説明を複数回行っていた。背景には、関係者が「安全性には影響がない」「技術的には正しい」などとして自らの行為を正当化する「独自の正当化理論」が存在したほか、高度の専門性に起因する統制機能の不全や社内のけん制機能の脆弱性などがあったと指摘した。中部電力は再発防止に向けた施策案として、経営ガバナンス改革、組織風土改革組織の設置、部門間ローテーションなどによる次世代人材の育成、原子力本部内への多様な視点の導入、外部専門家によるチェック・レビューの実施、内部監査の強化、内部通報への対応強化などを挙げた。また、調査委員会も、外部専門家による定期的な技術監査の実施や、監視・牽制機能の独立性確保などを提言している。なお、浜岡3、4号機については、信頼回復を最優先とし、そのうえで再申請をめざすとしている。日本原子力産業協会の増井理事長は、「原子力事業において、コンプライアンスと安全性確保は大前提であり、当協会としても極めて重く受け止めております。今後、会員各社・関係機関とともに社会からの信頼回復に努めてまいります」と述べた。
15 Sep 2026
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近畿大学と関西電力は9月14日、原子力分野の包括連携協定を締結した。研究用原子炉などの教育・研究基盤を持つ近畿大と、原子力事業の知見や運営経験を持つ関西電力が協力し、原子力分野を担う次世代の人材育成と国内の原子力事業基盤の強化を目指す。協定では、関西電力が学生向けの講演・講義やキャリア形成支援を行うほか、研究面での連携、高等教育機関の学生を対象とした人材育成プログラムへの協力などに取り組む。また、研究炉の見学や講座などを通じ、地域住民に原子力について学ぶ機会を提供する。大学の原子力研究所の安定的な管理運営に向けては、関西電力が原子力業務経験者を紹介する人的支援も行う。一方、近畿大は研究炉や教員の知見を活用し、関西電力の社員教育を支援する。近畿大は1961年に運転を開始した日本初の教育用原子炉「UTR-KINKI」を保有。自大学の教育・研究に加え、国内外で原子力工学を学ぶ学生や教員、研究者を対象とした原子炉実習などに活用している。現在、国内の大学が保有する研究・教育用原子炉は、UTR-KINKIと京都大学の臨界集合体実験装置「KUCA」の2基のみ。京都大学の研究用原子炉「KUR」は今年4月に運転を停止した。今年3月の原子力委員会の会合では、近畿大学原子力研究所の若林源一郎副所長が、KURの運転停止を控え、「今後、近畿大学の原子炉の役割がさらに重要になる」と述べていた。
15 Sep 2026
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経済産業省は9月11日、産業資源であるコンビナートや地域に偏在する脱炭素電源などを核に、新たな産業クラスターの形成を目指す「GX戦略地域」の第1弾を認定した。原子力や再生可能エネルギーを活用した産業団地の整備を目指す「脱炭素電源活用型」では、新潟県柏崎市など8地域10地点が選ばれた。 GX戦略地域制度は、2025年2月に閣議決定された「GX2040ビジョン」で示されたGX産業立地政策を具体化するため、同年8月に創設された。①コンビナート等再生型、②データセンター集積型、③脱炭素電源活用型――の3類型について地域を選定し、支援と規制・制度改革を講じる。また、④脱炭素電源地域貢献型では、脱炭素電源を活用し、電源立地地域に貢献する事業者の設備投資を支援する。 このうち「脱炭素電源活用型」は、再生可能エネルギーや原子力などの脱炭素電源を活用した産業団地を整備し、電源立地地域における産業立地モデルの創出を図るもの。今回、青森県(六ヶ所村、六戸町)、新潟県柏崎市、福井県(福井市、小浜市)、島根県松江市など8地域10地点が認定された。 柏崎市では、鯨波(くじらなみ)産業団地で原子力と再生可能エネルギーによる脱炭素電力100%の安定供給を目指す。首都圏に送電されている原子力発電の電力の一部を地域に安定供給することも検討している。 また、「データセンター集積型」では、鹿児島県(薩摩川内市)など9地域10地点を認定した。薩摩川内市は4月、「脱炭素電源活用型」の有望地域に選定されていたが、今回は「データセンター集積型」で第1弾の認定を受けた。同型の各地域の計画概要は後日公表される。 政府は8月26日のGX実行会議で、4月に選定した有望地域の中から、近日中にGX戦略地域の第1弾を認定する方針を示していた。その他の有望地域についても、引き続き事業計画を具体化し、計画の熟度が十分に高まった段階で順次認定する。
14 Sep 2026
