仏フラマトムと伊ENEAが月面原子炉開発でMOU
08 Oct 2025
仏フラマトム社と伊ENEA(国立新技術・エネルギー・持続可能な経済開発庁)は9月25日、将来の月面居住用の動力源となる原子炉設計の開発にむけて協力覚書(MOU)を締結したことを明らかにした。
過酷な環境条件で動作する能力と耐久性により、特に地球の約15日間にあたる長い月の夜の間に信頼性が高く、持続的なエネルギーを供給し、月面での人類の持続的な居住を可能にする原子炉を両者が協力して開発。特に、効率性と安全性を最適化した燃料に関する研究、宇宙での過酷な環境に耐える新素材の開発、原子炉部品の製造に向けた積層造形(3Dプリンティング)利用の3分野で協力する。
両者の専門知識を統合する今回の提携により、さらに競争力のある技術ソリューションの開発が可能となり、月面利用の原子炉の技術的成熟度を高めて、宇宙開発競争における欧州のプレゼンスを拡大したい考え。フラマトム社はこの提携を機に、宇宙関連事業に携わるフラマトム・スペース社を設立した。
原子力エネルギーは、特に光が長期間存在しない場合、太陽光などの再生可能エネルギー源の信頼性が低下する宇宙での継続的な供給を保証できる数少ないエネルギー源。宇宙原子炉は、将来、月面での人類の持続的な居住のために必要かつ重要な技術であり、さらに野心的な火星へのミッションへの道を切り開く資産になると期待されている。