原子力産業新聞

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高レベル放射性廃棄物処分、国際ラウンドテーブル報告書がOECD/NEAより公表

24 Aug 2020

「高レベル放射性廃棄物処分の実現は、原子力を利用するすべての国の共通課題」との観点から、日米を共同議長として原子力主要国政府が参加し行われた「最終処分国際ラウンドテーブル」(=写真、資源エネルギー庁発表資料より引用)の報告書が8月21日までにOECD/NEAより公表された。

同ラウンドテーブルは、2019年6月のG20軽井沢大臣会合で立ち上げが合意されたもので、同10月と2020年2月と、2回の会合を開催し、各国における理解活動の経験・知見を共有するとともに、研究施設間の協力や人材交流のあり方について議論。政策面での経験を共有し国際協力をさらに進めることの重要性を認識した。

最終処分に関する国際連携はこれまで専門家レベルでの技術連携が中心となっており、国家戦略レベルでの対話は十分に実施されてこなかった。今回OECD/NEAが取りまとめた報告書は、「ハイレベル政府代表からの国際協力に関するメッセージ」との位置付け。報告書では、ベルギー、カナダ、中国、フィンランド、フランス、ドイツ、日本、韓国、オランダ、ロシア、スペイン、スウェーデン、スイス、英国、米国の経験は、「すべての参加国にとって学ぶべき教訓」となると、同ラウンドテーブルを通じた戦略強化を評価。

最終処分の実現に向けて各国が直面する課題は、「技術的というより、社会的・政治的なもの」との議論から、報告書では、国民理解のための対話活動や意思決定プロセスに関する教訓・ベストプラクティスがあげられた。その中で、処分地選定に向けた日本の取組として、2017年7月公表の地域の科学的特性を全国地図で示した「科学的特性マップ」についても共有が図られたとしている。一方で、地元コミュニティのへの資金的なサポートに関し、「処分事業の信頼と成功を得るための最も重要な要素とは思われない」などと、単なる経済的支援にとどまらず「付加価値」がもたらされる重要性を指摘。また、若い世代の関与に向け、ソーシャルメディアや動画の活用の有用性もあげられた。

技術分野での国際協力については、他国の地下研究施設の利用の有効性や、今後連携強化を検討すべき分野としてロボット・遠隔操作技術の実証などが提案された。

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