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米ニュージャージー州 新規原子力発電所の調達プロセスを開始

23 Jul 2026

桜井久子

シェリル知事がパワーNJ法に署名
© @GovSherrillNJ / X

米ニュージャージー州のM. シェリル知事は713日、同州の増大するエネルギー需要に応えるため、新規原子力発電所の建設に向けて競争的な調達プログラムを設定する法案(パワーNJ法)に署名した。州は少なくとも110万kWeの新規原子力発電の調達をめざす。同法案は超党派の支持を受けて、州議会の上下両院を全会一致で通過。電力料金高騰の現状やAI・データセンターなどによる電力需要の急増を見据え、安定した脱炭素電源として先進原子力を将来の電力供給の柱の一つに位置付け、競争プロセスを通じて具体的な導入プロジェクトの検討を本格化させる。

米国では近年、電力需要の増加や脱炭素化の進展を背景に、原子力発電所の新設を制限してきた州レベルの「原子力モラトリアム(禁止・制限措置)」を見直す動きが広がっている。ニュージャージー州もその一つ。2026年4月、約50年間続いた実質的な新規原子力発電所の建設禁止措置を解除し、原子力タスクフォースを発足させた。資金調達、サプライチェーンと技術開発、労働力の育成と訓練、規制・許認可枠組み、住民の信頼醸成を重点5分野として、新たな原子力エネルギーの推進に取り組む。

今回成立した調達制度の下で、州公益事業委員会(NJBPU)と州経済開発局(NJEDA)が共同で、先進炉を含む新規建設プロジェクトの開発事業者を競争入札方式で募集・評価する。同法案は電力料金支払者を強力に保護しているのが特徴で、プロジェクトが完成するまで、電力料金支払者に対して建設費用の負担やコスト超過の負担を負わせないと明言。開発事業者は発電開始後、信頼できる容量証書(Reliable Capacity Certificate: RCC、いわゆる安定供給能力)を変動する市場価格ではなく、予め交渉で定めた固定価格で小売電気事業者に販売する。固定価格による長期販売契約のため、事業の予見可能性を高め、投資促進が期待されている。NJBPU20271月に開発事業者の募集を開始し、NJEDAと共同で仮選定された事業者とその後1年間かけて正確なコスト見積や価格面などの条件交渉を行い、20287月までに事業者を最終決定する方針である。決定の条件として、プロジェクトが電力料金支払者に正味の利益をもたらし、その負担コストが不当または過大ではないことや連邦政府からの資金調達を確保している必要がある。

ニュージャージー州では現在、電力会社のPSEG社がセーレム原子力発電所(PWR×2, 120kWe級)とホープクリーク原子力発電所(BWR単機, 124.0kWe)の3基を運転中。原子力発電は、州内発電電力量の約4割、クリーン電力の8割を占め、稼働率90~95%の安定した運転を継続している。PSEG社は米原子力規制委員会(NRC)に対し、両発電所の運転認可更新申請を2027年第2四半期に提出する予定。承認されれば、セーレム1-2号機の運転期間はそれぞれ2056年と2060年に延長、ホープクリークの運転期間は2066年に延長され、いずれも80年運転の認可となる。

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