原子力産業新聞

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高経年化炉の安全規制で新たな仕組み 運転期間延長見据え

21 Dec 2022

運転期間延長を見据えた新たな高経年化炉規制の仕組み(原子力規制委員会発表資料より引用)

原子力規制委員会は12月21日の定例会合で、高経年化した原子力発電プラントに関する新たな安全規制の仕組みを取りまとめた。資源エネルギー庁による運転期間の見直しに係る検討を受け、現行の「40年+20年」の上限を超えて運転する可能性を見据え、今後必要となる安全規制の整備について定例会合の場で集中議論を行ってきたもの。〈規制委発表資料は こちら

新たな安全規制の仕組みは、現行の高経年化技術評価と運転期間延長認可の両制度を統合するもので、運転開始後30年を超えて運転しようとする場合、先々10年以内ごとに、施設の劣化を管理するための「長期施設管理計画」(仮称)の策定を事業者に義務付け、規制委員会が認可。同計画に従って講ずべき措置の実施状況は規制検査の対象とする。今後、パブリックコメントに付すとともに、26日を皮切りに事業者との意見交換を実施した上で正式決定し、原子炉等規制法改正案が年明けの通常国会に提出となる運び。

運転期間の見直しについては、16日に行われた総合資源エネルギー調査会において、「現行制度と同様に、運転期間は40年、延長を認める期間は20年との制限を設けた上で、新規制基準適合性審査に伴う停止期間などを除外し、追加的な延長を認める」との考え方が示されている。

また、同定例会合では、IAEAの国際核物質防護サービス(IPPAS)ミッションの2024年半ば頃の受入れをIAEAに対し正式要請することが了承された。IPPASは、IAEA加盟国からの要請に基づき、核セキュリティに関する視察・ヒアリングを実施し助言などを行うもので、日本では2015、18年の受入れ実績がある。山中伸介委員長は就任から1か月後の10月26日、今後の重点的取組の一つとして、国際機関による外部評価を掲げている。

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