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JAEA 原子炉の過酷事故時に生じる溶融物の挙動シミュレーションに成功

27 Jul 2026

深澤伊弦

原子炉内部のシミュレーション対象領域と溶融物挙動のシミュレーション結果ⓒJAEA

日本原子力研究開発機構(JAEA)は7月23日、原子炉の過酷事故に、燃料を含む金属や制御棒などが溶けて生じる溶融物の流れ方の3次元でのシミュレーションに成功したと発表した。過酷事故での炉内溶融物の挙動を数値シミュレーションで再現したのは世界初。

JAEAは2018年に、福島第一原子力発電所事故の解明への支援を目的として、シミュレーションコード「JUPITER(三次元多相多成分詳細熱流動解析コード)」を発表し、以後も改良を続けてきた。JUPITERは構造物の簡略化を行わないシミュレーションコードであり、BWR、PWRなど原子炉の種類に依存せず、シミュレーションを実施することが出来る。さらに、炉内構造物や熱の影響を精緻に計算し、高精度かつ実態に即したシミュレーションとなる点が特徴だが、過酷事故時の原子炉内溶融物の挙動をどの程度再現できるかは、難易度の高い取り組みなこともあり、これまで十分に確認出来ていなかった。

今回は、米国のサンディア国立研究所が1995年に実施した、BWR模擬燃料集合体を用いた溶融物の流動観察実験と同じ条件を設定し、JUPITERで数値シミュレーションを行うことで、JUPITARの溶融物挙動のシミュレーションの正確性を検証。その結果、溶融物の流動経路や滞留物の量(体積)などが整合することが確認出来たという。溶融物が上部から下部へ複雑に流れ落ちる様子を、3Dで可視化することにも成功した。

今回の結果からJUPITERを用いた仮想環境内で、溶融物の状況を視覚化することで、事故進展評価の高度化に貢献することが期待できる。JAEAは今後、次世代革新炉の安全性向上への貢献に向けた開発と、定常運転時の炉内熱流動現象への適用性検証も進めるとしている。

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