日米首脳が対米投資で合意文書 原子力やAI分野で連携強化へ
29 Oct 2025
高市早苗首相は10月28日、訪日中のD・トランプ米大統領と会談し、両国による対米投資を柱とした経済協力の強化で合意した。会談後に公表された「日米間の投資に関する共同ファクトシート」には、エネルギーやAI、重要鉱物など幅広い分野で日本企業が米国のプロジェクトに参画を検討していることが明記された。
両首脳は、7月の関税合意を踏まえ、総額5,500億ドル(約84兆円)規模の対米投資枠を設定。そのうち最大2,000億ドルが原子力分野への投資となる見込みだ。日本政府系金融機関の支援も活用し、日米双方の企業による新たなビジネス協力を促進する考えを示した。
原子力分野では、ウェスチングハウス(WE)社が米国内で進める大型炉AP1000(PWR、125万kWe)やSMR(小型モジュール炉)の建設計画に対し、三菱重工業、東芝、IHIなどの日本企業が関与を検討している。事業規模は最大1,000億ドル(約15兆円)に達する見通し。また、米国のGE日立ベルノバニュークリアエナジー(GVH)社製のSMR「BWRX-300」(30万kWe)についても、日本の日立GEベルノバニュークリアエナジー社らが関与する構想が盛り込まれた。
経済産業省によると、ファクトシートは関心を示した企業の案件を列挙したものであり、投資実行が確定したわけではないという。日米両政府は同日、AIや核融合など7分野の科学技術協力に関する覚書にも署名し、経済・技術両面での連携強化を確認した。





