関西電力 高浜2号機が60年運転へ 国内2例目
06 Nov 2025
関西電力は11月4日、原子力規制委員会から高浜発電所2号機(PWR、82.6万kWe)の高経年化対策に係る長期施設管理計画の認可を取得したと発表した。これにより同機は、2035年11月13日(営業運転開始から60年)まで運転が可能となった。
原子力発電所の長期運転をめぐっては、既存炉の健全性を確認したうえで、運転期間を延長する動きが世界的に広がっている。こうした潮流を受け日本では、GX脱炭素電源法が今年6月に全面的に施行され、原子力発電に関連する「電気事業法」や「原子炉等規制法」の改正によって、実質的に「60年超」運転が可能となっている。
ただ、高経年化炉に対する安全規制は強化され、運転開始から30年を超える原子炉は、10年以内ごとに長期施設管理計画を策定し、原子力規制委員会の認可を受けることが義務付けられている。
同社によると、同機の安全上重要な機器・構造物を対象に、経年劣化事象が発生していないか、また今後の運転で劣化が進展する可能性はないか、劣化評価を実施した。そして、劣化の恐れがある機器・構造物については、運転開始後70年時点を想定し、現行の保全活動で安全性が確保されているか確認を行った。
それらの結果に基づき、同社では現行の保全活動に加えた追加対策を策定。具体的には、炉内構造物の計画的な取替えや原子炉容器の第6回監視試験を行い、疲労評価の継続的な確認を実施。さらに、ステンレス鋼配管の検査計画への最新知見の反映や、原子炉容器保温材内側の冷却空気流入経路の封止など、温度管理の強化を進める。また、電気系統ではピッグテイル型電気ペネトレーションを取替えるなど、長期運転に向けた信頼性向上策を講じる方針だ。
同社は、現在行っている保全活動に加えて、これらの追加保全策を実施していくことで、運転開始から50年以降においてもプラントを健全に維持できることを確認したという。





