原子力産業新聞

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原子力産業セミナー開催 人材確保へ各社が知恵(1)

07 Sep 2026

大野 薫

企業と学生の採用・就職活動支援と原子力産業界への理解向上を目的とした「原子力産業セミナー」(主催=原子力産業協会/関西原子力懇談会)が9月5日、東京都立産業貿易センター(東京・港区)で開催され、企業・機関50社が出展し、例年並みの229名の学生らが訪れた。主に2028年卒の大学生・大学院生・高専生が対象で、今回で21回目の開催となる。

同セミナーは今後、大阪(9月12日)、福岡(10月17日)に加え、今年初めて仙台(10月10日)でも開催される。東京を含む4会場合計で65社・機関、157ブースの出展を予定している。

2025年2月に閣議決定された第7次エネルギー基本計画では、DXやGXの進展に伴う電力需要の増加などを背景に、原子力を最大限活用する方針が示された。既設炉の再稼働や長期運転に加え、次世代革新炉の開発・設置に向けた動きも進むなか、原子力産業界では将来を担う人材の確保がこれまで以上に重要となっており、企業・機関の採用ニーズも高まっている。

原子力産業新聞取材チームは今回、出展企業・機関のうち4社に、人材確保・育成に向けた取組みを聞いた。2回にわたり、各社の取組みや学生に訴える自社の魅力を紹介する。

木内計測:「教育力」と「技術力」をアピール

原子力発電所などの計装・制御を手掛ける木内計測は、「教育力」を人材確保の大きな強みとして打ち出す。同社によると、社員約400人が国家資格を1人平均4.7保有。昨年には、女性営業社員が電気工事士の資格を取得したといい、担当者は教育の成果を象徴する出来事だと強調する。また、学生には馴染みの薄いフィールド系の仕事について、大学や高専への訪問などを通じて理解促進に取り組むほか、5日間のインターンシップでは31.5時間を実技に充て、実際の仕事を体験する機会を設けている。担当者は「難しそうに感じるが、入り口はそんなに難しくない」としたうえで、繰り返し訓練しながら技術を磨き、一人前になるまで長い目で人材を育てる企業風土も同社の魅力としてアピールしている。

同社では足もとの採用も好調で、特に高卒採用はここ数年の3~4名程度から、今年は14~15名程度を見込む。2025年度から給与水準を引き上げたことも奏功したとみている。また、東京都市大学、福井工業大学、近畿大学のエネルギー関連の学生団体をつなぎ、オンラインで定期的に交流する取組みも進める。自社だけでなくフィールド系の仕事そのものを学生に知ってもらうことを狙いとしており、担当者は、学生に対して知名度だけで企業を選ぶのではなく、原子力産業を現場で支える企業にも目を向けてほしいと期待を寄せた。

フィールド系の仕事については、「自分がやって考えた結論が、そのプラントを直接的に支えているという実感を持てる」と魅力を語る。関西電力管内の原子力・火力発電所をはじめ、各地の原子力関連施設で業務に携わってきた技術力を背景に、原子力産業を現場から支える仕事の魅力を学生に訴えている。

日本原子力発電:原子力専業ならではの魅力を発信

日本原子力発電では、発電所の再稼働に向けた準備が進むなか、人材需要が高まっており、会社として採用活動を強化している。担当者は、自身が入社した4年前と比べ、「原子力に対する学生の印象はだいぶ変わってきている」と指摘。エネルギー問題への関心の高まりなども背景に、原子力の必要性を理解する学生が増えているとの感触を示し、応募者も増加傾向にあるとした。

一方、高卒採用については、震災前の水準には戻っておらず、東海地区でも厳しい状況が続くという。こうしたなか、同社では従来の採用活動に加え、YouTubeで社員インタビューなどの動画を公開するほか、自社の採用サイトも充実。新卒だけでなくキャリア採用も含め、幅広い層との接点づくりを進めている。

学生にアピールする同社ならではの魅力の一つが、日本の原子力発電開発を草創期から担ってきた原子力専業の事業者であることだ。担当者は、原子力に確実に携われることに加え、会社の規模が比較的小さいことで上司との距離が近く、若手でも自らの提案を実現しやすいことを他社との差別化ポイントとして挙げる。

また、再稼働に至っていないことによる採用面での難しさがあるなか、学生にはその先の原子力事業も積極的に伝えている。再稼働に加え、高速炉開発や敦賀3、4号機の建設予定地などにも触れながら、将来、幅広い原子力事業に携われる可能性をアピールしているという。

次回は、発電設備技術検査協会、アトックスを紹介します。

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