中部電力 浜岡不適切事案で再発防止策の方向性 「解体的再構築」で改革へ
15 Sep 2026
中部電力は9月14日、浜岡原子力発電所の基準地震動評価における不適切事案について、外部の専門家による調査委員会の調査報告書を公表するとともに、再発防止策の方向性を発表した。経営責任を明確にするため、勝野哲会長と林欣吾社長は9月30日付で辞任する。後任の社長には、10月1日付で取締役・専務執行役員の安井稔氏が就任する。
また、同社は浜岡3、4号機(BWR、3号機:110.0万kW、4号機:113.7万kW)の新規制基準に係る原子炉設置変更許可申請などを取り下げることも決定した。
同発電所の再稼働をめぐっては、2026年1月、中部電力が基準地震動評価の代表波選定において、審査会合での説明と異なる方法や意図的な方法で実施していた疑いがあることを公表し、調査委員会が調査を進めていた。
報告書によると、原子炉設置変更許可申請で必要な地震動評価および基準地震動の策定において、定量的な基準によらず人為的に代表波を選定していたほか、実際には行っていない選定方法の証跡となるバックデータを事後的に作成し、規制委に実態と異なる説明を複数回行っていた。背景には、関係者が「安全性には影響がない」「技術的には正しい」などとして自らの行為を正当化する「独自の正当化理論」が存在したほか、高度の専門性に起因する統制機能の不全や社内のけん制機能の脆弱性などがあったと指摘した。
中部電力は再発防止に向けた施策案として、経営ガバナンス改革、組織風土改革組織の設置、部門間ローテーションなどによる次世代人材の育成、原子力本部内への多様な視点の導入、外部専門家によるチェック・レビューの実施、内部監査の強化、内部通報への対応強化などを挙げた。また、調査委員会も、外部専門家による定期的な技術監査の実施や、監視・牽制機能の独立性確保などを提言している。なお、浜岡3、4号機については、信頼回復を最優先とし、そのうえで再申請をめざすとしている。
日本原子力産業協会の増井理事長は、「原子力事業において、コンプライアンスと安全性確保は大前提であり、当協会としても極めて重く受け止めております。今後、会員各社・関係機関とともに社会からの信頼回復に努めてまいります」と述べた。





