原子力産業新聞

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フィンランド 地域暖房で企業提携

22 Jan 2026

桜井久子

LDR-50設置予想図  Ⓒ Steady Energy

フィンランドの小型モジュール炉(SMR)開発企業ステディ・エナジー(Steady Energy)社と同国電力大手フォータム(Fortum)社は1月13日、ステディ社による地域暖房向けSMRの開発のために、フォータム社が幅広く原子力関連サービスを提供する枠組み契約を締結したことを明らかにした。フォータム社は特に、運転・保守コンセプトの設計などを支援する。

ステディ社は、地域暖房向け熱供給専用SMRLDR-50(出力5kWt)」を開発中。高さ約10mの地下埋設型で、その他重要な安全機能を備え、地域暖房ネットワークに近い都市部での立地が可能である。現在、フィンランドのヘルシンキ、クオピオ、ケラヴァで3プロジェクトに取り組んでおり、202512月には、韓国最大の地域熱供給会社である韓国地域暖房公社と協力協定を締結している。

今回の契約により、フォータム社は将来、フィンランドとスウェーデンにおいて、ステディ社のSMRに必要な運転・保守サービスを独占的に提供できるようになる。なお、フォータム社は既にLDR-50のプロセス設計と原子炉モデリングのシミュレーションに参加しており、さらに、210万ユーロ(約3.9億円)を投じて、開発を支援する。

フォータム社のA. ヤーリネン原子力サービス担当副社長は、「当社は、原子力発電所を安全に所有・運転してきた約50年の実績があり、長きにわたり、運転・保守の開発と自社の運転の効率化に投資してきた。ステディ社の新たな地域暖房炉の最適な運転・保守コンセプトの開発は非常に興味深い」と本提携に期待を示した。

ステディ社のT. ナイマンCEOによると、2028年までにLDR-50の設計を完了し、初号機を着工したい考え。同国では、SMR導入に対応する改正原子力法が、今年後半に議会で採択される予定であるという。

欧州連合(EU)では地域暖房向けの熱供給の75%を化石燃料に依存。現在、天然ガスと石炭から生産されている熱供給は、LDR-50の出力に換算すると、約800基分に相当するという。

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