韓国とトルコ 原子力分野の協力で覚書
16 Dec 2025
韓国電力公社(KEPCO)とトルコ原子力公社(TÜNAŞ〈TUNAS〉)は11月24日、原子力分野における協力に関する覚書(MOU)を締結した。覚書は、トルコを訪問した李在明大統領とR. エルドアン大統領による首脳会談の場で、両首脳立ち会いのもと署名された。
TUNASは、トルコ国内における原子力発電所の建設や運営などを担う国営企業として、2022年に設立された。今回のMOUは、両国間における技術や情報、ノウハウの共有を通じ、新規原子力発電所建設に向けた共同プロジェクトを促進することを目的とする。KEPCOは、トルコにおける原子力事業の開発推進を正式に位置づけ、事業用地の評価や原子力技術、規制・許認可、現地化など、事業全般にわたる協力枠組みを構築する。今後は、事業予定地の評価に向けた共同ワーキンググループを設置し、協力を具体化する方針だ。
KEPCOの発表によると、同社のK. ドンチョル最高経営責任者(CEO)は翌25日、トルコのA. バイラクタル・エネルギー天然資源大臣と会談し、計画中のシノップ原子力発電所事業の建設スケジュールや事業条件について意見交換を行った。K. ドンチョルCEOは、「シノップの新規建設事業は、長期にわたり巨額の投資を伴うため、トルコ政府の積極的な支援が不可欠」と指摘。そのうえで、アラブ首長国連邦(UAE)での原子力発電所建設の実績を挙げ、「KEPCOは、シノップ事業における最適なパートナーとなり得る」と強調した。韓国は2023年1月、トルコ北部で韓国製の第3世代加圧水型原子炉(PWR)であるAPR1400(140万kW)×4基を建設するプロジェクトについて、トルコに対し予備提案書を提出している。
トルコは2023年に公表した国家エネルギー計画で、原子力をカーボンニュートラル目標達成に向けた重要な電源と位置づけ、2035年までに原子力発電設備容量を720万kWに引き上げる方針を掲げている。同国南部では、同国初の原子力発電所となるアックユ原子力発電所(ロシア型PWR=VVER-1200、×4基)をロシアの融資と協力のもと建設中。建設は2018年以降段階的に進められており、2028年までの順次運転開始を目指している。