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中国電力は9月10日、2030年度の運転開始を目指している島根原子力発電所3号機(BWR=ABWR、137.3万kW)について、原子力規制委員会(規制委)の新規制基準適合性審査で一通りの説明を終了した。今回の会合で中国電力は、シーケンス選定((重大事故対策の有効性を検証する際、対象とする事故の進展シナリオを選ぶこと))や確率論的リスク評価(PRA)などの指摘事項に回答。規制側から追加の指摘事項はなく、同電力の三村秀行副社長・電源事業本部長は、これまでの会合での規制側のコメントを踏まえ、適切に補正内容を確認し、品質管理を行った上で補正申請を速やかに行いたいとの意向を示した。翌11日には、これまでの審査内容を踏まえた補正書が規制委に提出された。今後は、補正書の確認後に、原子力規制庁が審査書案を作成し、規制委がとりまとめを行う。同案については、原子力委員会や経済産業大臣への意見聴取と意見募集(パブリックコメント)が実施され、それらの結果を踏まえて必要に応じて審査書を修正。規制委が了承すれば、原子炉設置変更許可が交付される。島根3号機の建設に関する本格的な動きは1995年の事前調査から始まり、2005年に着工した。当初は2012年3月の営業運転開始予定だったが、2011年の福島第一原子力発電所事故を契機に、安全対策を講じるなどの対応を実施。2018年に新規制基準への適合性審査に係る原子炉設置変更許可申請を規制委に提出し、現在に至る。島根県の丸山達也知事は9月11日の定例記者会見で、記者から審査終了の受け止めについて聞かれ、規制委の中で必要とされている審査項目の全てが終了したことは一つの節目であるとし、今後審査書案や意見募集を注視していくと語った。
11 Sep 2026
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日本原燃は9月7日、原子力規制委員会の審査会合で、六ヶ所再処理工場の竣工前に、過去の試験運転で発生した溶液・廃液を用いた確認運転を実施する方針を示した。竣工後に実施するとしていた方針を見直した。 再処理工場では、過去の試験運転で発生したプルトニウム濃縮液や高レベル濃縮廃液などが施設内に残っており、関連する主要設備も長期間停止している。確認運転では、これらの溶液・廃液を実際に使用する。 溶液処理では、長期間停止している主要設備の健全性を確認する。廃液処理では、まず模擬廃液を用いてガラス溶融炉の漏えい確認を行った後、実廃液を供給して処理運転を行い、ガラス溶融炉の処理能力や設備の健全性を確認する。 確認運転の実施に伴い、保安規定についても変更認可を申請する。同社は、確認運転に関する変更と新規制基準対応に関する変更の2段階で申請する方針。規制委側は、竣工前の確認運転と新規制基準適合との関係や、保安規定、使用前事業者検査に関する手続きを引き続き整理するよう求めた。 六ヶ所再処理工場は、7月末時点の総合工事進捗率が約99%で、使用済み燃料を実際に用いて設備性能などを確認する「アクティブ試験」も約96%まで進んでいるものの、竣工に向けた規制上の審査や検査が続いている。 新規制基準への対応では、2020年7月に事業変更許可を取得。その後、設備の詳細設計に当たる設計・工事計画の認可(設工認)の審査を進めてきた。現在は設工認の補正申請に向けて準備するとともに、工事や使用前事業者検査を並行して進めている。日本原燃は、2026年度中の竣工を目指している。
10 Sep 2026
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経済産業省は9月9日、「次世代革新炉の開発・建設に向けた技術開発・サプライチェーン構築支援事業補助金」の二次公募の採択結果を公表した。東芝、原子燃料工業、日本ギア工業、日本製鋼所の4社が選ばれ、原子燃料工業以外は一次公募に引き続いての採択となった。今回の支援事業では、一次公募・二次公募共通で、次世代革新炉の技術開発と次世代革新炉の開発・建設に向けた産業基盤強化を目的とする事業に、最大で27億円(補助率50%以内)の補助金を交付する。事業期間は最大3年度まで。東芝は開発を進める革新軽水炉「iBR」の炉内構造物について、技術開発および製造実証をサプライヤーとともに実施し、将来の炉内構造物製造に必要となる製造・供給能力および保守管理能力を構築、製造基盤の確立とサプライチェーンの維持・高度化を図る。そのほか各社の採択された 事業は以下のとおり。<東芝>次世代革新炉向け炉内構造物の開発及び製造実証(Phase2)<原子燃料工業>次世代革新軽水炉向けPWR/BWR高性能燃料に係る部材製造設備の製造実証事業<日本ギア工業>ウォームシャフト製造の内製化・自動化による安定供給体制の構築と高精度熱処理技術の確立<日本製鋼所>原子力用鍛鋼品製造量増大のための技術開発
10 Sep 2026
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