2026年版「レッドブック」 ウラン生産は2割増 探鉱・開発投資は4割増 将来供給へ投資不可欠
18 Sep 2026
経済協力開発機構・原子力機関(OECD/NEA)と国際原子力機関(IAEA)は9月14日、46か国の国別報告を基に、ウラン資源、探鉱、生産および需給状況をまとめた「2026年版 ウラン:資源・生産・需要」(Uranium 2026: Resources, Production and Demand:通称「レッドブック」)を共同で刊行した。2023~24年の世界のウラン鉱山生産量は2021~22年比で約20%増加。報告書は、2050年以降の需要を満たすのに十分な資源が存在する一方、将来の供給確保には新規生産に向けた適時かつ継続的な投資が欠かせないと強調している。
レッドブックは1965年からほぼ隔年で刊行され、今回で通算31冊目。2026年版には46か国の国別報告が収録され、2023、24年のデータを中心に、一部2025年、26年の情報も含まれている。
2025年1月1日時点で、回収コストが260ドル/kgU未満の既知資源量[1]鉱床の規模・品位・形状が明らかな「確認資源」と、データが不十分な「推定資源」の合計は810万4,500トンUで前版比2.1%増加。130ドル/kgU未満では、586万4,500トンUとほぼ横ばいだった。
世界のウラン鉱山生産量は2023~24年の2年間で11万6,487トンUとなり、2021~22年の9万6,851トンUから約20%増加。2024年単年では6万1,924トンUと、2016年の約6万3,000トンUに迫る水準まで回復した。増加を押し上げたのは、カナダの鉱山の本格生産への復帰や、カザフスタンでの新規生産能力の立ち上がり、そして2030年までに生産量を3,500トンUから7,000トンUへ倍増させる大統領令を受けたウズベキスタンの増産など。2024年には鉱山生産で、世界の原子炉所要量の約96%を賄った。
ウラン価格の回復などを背景に、探鉱・開発投資も回復している。2023~24年の世界の探鉱・開発支出は約18億ドルと、2021~22年比で46%増加した。ウラン価格は2021年初頭の1ポンド当たり30ドル(U3O8)から2024年1月に106ドルまで上昇した後、2025年3月には約64ドルまで下落、2026年1月には再び約94ドルへ戻している。
ウラン需要も大きく伸びる見通しだ。世界の原子力発電設備容量は、2024年の3億9,800万kWから2050年には5億6,500万kW~9億1,600万kWに増加すると予測。これに伴い、年間ウラン需要量も現在の約6万4,500トンUから約8万4,800~14万3,900トンUに拡大する見通しで、特に中国を中心とする東アジアで大幅な増加を見込む。
現在確認されている資源量はこうした需要を満たすのに十分なものの、NEAとIAEAは、鉱山開発には長いリードタイムを要すると指摘。将来の供給制約を回避するには、短・中期的に新規プロジェクトを具体化し、開発を進めるとともに、継続的な探査を支える十分なウラン価格と投資が不可欠としている。
脚注
| ↑1 | 鉱床の規模・品位・形状が明らかな「確認資源」と、データが不十分な「推定資源」の合計 |
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